神田の業務用酒販店老舗・小西が、ワインバルで注目される神田エリアに「ワインホール神田小西」を10月17日にオープン！

神田エリアではあるがJRの神田駅周辺ではなく、出版社などの企業や大学が集まる地下鉄、都営新宿線小川町駅、丸の内線淡路町駅の2駅からほど近いオフィス街。新宿へと抜ける基幹の靖国通りから一本入った、自社ビルの1階に店をオープンした。天井まで4メートル以上はある元倉庫の空間を活かして改装した「ワインホール神田小西」は、全面オープンとなるファサードから店内に向けての開放感が気持ちよいほどの広がりだ。店の中央に設えたグリルカウンターの壁にはディスプレイ用のワインボトルが並び、一目でワインが楽しめる店とわかる。赤いキャノピーの下にはテーブルも置かれ、ビルが並ぶグレーな通りのなかで、一際、その存在感を放っている。 小西（東京都千代田区、代表取締役：三澤佳秀氏）は通称「神田小西」と呼ばれ、江戸時代に創業したと言われる初代小西の流れを組む歴史ある業務用酒販店小西グループの一員という。昭和7年、上野にある小西本店から暖簾分けし、現在の場所、神田で創業し、その伝統の暖簾を守っている。かつては70店舗あったと言われる小西グループも、今は27店舗。時代の推移と共に、ディスカウント業態やネット販売といった、業務用酒販店の競合のあり方も変化、多様化するなかで、自ら飲食店の開業に踏み切った。 「お取り引き先の飲食店と市場のリアルなニーズを汲みたく、また、それを知ることで、飲食店への説得力のあるご提案を出来るのでは」と、開業への経緯を語るのは三澤佳秀代表。そしてなによりも「酒販店が今、出来ること、そして存在価値とはと、酒販店の役割を改めて考えたことが大きな理由です」と、その思いを話す。そんな開業への構想を描いてから1年半、本業に反映する飲食業を念頭に、「今がそのチャンス」と常務取締役である三澤一水氏と二人でオープンへこぎつけたという。運営は、グループ会社のコニシフードシステム（代表取締役三澤益子）で、実質、店を切り盛りするのは三澤一水氏だ。 ワイン業態に決めたのは「神田小西」でワインの取り扱いが多い事にもあるが、なによりも、近隣にある得意先でもある飲食店への配慮からだ。 店で取り扱うワインは約550種類。イタリアワインをボリュームにヨーロッパ、ニューワールド、そして日本のワインまで揃う。メニューリストに並ぶのはその一部で、常時リストを変え、いろいろなワインを提案していくという。価格は1800円から8800円と日常使いのワインから記念日などのちょっと奮発ワインまで揃え、目的に応じたワインスタイルが楽しめる。グラスワインは赤白それぞれ5種類、スパークリングワインは3種類の日替わりで提供している。リスト以外に3万円はするような人気ブランドワインも揃う。あえて生ビールは置かずに、瓶ビールのみであるのも、ともかくワインを楽しんで欲しいとの意向からだ。 料理は、店の中央に設えた鉄板で作る鉄板料理を軸に、手軽な前菜風料理からチーズなど、それぞれの飲み方に応じた気取りのない構成となっている。グランドメニューに加え、「おまかせ野菜の鉄板焼き」（700円）、「国産牛イチボステーキ」（100g：1600円、200g：2980円）、「牛ハラミ丼」（880円）といった、シェフお勧めの日変わりメニューまで、あれこれと楽しめる。料理から甘味まで、なんでもある「ミルクホール」をイメージした「ワインホール」らしい。因に土曜日は、子供連れを歓迎し、ナポリタンなどのキッズメニューも用意するという。 店には、時として本社の社員もスタッフとしてフロアに出る。「ここでの実践的な経験はお取引先への具体的なメニュー提案や商品紹介といった、営業のコミュニケーション力アップへの勉強になります」と、三澤社長は話す。「神田小西ワインホール」は本社、小西の業務用酒販業務へのフィードバッグ拠点ともなるのだ。 しかしなによりも、飲食店としての最善を尽くすという三澤一水氏。「元気になれる、楽しい雰囲気を伝達できたらと思います」と自身も毎日、店に出るのが楽しいと笑顔で語る。

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