9月27日、恵比寿にイタリア・サルデーニャ料理を供する「Trattoria Sarda RENABIANCA(トラットリア サルダ レナビアンカ)」がオープンした。同店は東京・四谷の「メラグラーナドーロ」で支配人兼シェフをつとめていた堀川英朗氏がオーナーシェフとして出店させた店だ。場所は恵比寿駅西口から徒歩2分という好立地。地下1階、25坪の店内にはカウンター5席、テーブル席14席というこぢんまりとした温かい雰囲気のトラットリア空間が広がる。 恵比寿駅近く周辺の飲み屋街とは一転、階段を降り扉を開けると、店内はイタリアへトリップしたかのような、サルデーニャのテイストで溢れている。この明るく居心地のよい内装に秘密がある。地階にもかかわらず、まるで太陽光が降り注ぐかのような明るい店内は「ちゃんと料理の色をみてほしいから」と、照明の照度をあえて高くしている。また、カウンターに使われている色鮮やかな黄のタイルや床材、天井のヘリに見られる瓦はすべてイタリアから取り寄せたもの。図面も引かず、堀川氏の記憶に鮮明に残るイタリア・サルデーニャ島をそのまま再現したのだという。 現在の営業はディナーのみ。“ちょっと一杯”から“コース仕立てでしっかりと”というお客様それぞれのニーズに柔軟な対応がとれるよう、トラットリアとしてスタートさせた。 ワインはグラス(600円)、ボトル(3800円より)いずれもサルデーニャの銘柄を中心に揃えているが、今後は他の地方のラインナップも増やしていく予定だという。ヨーロッパで醸造に携わった経験のある堀川氏のワイン選びに期待したい。 「うちは3500円もあれば、お腹いっぱいになりますよ。いや、むしろ食べきれないかもしれない」という具合に、料理は2人でシェアできるボリューム。冬場のこの時期なら、サルデーニャ島伝統料理の土鍋煮込みもいいが、定番のメニューでは、ワインにぴったりの「羊と豚のサルシッチャ」(1200円)や「レナビアンカ自家製 白レバー 地鶏パテ ソーセージの盛り合わせ」(1200円)などがおすすめだ。締めにはサルデーニャ伝統パスタのフレーグォラを使った「コンフィしたアーティチョーク ドライトマト オリーヴ」(1300円)や、マッロレドスの「自家製羊のサルシッチャ サフラン トマトソース」(1200円)あるいは、ブーサでつくる「クルミとミルクを使ったクリーミーな風味」(1300円)がおすすめ。しかし、交渉次第ではメニューにないものでも作ってくれるという。 キッチンに立つ堀川氏の目の前を陣取れるカウンター左端2席はこの店の特等席だ。とはいえ、仕事中のシェフに話しかけるのはちょっと、と気が引けそうだが、心配はご無用。堀川氏はもともと伝統あるフレンチレストランのサービス出身だ。給仕の仕事を日本、そして本場フランスでも経験している。それゆえ、料理をつくりながらも常にお客様から目を離さず、スタッフにも細かく指示を出す。「わがままを言われても、食材さえあればつくりますよ」と語る堀川シェフの自信たっぷりの笑顔には、そんなキャリアが隠されていた。 今後は、曜日限定のランチ営業や、料理教室の開催なども考え、将来的には恵比寿にもう1店舗出店することも視野に入れているという。イタリアン好きはもちろん「イタリアンに飽きた人にも来てほしい」と話すのは、いわゆる“イタリアン”とイメージされるものとは一線を画す“サルデーニャの料理”であるのも理由のひとつ。「安くて旨いという、イタリアの食の原点を感じ取ってもらいたい」と、願ってのことだ。「週に一度通いたくなるような店」という理想の店づくりは、まだ始まったばかりである。
店舗データ
店名 | Trattoria Sarda RENABIANCA (トラットリア サルダ レナビアンカ) |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-7-13 日基ビルB1F |
アクセス | JR・地下鉄 恵比寿駅西口より徒歩2分 |
電話 | 03-5784-9280 |
営業時間 | 18:00~24:00(L.O.) |
定休日 | 日・祝 ※但し、10名以上の予約の場合は営業 |
坪数客数 | 25坪・22席 |
客単価 | 3500円~4000円 |
運営会社 | 株式会社メラグラーナドーロ |
関連リンク | トラットリア サルダ レナビアンカ |