宮崎に自社養鶏場をもち、宮崎地鶏専門店「じとっこ」などを展開するエー・ピー・カンパニー(東京都港区芝浦、代表取締役・米山久氏)は、1テナントにホルモン居酒屋、持ち帰り寿司、食肉販売が入居する三毛作業態を、西葛西駅前にオープンする。 三毛作という構想は、西葛西の物件を見てから具現化したと広報担当の米山順子氏。店頭が土間のようなスペースなのを見て、ここを活用できる業態をと考えたのが、持ち帰り専門店を併設することだったという。さらに、「最近、大手チェーンが撤退した大型の居抜き物件が多数出てきていますが、大型物件で1業態というのは売上に限界があります。1キッチン2業態のような複合店舗や、昼は弁当販売など同じスペースで時間を有効に使うことで、効率よく利益を出せる店を作ろうと考えました」と米山氏。「じとっこ」や「かごしま食肉」など既存店の展開により、芝浦やJA直送など食肉の強い仕入れルートが確立されたことに加え、09年からは築地の中卸もグループ会社化し、魚介類の仕入れも強化。そうした一連の食材を系列店で消費するだけでなく、広く流通させることも目的として、この度の新業態をオープンさせたと語る。 店舗は、店頭に食肉販売と持ち帰り寿司「紀之重」の販売コーナーを設け、中が「内臓専門 (卸)芝浦食肉」の飲食スペース。持ち帰り寿司は、グループ会社である創業400年を誇る築地場内の中卸「紀之重」直営。「中トロ(4貫)」(420円)、「上にぎり(9貫)」(630円)など、職人が1貫ずつ手作業で握り、宅配をしないことで良質なネタをリーズナブルに提供する。一方、「内臓専門 (卸)芝浦食肉」は、新鮮なホルモンを使ったメニューが売り物。希少な宮崎牛のホルモンを使った「もつ鍋(塩・醤油)」(1人前880円)や、卓上の鉄板で焼き上げる「ホルモン焼き(塩・醤油・味噌)」(1人前580円)をはじめ、5種類の刺身を盛り合わせた「刺し盛り」(1,480円)や「塩ユッケ」(1,180円)など鮮度のよさが売りの刺身も豊富に揃える。店頭の食肉販売コーナーでは、立地に合わせて高級銘柄牛ではなく、リーズナブルな国産牛を主体に販売。「メンチカツ」(130円)や「唐揚げ」(10g10円~)などの目玉商品も導入する。 さらにユニークなのが、持ち帰り寿司と食肉の販売が20時で閉店したのち、店頭スペースが飲食スペースへと変貌する点だ。販売の閉店後、寿司のショーケースを収納して屋外席を用意。肉のショーケースは、そのまま立ち飲みスタンドへと変身する仕組みだ。今後も、こうした複合店舗の展開を考えているという同社。「三毛作の最大の目的は、3つの業態を一つの店舗で行ない、営業時間や様々なターゲットを捉えることで家賃や人件費の効率を上げ、そこで出た利益を全てお客様に原価を還元していくこと。今回は隣が焼鳥店だったこともあり、周囲との競合が少ないホルモン焼きがメインですが、今後は立地を見ながら業態を考えていきたい」と米山氏。西葛西では、持ち帰り寿司のみで700万、ホルモン居酒屋で800~850万と食肉で250万の月商を見込んでいる。
店舗データ
店名 | 内臓専門(卸) 芝浦食肉 |
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住所 | 東京都江戸川区西葛西5-5-16 ツボイビル1階 |
アクセス | 東西線西葛西駅より徒歩1分 |
電話 | 03-3686-5580 |
営業時間 | 17:00~翌1:00(L.O.24:00) |
定休日 | 無休(年末年始除く) |
坪数客数 | 32坪・83席 |
客単価 | 3,300円 |
運営会社 | (株)エー・ピー・カンパニー |
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