高級料理だったふぐ料理の大衆価格での提供を実現し、いまや全国に117店舗を展開するまでに成長したとらふぐ料理専門店「玄品ふぐ」。他にも、かに料理専門店「玄品以蟹茂(げんぴんいかにも)」、洋食業態の「スペインバルBAR DE G(バルデゲー)」、「カジュアルフレンチ ARIA.C(アリアッチ)」など全店併せて135店舗を展開するのが玄品グループの関門海(大阪市 代表取締役会長兼社長グループCEO 谷間真氏)。そんな時代を見据えた新業態開発に意欲的に取り組む同社が、4月16日に新たな新業態店を出店。それが136店舗目となる、同社初のまぐろ料理専門店「焼津漁港直送 まぐろ専門 トロバカ」だ。立地は主要ターゲットであるサラリーマン客の集客が望める東京・三田を選定。これまで1、2階で営業してきた「玄品ふぐ 田町の関」の2階を改装して店舗に当て、1階を従来どおり「玄品ふぐ」、そして2階を新たに「トロバカ」として営業。厨房は共有することで効率のよい運営を図った。もともとふぐ料理は冬の季節商品という性格上、年商の大半を冬場の売上で確保していた。そのためシーズン以外にも集客の図れる業態として着目したのが、まぐろ料理専門店だったのだ。まぐろ料理は年間を通して安定した集客が見込めるため、同社の新しい柱となる業態として大いに期待を寄せる。また、2年前に回転ずし店「すし兵衛」を展開するだいもんを子会社化して玄品グループに加えたことで、高品質のマグロを本格的に取り扱うようになったのも、今回新業態を立ち上げた要因の一つである。なお、「すし兵衛」も併せると総店舗数は146店舗となる。マグロは店名にも掲げるマグロ水揚げ量日本一の静岡・焼津漁港直送のものを中心に、和歌山・紀州勝浦、鳥取・境港、千葉の銚子や房総勝浦など全国漁港から特殊ルートで仕入れる。マグロの種類もホンマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロとすべてのマグロにわたり、生マグロを基本にしながら冷凍ものも用いる。加工も市場に並ぶ前段階で行なうため、マグロをまるごと輪切りにした「まぐろ輪切食い」(3654円)といった独自メニューも開発して差別化を図った。また、冷凍マグロを解凍する際、自社で開発した短時間解凍、高品質保持の技術を駆使することで、マグロの旨みを逃さず提供することを可能にしている。メニューはランチ、ディナーそれぞれにおいて独自性を追及。ランチは紀州勝浦で“トンボマグロ”と称されるビンチョウマグロを基本に用いる。生マグロを一本買いし、それを贅沢に使った「生まぐろ丼」1種のみに絞って供する。並盛り(500円)、大盛り(650円)、特盛り(800円)、トロ盛り(850円)、バカ盛り(2700円)と各サイズ揃え、コクごま、とんがら醤油、もろみ醤油、甘辛韓風の4種の漬けダレをお好みでかけて食べる。ディナーは各種マグロを食べ比べできる「トロバカ盛り〈まぐろ8種〉」(2604円)、「まぐろ炭火焼き〈まぐろ5種〉」(1344円)、「まぐろしゃぶしゃぶねぎまみれ」(1449円)などを名物メニューに据える。さらに、マグロの頭から尾、皮、ホルモンまで余すことなく用いた「脳天たたき」(609円)、「アゴ肉とハラモの唐揚げ」(819円)、「テールチーズカツレツ」(1029円)、「うろこチップス」(399円)、「まぐろミンチカツ」(714円)、「まぐろ棒餃子」(504円)、「まぐろホルモンスタミナ焼き」(714円)など、珍しい一品も充実。まぐろ料理だけで35種以上にも及ぶ、驚きの品揃えが売り物だ。またお土産などの需要を狙った「究極のトロバカ巻」(5000円)もクチコミを誘う看板商品として開発。これはトロをふんだんに巻き込んだ極太の巻物で、長さ30cm、直径7.5cm、重さ1.1㎏というインパクトの強い商品だ。このようにマグロのおいしさだけでなく、新しい味わい方を積極的に提案するバラエティーさも大きな魅力と言えよう。今回、集客の大きな目玉に据えるのが「生まぐろ解体ショー付宴会」。これは店内の一角に設けた解体場所で巧みな口上とともにマグロを一本捌き、その鮮度抜群のおろしたてマグロをふるまっていく演出性の高い宴会コースで、歓送迎会や記念日など各種利用を狙って導入する。また、1階入口部分にはマグロを一本まるごとディスプレーするなど、視覚的な魅力の訴求にも余念がない。目標月商は1000万円を想定。マグロ好きの日本人をもっとマグロ好きにする魅力が詰まった業態だけに、今後の動向が大いに注目される。
店舗データ
店名 | 焼津漁港直送 まぐろ専門 トロバカ |
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住所 | 東京都港区芝5-13-10 2階 |
アクセス | 都営線三田駅から徒歩3分 |
電話 | 03-5418-1010 |
営業時間 | 11:30~15:00(L.O.14:30)、17:00~23:30(L.O.22:30) ※土曜・日曜 ランチは休み |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 40坪・60席 |
客単価 | 昼600円、夜4000円 |
運営会社 | 株式会社 関門海 |
関連リンク | 関門海 |
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