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大学、出版社が集約する神保町の路地に残る昭和の古民家。昭和33年建築の元、氷屋が“ガッツリ喰い、ガブ飲み”を楽しむ「骨太ビストロアリゴ」として再生し、10月1日にオープン!

すりガラスに手書きされた店名と名刺だけが目印
厨房に手が届きそうな距離が五感を刺激する1Fの立ち飲みカウンター
2Fは、昭和がそのまま残る座敷席となり、居心地良くゆる飲みでワインもすすむ
大卒後、わずか1年半で独立し、FCビジネス運営の後、2004年に現在の夢屋を立ち上げた小林研社長

(取材=西山 登美子)


神保町は都営半蔵門線、都営新宿線の2線が走る駅があり、白山通りや靖国通りも通るアクセスに恵まれたエリア。しかし通りを一歩入ると、路地にはいまだ昭和の面影も多く残す。そんな路地の空気感や表情を損なうことなく、今までと変わらぬ様にたたずむ古民家のすりガラス戸を開ければ、ガッツリな肉料理とガブ飲みワインを楽しむ「骨太ビストロアリゴ」の世界へと一気に景色が変わる。
日本の古民家でフランスのビストロ料理という、大胆で斬新なカルチャーコラボレーション、それも上品で繊細なスタイルではなく、1階は立ち飲み、2階は座敷席と、ラフでカジュアルな環境とスタイル作りに驚かされる店だ。それもそのはず、経営するのは都内、主に千代田区で古い一軒屋や古民家の個性を活かした独自な業態の店作りで話題の夢屋(東京都渋谷区、代表取締役:小林研氏)の新業態である。代表の小林氏は、一軒屋や古民家を念頭にしたオリジナルの業態を幾つもストックしているが、決して業態ありきではなく、一軒、一軒の顔を見て、店作りをするというほどに、一軒屋、古民家への思いは熱く深く、物件との出会いが新しい業態を生み出しているのだ。「骨太ビストロアリゴ」も例外ではなく、この物件を見てから決めたのは、同社、初めての洋食業態だ。
店作りは一貫し、どの店も男がうなる、男臭さを基本コンセプトとしており、実際、既存店の「オキドキ」、「カギロイ」、「あて」では圧倒的に男性客が占めるという。当然、アリゴのコンセプトも、男がうなるような店作り、にある。旨い肉料理をガッツリ食べるならアリゴに行こう、と言わしめるような、ボリュームもたっぷり、味は本場仕込みのクラシカルなビストロ肉料理に精魂を込めている。キッチンを仕切る村田シェフは老舗洋食店、小川軒出身で本場フランスでの修行経験もある本格派だ。200gもある「男の煮込みハンバーグ」、お皿に乗る150gはあるという「いも豚バラ肉の蜂蜜黒胡椒焼き」、肉の甘みをシンプル、豪快に味わう「黒毛和牛静岡育ちのランプグリエ」は100gから。6時間かけて煮込んだシェフ渾身の逸品、「鳥のコンフィー」などをはじめ、旨さ自慢の肉料理が並ぶ。その他、「パテ・ド・カンパーニュ」、「黒毛和牛静岡育ちのばら肉の赤ワイン煮込み」、「豚肉とソーセージとひよこ豆の煮込みのカッスーレ」、「静岡育ち和牛のタルタルこぼれフレンチフライ添え」、店名となったフランス郷土料理の「アリゴ」と、おつまみからメインデッシュにビストロの定番料理が揃う。また、「有機野菜のオーブン焼き」や、「浅利の漁師風」など、野菜や鮮魚料理も外さない。メイン価格は680円から880円だが、どの料理もボリューミーで体感満足は価格以上だ。
美味しい料理の基本は当然として、食材クオリティ管理の意識は高い。野菜は長野県、埼玉県からなどの契約農家からの無農薬、有機栽培物。お米は新潟の個人農家から。鮮魚は宇和島の漁師や契約漁港からの水揚げ鮮魚。肉は契約牧場や養鶏、畜産農家からの国産の生肉。冷凍食材は基本的には使用しない。また2次冷凍も行なわないという。これはアリゴのみならず、全店共通の夢屋としての営業指針である。素性のしっかりとした、自然の恵みを活かし、調理自体への手間を惜しまない姿勢から生み出される料理は、どれも体に優しく素材の深みを感じる。骨太で男前なコンセプトの根底には、男の繊細さと優しさが潜むのである。
ワインはすべてフランス産、白、赤、スパークリング合わせ30種類、ボトル価格は3100円~7500円、本日のグラスは赤白10種類(500円4種類、600円1銘柄)、スパークリング1種類(500円)の1コインで楽しめる。店長おすすめはボトルワインでガブ飲みだ。
1階、オープンキッチン前の立ち飲みで、骨太料理のライブ感をアテにワインを飲むのもよし。つい最近まで人が住んでいたというこの店、ほとんど手を入れることもなく仕上げた2階は40席。座敷でリラックスし、家飲み気分で楽しむのもよしだ。
古民家に投影された店作りには、時が重ねる懐かしさを心地良さに変える以上に、時を越えてきた逞しさや強さが受け止められる。常に力強くアグレッシブに挑戦していきたいという小林氏の思いが伝わるようだ。

店舗データ

店名 ビストロアリゴ
住所 東京都千代田区神田神保町1-18-7

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アクセス 地下鉄 神保町駅A5出口より徒歩1分
電話 03-5217-6677
営業時間 ランチ 月~金11:30~1400
ディナー 月~金17:00~23:30 土・祝17:00~23:00
定休日 日曜
坪数客数 30坪(1・2階)・1階立ち飲み10人・2階40席
客単価 4000円~4500円
運営会社 株式会社 夢屋
関連リンク 夢屋
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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