Q まず、店舗銀行システムの仕組みについて、お聞かせください
店舗銀行システムとは、一言でいうと「店舗(造作付き新装店舗)を定額家賃で貸す」仕組みのことです。弊社が運営する繁華街の商業一等地の商業ビル内で、経営指導や集客サポートを受けながら、売上歩合は一切ない定額家賃で、店舗づくりのノウハウを持つ店舗銀行がつくる店舗で、経営者として飲食店をスタートすることができるのです。弊社ではこのサービスを40年以上も前から提供し、すでに3,000店舗以上の飲食店を支援してまいりました。これらの飲食店は全て10〜15坪の小型店舗です。この規模の飲食店は個人経営の”生業店”が多く、大型店舗に問われる経営手腕とは異なり、個人経営者の”人間力”が必要とされます。店舗銀行システムがつくる店舗力と、経営者の人間力を掛け合わせて飲食店経営を成功へ導くシステムを確立させたということです。
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Q これはフランチャイズとは全く違うモデルなんですか?
店舗銀行システムは、様々な面でフランチャイズとは根本的に異なります。最も大きな違いは、店舗銀行システムの経営者は、店のオーナーとしてすべての決定権を持っているということです。独自性や経営の自由が制限されるフランチャイズとは異なり、自ら想い通りに経営できるのがこの仕組みの特徴です。また、初期投資が少ないため、事情があってやめる場合も、店舗を返すだけで済みます。さらに昨今、社員独立支援制度などを導入する企業も増えているようですが、この場合にも、資金面で会社側と密接な関係性が継続するので、完全に自立できる立場にある店舗銀行システムの経営者とは状況が異なるでしょう。
Q なぜこのような仕組み、サービスを始められたのですか?
飲食店の開業には多額の資金が必要とされます。しかし、大変な思いで用意した資金も、失敗すれば借金として残ったり、初期投資を抑えるために安い居抜き店舗を契約し、設備に不都合が見つかり工事費が余計に発生したり、立地選びを間違えて集客や経営に苦戦を強いられたりと、飲食店の生存率が極めて低いのも現実です。これは、一般的にサービス業だと思われている飲食店ですが、一方では店舗づくりで勝負する装置産業であり、「役者=経営者」がサービス力を発揮できる「舞台=店舗」をしっかりつくることが、飲食店経営の成功に大きく影響するからだと考えています。そこで我々はこの”店舗力を提供する”ことを仕組み化し、サービスとして提供することにいたしました。
長崎市浜町「with長崎」 | 渋谷区道玄坂「コスモ渋谷館」 |
Q 最後に、店舗銀行システムの今後の可能性についてお聞かせください
飲食店の独立開業を目指す方にとって、「自分の店を持つ(所有する)」ことは、自分の城を築き、手に入れることであり、大変誇らしいことだと思います。しかし、店が何のためにあるのかといえば「所有するため」ではなく「経営して、収益を上げること」にあるはずなのです。そこにエネルギーを集約するためにも、店を「所有」するのではなく「活用」することに目的と価値を置いているのが店舗銀行システムであり、「脱・所有」こそが、このシステムの基本的な考え方といえます。昨今、シェアビジネスが一層の盛り上がりを見せていますが、こうした「脱・所有」の考えが今後ますます主流になっていくと思います。人間力さえあれば資金がなくても経営者になることができ、また同時に、ライフステージの変化や健康、家庭事情により、いつでも”やめる自由”を手に入れることもできる。まさにこれからの時代にフィットする飲食店経営の仕組みであると考えています。