三井不動産は、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに、官民地元と一体となって日本橋地域の活性化と新たな魅力を創造する活動「日本橋再生計画」を推進。その中核的プロジェクト「日本橋室町東地区開発」の第1号となる「室町東三井ビルディング」の概要が明らかになった。 「日本橋室町東地区開発」は、日本橋室町東地区の5つの街区(合計敷地面積:約1万1900m2)における街づくり型の大規模再開発で、最終的には2014年に全体竣工予定だ。この計画では、「通りの特徴を活かした街の再生」を目指して、「中央通り」に面する低層部のスカイラインの統一や、神社と参道の新設、桜並木や石畳を配した通りの整備、江戸情緒あふれる街並みづくりなど、街区を取り囲む「通り」の景観形成を行う。また、オフィス・商業・住宅および芸能文化の情報発信拠点などを設けることにより、江戸時代に活況を呈した日本橋の賑わいを再生していくという目的もある。 この大規模開発計画の第1弾として、10月28日にオープンする「COREDO室町」は、「日本を賑わす、日本橋」をコンセプトに、日本橋の歴史を活かしつつ、新しさを取り入れた飲食、物販店舗を集積させた商業ゾーンと、日本橋地域に新たな賑わいを創出する現代の芝居小屋「日本橋三井ホール」で構成される。周辺のオフィスワーカーや、日本橋地域を訪れる来街者の多様なニーズに応えるとともに、女性グループ、カップル、シニアなど幅広い世代の客層が利用できる施設づくりを行い、江戸時代の活況・賑わいを取り戻し、日本橋地域の活性化に貢献するという。 地下1階から地上4階までの商業ゾーンの1階には、創業311年の鰹節専門店「にんべん」や、寛政4年(1792年)創業の刃物専門店「木屋」などの老舗店舗、また、東京初出店となる金沢の箔専門店「箔座日本橋」、江戸時代の茶屋や菓子店をイメージしたカフェブラッスリー・パティスリー「エメ・ヴィベール」などの物販店舗を誘致。また、2~4階までの飲食店フロアには、日本橋魚河岸に因んだ江戸前鮨「鰤門(しもん)」や、APカンパニーが運営する魚料理「日本橋 紀ノ重(きのしげ)」、陳建一氏の「四川飯店」の新業態店「四川飯店 日本橋~chin kenichi’s china~」、豚肉料理店「平田牧場」の新業態店「日本の良い食 ヒラボク食堂」、行列のできる神田のビストロ「BISTRO 石川亭」の日本橋店、行列ができる「らーめんせたが屋」の新業態で、夜はアルコールメニューを加えた「バシのせたが屋」、中国史上最年少(25歳)で特級厨師を与えられた、孫成順の店「中國名菜 孫(そん)」などを誘致する。 内装環境デザインは、「パークハイアット ソウル」や「ハイアットリージェンシー 京都」などを手掛けた杉本貴志氏率いる株式会社スーパーポテトを起用。 素材に自然石や再利用の鉄材を用いるなど細部にまでこだわり、日本古来の茶室や古い家屋の風合いを表現、日本の風土や伝統の中に「新しさ」を感じられるようなデザインを目指す。 「COREDO室町」のオープンに続いて、10月30日には、同ビル内の5~6階に「日本橋三井ホール」がオープン。このホールは、最大席数1000席、劇場型で650人、面積約700m2で、コンベンションや展示会などのビジネスから、音楽ライブや演劇などのエンターテインメントまで利用可能な、日本橋地域で最大級となる駅直結の大型多目的ホールとなる。日本橋地域の新しい文化情報発信拠点として、歌舞伎・落語など伝統芸能舞台の定期開催から音楽ライブまで、世代を問わず楽しめるイベントを多数開催する予定だ。 三井不動産では、「COREDO室町」のオープンを皮切りに、「中央通り」、「仲通り」、「浮世小路」、「江戸桜通り」、そして「室町福徳塾」から移設する「福徳神社」周辺地域を含む5つの街区を2014年までに大規模開発する予定だ。日本橋に息づく伝統と文化を継承しながら、日本橋室町東地区が今後どのように生まれ変わるのか、ぜひ注目していきたい。
店舗データ
店名 | COREDO室町(コレド室町) |
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住所 | 東京都中央区日本橋室町2-2-1 |
坪数客数 | 27店舗とインフォメーションセンター 商業店舗部分の延床面積 約10,190 m2 |
運営会社 | 三井不動産株式会社 |
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