グッドスパイラル(東京都渋谷区、代表取締役:熊谷光裕氏)は、自社3店舗目となるビストロ「道玄坂コックマン」を渋谷道玄坂の路地裏に9月8日オープンした。 代表の熊谷氏は、飲食店での起業を夢見て、25歳の時に上京し、幾多の飲食店企業での経験を積んできた人物。グローバル・ダイニングが展開する代官山の「ラ・ボエム」に始まり、上場するまでの期間、ワイズテーブルコーポレーションの展開する代官山「XEX」、クリエイト・レストランツの展開する六本木オイスターバー「Tukiji」や、ベトナム料理「シクロ」、他にも、ポイントツーやソーホーズなどに在籍していた。成長している企業の社長のビジョンや考え、企業の戦略と社風を見ることが狙いであったという。 熊谷氏は「それぞれカラーの異なる企業で、客単価1,000円~30,000円と幅のある様々な業態を経験したことによって、ホールマネジメント及び経営を学ぶことができた。そして2006年、35歳の時に独立を遂げた」と語る。 1店舗目にオープンしたのは、串焼き業態の「もんじろう」。この店舗は、14坪で月商500万円を叩き出した。また、2店舗目の魚専門「漁十八番」は、食べログでの高評価も得て、25坪で月商1,200万円と大繁盛店となっている。こうして今までは、サラリーマンをターゲットとした店造りであったが、3店舗目となる今回は、女性同士で行ける同社初の洋業態であるビストロがコンセプトに。ゆくゆくは独立を志願している、フレンチレストランでスーシェフを勤めていたことのある店長の希望を受け、店長のフレンチレストランでの経験を活かして、手頃で美味しい渋谷のビストロを展開することとなった。 コンセプトは、女性同士で気軽に美味しい料理を安く。内装はレトロな古民家風であり、古材木とタイルを併用することで、和と洋の雰囲気を混在させている。食器からグラス、盛り付け方、味まで全て手作り感にこだわり、客単価は3,500円と手頃。それで、「客単価4,500円に見せる料理や雰囲気を目指しています」と、代表の熊谷氏。 料理は、塩とレモンでシンプルに頂く産地日替りの「生カキ」(1コ190円)や、「ジャンボマッシュルームのブルーチーズ焼き」(580円)、「農家の台所」が初となる試みで卸した野菜「ソルトリーフ」(380円)などがおすすめだ。また、ビストロのスタンダードメニューとなる、豚肩肉や鶏の白レバーを練り込んだ「パテ・ド・カンパーニュ」(580円)、牛の肩肉やばら肉を煮込んだ「牛肉の赤ワイン煮」(880円)も自信作だ。他にも、じゃがいものピューレと牛肉のボロネーゼソース、ホワイトソースを重ねてオーブンで焼いた「パルマンティエグラタン」(580円)や、‘ちょうちんばら’と呼ばれる馬肉の希少で美味しい部位を塩で調理した「馬ちょうちんばらグリル しょうが風味マデラソース」も渾身の品。ドリンクは、ビストロ料理に合わせてワインが主体。グラスは480円~、ボトルは2,600円、2,900円、3,200円の3レンジで、世界各国のものを取り揃えている。 今後は、スタッフの成長や会社の財務内容を見ながら、洋業態と串業態、魚業態の3業態を主軸に、立地や属性に合わせて屋号や内装、ターゲットを変えて適宜展開していく。 「一つの業態がだめでも、リスクヘッジとして他の業態で収益性を確保できるように展開します。まずは、お客さんがここに何を出したら喜ぶかということを考えているんです」と代表・熊谷氏。永く愛される店を生み出し、お客さんや従業員、引いては取り引きする業者、すべての人々に喜んでもらうことが、グッドスパイラルが目指すべき境地だ。 「良い会社、良い店造り。飲食店の良いところをうちの会社を通して伝えていきたい。そして将来、同業他社にも良い影響を与えられるような存在になれたら……」と話す。 こうして、経済的な貢献や飲食人口の向上、引いては飲食店の社会的地位の向上にも寄与して行きたいという考えだ。 飲食業界においてイニシアチブを取ってくれそうな若い経営者が、また一人頭角を現してきている。
ヘッドライン
[ニューオープン]
2010.10.04
グローバル・ダイニングやワイズテーブル、クリエイト・レストランツなどを経た、熊谷光裕氏率いるグッドスパイラルが、3店舗目となるビストロ「道玄坂コックマン」を9月8日オープン!
- 店内中央には、大きなカウンターキッチンがあり、アットホームな内装は、古材木とタイルを併用することで、和と洋のテイストが混在している
- 渋谷道玄坂の路地裏に9月8日オープンした同店は、レトロな古民家をイメージした佇まい
- ビストロの定番メニュー、豚肩肉や鶏の白レバーを練り込んだ「パテ・ド・カンパーニュ」と、牛の肩肉やばら肉を煮込んだ「牛肉の赤ワイン煮」
- 代表の熊谷氏。飲食店での起業を夢見て25歳の時に上京し、幾多の飲食店企業での経験を積んで35歳の時に独立
(取材=中條 美咲)