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料理人兄弟が営む日本料理、六本木「さ行(さこう)」に注目!山形牛をつかった懐石料理が人気を呼ぶ話題店

六本木駅から歩いてすぐとは思えない静かさ。提灯を目印に店を目指す
夜のコースに出てくるお造り。旬の魚を用い、オーナーのコレクションでもある美しい器に盛り付ける
はまぐりの器には、様々な季節の美味が。丁寧な二人の仕事ぶりがこの中に凝縮されている

六本木駅から徒歩5分、東京ミッドタウン近くの小さな路地に店を構える「さ行(さこう)」は、料理人兄弟が静かに営む日本料理の店である。昨年10月20日にオープンし、味と2人の人柄、そして六本木という立地では非常に高いコストパフォーマンスが評判を呼び、今では昼時など連日満席となっている。山形県出身の2人は料理屋を家業とする家に生まれ、料理人であった父の背中を見て育ったという。2人がまだ学生だった頃に他界してしまった父の遺志を受け継ぐように、それぞれ料理の道を歩み始めた。 兄である源也さんは、山形に明治から続く老舗料亭で18年も働き続けたキャリアの持ち主。調理場でひたむきに自らの仕事を全うする真摯な姿が印象的で、寡黙だが、料理に対する誠実さはカウンターのお客にも伝わっているだろう。一方、弟の正也さんは早くに山形を出て赤坂の料亭で8年、銀座の日本料理店では料理長として3年のキャリアを積んだという。その後、弟の正也さんが独立を決意し、山形で働く兄を誘い、東京の地にて2人で店を始めることにしたという。物件は1年以上探し回ったそうだ。最終的に昨年8月に決めたのは偶然見つかった六本木のこの地だった。駅からもほど近く、すぐそばにはミッドタウンがあるが、細い路地にあるせいか店内にいれば六本木とは思えないほど夜も静かな場所である。内装は日本料理屋よろしく木材や竹を多く用いてあり、壁面には杉板を配すなど、さりげないデザインを施す細やかな工夫もみられるが、とてもシンプルに仕上げられている。手前にはテーブル席が8席、奥にはカウンター6席のこぢんまりとした空間には、穏やかな空気が漂っている。 料理は故郷自慢の食材、“山形牛を使った懐石料理”というのが「さ行」の特徴の一つで、多種多様な食材を用いて、その取り合わせを楽しんでもらうというのが2人の料理のこだわりでもあるという。昼間のメニューはオープン当初4種だったが、現在では7種。「山形牛のバラ角煮膳」や「山形牛ロース柳川鍋」、「山形牛煮込みハンバーグ膳」など、山形牛を使った贅沢なメニューが、なんと900円で食べられる。そのほか、魚を使った丼ものなどもあり、こちらも全て900円。最上のコストパフォーマンスは客が客を呼び、はじめは1日5人ほどしか訪れなかったようだが、今では昼だけで3回転する日もあるという。近隣で働く方の利用も多いようで、お財布片手に暖簾をくぐる姿もよく目にする。調理場は兄の源也さん、接客は弟の正也さんと、昼は完全に分業している。正也さんは慌ただしい中でも、笑顔を絶やさず柔らかい物腰で、帰り際、戸をあけてお客を見送ることを欠かさない。 一方夜はというと、事前の予約制で営業している。「当日予約は今のところお受けしていないんです。時間をかけて仕込みをして、ちゃんと準備したものをお出ししたいので、無理はしません。」と、穏やかに話す正也さんだが、無理や妥協が料理のクオリティを下げ、訪れる人の満足度を欠いてしまうのを自覚し、あくまで今の自分達にできる範囲内で営業することを貫いている。先付から水菓子までの懐石コースのみで6800円~。旬の食材をふんだんに取り入れるため、月に2度ほどメニューを改めているという。料理はもちろんだが、“器”という楽しみも忘れないでほしい。「さ行」はランチでも数多くの器を使っていて、目を引くような艶やかな華のある絵付けや色の食器が印象的だった。これらは正也さんが二十歳のころから好きが高じて少しずつ集めてきたもので、この店を開店するにあたっては、ほとんど買い足したものはないという程のコレクターぶりに驚いてしまう。 アルコールは、日本酒はもちろん焼酎、ビール、スパークリング、ワイン、梅酒など一通り揃うが、今後はワインのラインナップを増やしていきたいと考えているそうだ。 店名の由来について尋ねると、「佐藤の“さ”に加えて、父の“正行”という名から一字とって“さ行(さこう)”にしました。」と、教えてくれた。料理人の父の存在があっての今の2人だというこの店は、家業で営んでいた料理屋の生まれ変わりといえる。 今後は肉の貯蔵庫などをつくり、「熟成肉が扱えたらいいですね。」と話す正也さん。さ行の料理は常にゆっくりと進化しながら、静かにファンを増やしていくだろうと期待したい。

(取材=小野 茜)

店舗データ

店名 さ行(さこう)
住所 東京都港区六本木7-6-6
アクセス 地下鉄六本木駅より徒歩4分
電話 03-3478-5141
営業時間 11:30~14:00L.O. / 18:00~20:30L.O.
定休日 日・祝
坪数客数 14席
客単価 昼 900円、夜 8000円
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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