神楽坂界隈で一軒家居酒屋「MASUMASU(マスマス)」をはじめ、炉端焼きと竈めしの「ろばた肴町五合」、鮪・牛・豚・野菜しゃぶしゃぶの「しゃぶ屋」を運営するダディーフィンガー(東京都新宿区、代表取締役社長・志小田亨氏)は6月18日、神楽坂に“上質を普段使いできる”鉄板焼料理の「しこたま。」をオープンした。
古き良き時代の風情を残す神楽坂の街で、業態の異なる3店舗を展開する同社。4店舗目となる「しこたま。」では、花街として発展してきた雰囲気を大切にしながらも“普段使いのできる鉄板焼”をコンセプトに掲げ、産直の国産和牛や魚貝などの厳選素材を用いた創意溢れるオリジナル料理を提供する。特別感が強く、敷居が高い雰囲気のある鉄板焼を居酒屋業態に落とし込むのではなく、鉄板カウンターから広がるオープンな空間の中、客の目の前で次々と焼き上げるパフォーマンスを外すことなく、気軽に楽しめるメニューを揃え、これまでの鉄板焼のイメージを覆す店を目指す。
メニューは、生産者の顔の見える鹿児島県産黒毛和牛の「牛刺」(1200円)、「牛レバ刺」(720円)、「黒毛和牛ヒレステーキ」(1980円)、「黒毛和牛ハンブルグステーキ」(1280円)に始まり、漁師さんから直送の新鮮かつ旬な魚貝を刺身はもちろんのこと、火を通したり揚げたりとその時の気分に合わせて調理の相談も可能。またポーションを少なくすることでたくさんの種類を少しずつ楽しめるよう配慮されている。契約農家から取り寄せた野菜も旬のものを味わえるとあって「旬野菜おひたし」(480円)や「蛸と旬野菜炒め」(680~780円)「かぶりつき野菜」などは2週間から3週間のスパンで、その時々の旬の野菜が登場するため、頻繁に通う顧客をあきさせることがない。ドリンクは、焼酎から日本酒、ワインと豊富に揃え、生ビールや日本酒に関しては、冷たさの持続する錫のグラスを使用するなどして美味しく飲めるよう配慮がなされている。また、焼酎の割り物には手間をかけた自家製の檸檬漬(580円)や霜降り柚子漬(730円)など5種類を用意し、お茶割には黒豆茶(780円)、凍頂烏龍茶(680円)など5種のお茶を鉄急須にたっぷり2杯分で提供する。
今回の出店は、志小田氏が愛してやまない神楽坂に偶然にも物件が出たことが契機となっており、物件ありきで業態検討からスタートした。もともと事務所であったものをスケルトン状態にしてゼロから創り上げたとあって、初期投資は高額になってしまったものの、志小田氏のこだわりが細部に盛り込まれている。「涼やかな京都の川床をイメージしながら、間口を広くとって風が通せるように縁側を作りました。夕方になれば縁側に腰掛けて夕涼みをしながら召し上がっていただくのも雰囲気があっていいのではないかと思っています。また、食に関しての不安を払拭する意味でも、安心・安全な食材をお客様に実際に見ていただきたいという思いもあり、オープンカウンターにすることで炉端焼風に目の前の食材をどのように調理するのかをスタッフがお客様とコミュニケーションを図りながら提供するスタイルを大事にしたい、お客様には目の前で次々と焼き上がるライブ感を楽しんでいただければという思いが詰まっています」と志小田氏。
ターゲットは25歳以上のサラリーマンやOLと近隣住民。これまでに神楽坂で展開してきた3店舗とは趣を変え、「大通りを一本入った隠れ家的な場所でもあるため、落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりとじっくりと味わっていただきたい。2軒目に行くことを考えず、最初から最後まで長居していただけるような店を目指したい。お客様にとっての心地良いサービスを心がけ、記憶に残る、選んでいただける店にしていきたい」と志小田氏は話す。今後の展開については、スタッフが育った上で業態が増えていくというのが自然なかたちであると考えているため、じっくりと考えていきたいとのこと。格子戸の間から漏れる明かりに誘われ、大人の艶を感じさせる上質空間でいただくリーズナブルな鉄板焼に客がどのような反応を見せるのか、今後も注目したい。
店舗データ
店名 | しこたま。 |
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住所 | 東京都新宿区神楽坂3-6-29 MIビル1階 |
アクセス | 地下鉄牛込神楽坂駅より徒歩3分 地下鉄神楽坂駅・飯田橋駅、JR飯田橋駅より徒歩5分 |
電話 | 03-6265-0139 |
営業時間 | 18:00~25:00(L.O.24:00) |
定休日 | 月曜日(年内中に年中無休予定) |
坪数客数 | 18.89坪・43席 |
客単価 | 5000~6000円 |
運営会社 | 株式会社ダディーフィンガー |