東武東上線ときわ台駅にほど近い閑静な住宅街に突如現れる、長い長い行列。それはこの1ヵ月ほどの間に新しく生まれた同地の名物であり、その行列の先には1軒のラーメン店がひっそりと店舗を構える。11坪・8席の小規模店ゆえか、店頭から続く行列は日が暮れるとともに次第に伸び続け、その光景を目の当たりにした通行人は「いったい何の行列?」と否応なしに強く興味をそそられてしまう。また行列に並ぶお客の顔には、これから味わうラーメンへの期待感がじんわりと浮かび上がっている。こうした光景が物語るように、8月14日のオープン以来早くも評判店としてこの地での名声を築きつつあるのが「肉そば総本店 麺屋宗」。同店は今からさかのぼること3年前。高田馬場に塩ラーメン店「麺屋 宗」を開くやいなや、瞬く間に“塩ラーメン”を代表する名店の一つとして数えられるまでに成長。その後も中目黒に2店舗目を出店するなど、いまやラーメン業界において新進気鋭の店として大いに注目を集めている。同店を運営するSOU(神奈川県横浜市、代表取締役:柳 宗紀氏)はあえて名声を確立した「麺屋 宗」ではなく、いまやブームの兆しのある“肉そば”を売り物にした別業態店を出店することで、ラーメン業界にまた新たな旋風を巻き起こそうとしている。
看板商品に据える「肉まきそば」(750円)は、従来「麺屋 宗」で売り物にしていた塩味に加え、新たに醤油味も揃えることで味に広がりを持たせている。麺の上には薄く切ったチャーシューがドンと100g盛られ、その薄切りチャーシューで麺を巻いて一緒に食べてもらうスタイルを提案。チャーシューと麺を絡めて食べることで、調和の取れたおいしさを楽しんでもらう。チャーシューは豚の肩ロース肉を使用し、スープ材料として用いた後に専用のタレに半日から1日漬け込んで仕上げる。「麺屋 宗」では鶏ガラ、モミジ、丸鶏と材料は“鶏”のみを用いてすっきりした深い味わいのスープを取るが、「肉そば総本店 麺屋宗」では従来の手法に加えて新たにチャーシューの茹で汁を加えることで、これまでとはひと味違った力強いおいしさを作り出している。さらに味の大きなポイントとなるのが“生姜”。同店では丼に小さじ1杯のおろし生姜とタレを加えてスープを注ぎ、麺や具を盛りつけ、香味油を浮かべてラーメンを仕上げるが、生姜を加えることで夏はさっぱりと、冬はほかほか温まる一品に仕立て、1年を通して楽しめる魅力づくりを工夫する。具はモヤシを80g盛り、その上に薄切りチャーシューをのせてボリューム感を強調。さらにメンマ、青ネギ、糸唐辛子で脇を固める。また、塩味と醤油味で麺を使い分けているのも大きな特徴で、ともに加水率33%前後の切り刃18番の麺を用いるが、塩味は歯切れのよい丸麺を、醤油味は小麦の香りの強い四角い麺を使用するなど、麺とスープの相性にまで徹底してこだわることで評判の味を生み出している。
ラーメンは他に、チャーシューの量が150gになり、“味玉”が入ってメンマも増える「特製肉まきそば」(950円)、チャーシューの量が250~300gになってモヤシも200gになるボリュームたっぷりの「爆肉そば」(990円)、そしてチャーシューの量が若干少なめの「ラーメン」(680円)、和え麺の「肉まぜそば」(750円)で構成。また、「肉増し」(小50円、大100円)、「味玉」(100円)、「生卵」(50円)、「メンマ」(100円)の各種トッピングや、「肉玉丼」「肉生姜丼」「チャーシュー丼」(各280円)などのミニ丼、つまみの「水餃子」(290円)も揃える。さらにデザートの「生姜杏仁」(230円)、ドリンクの「ジンジャハイボール」(430円)、「ジンジャエール」(200円)など、ラーメンからサイドメニューに至るまで“生姜”メニューを豊富に揃えてオリジナリティを訴求する。
現在は夜のみの営業で、当初の予定では1日100人の集客を見込んでいたが、予想に反して180人も来店するほどの嬉しい誤算に。目標月商は500万円だが、将来的に昼の営業も開始すれば700万円まで伸びるのではないかと夢は大きく膨らむ。今後はさらなる別業態店の開業も視野に入れるなど、いま“麺屋 宗”の躍進が止まらない!
店舗データ
店名 | 肉そば総本店 麺屋宗 |
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住所 | 東京都板橋区常盤台1-5-6 |
アクセス | 東武東上線ときわ台駅より徒歩1分 |
電話 | 03-5915-9619 |
営業時間 | 18:00~翌3:30(スープがなくなり次第終了) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 11坪・8席 |
客単価 | 900円 |
運営会社 | SOU株式会社 |
関連リンク | 麺屋宗 |