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新・編集長コラム

カフェや定食、ランチ値上げもじわじわ浸透。居酒屋が始めた昼業態の可能性

居酒屋やバルなどの夜メインのアルコール業態を展開するグループが、昼メインの食事やカフェ業態に進出している。夜の営業に制限がかかったコロナ禍でその場しのぎのものではなく、本格的に昼の需要を取りに行っている。その裏には働き方改革に値上げの浸透などがある。

PROFILE

大関 まなみ

大関 まなみ
1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月よりフードスタジアム編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100軒を取材する。


「第四世代」オーナー達のベーカリーカフェ出店ラッシュ

2010年代に台頭してきたいわゆる「第四世代」オーナー達は、いまコロナ禍前後でこぞってベーカリーカフェを出店している。

コロナ前の事例ではDREAM ON赤塚元気氏の食パンブランド「ワンハンドレッドベーカリー」をはじめとするパン店やカフェ、MOTHERSの保村良豪氏が西新宿のホテル1階にオープンした「MORETHAN BAKERY」、コロナ後ではプロダクトオブタイム千 倫義氏の五反田「SAISON」、ベーカリーではないが、絶好調・吉田将紀氏もパンケーキや生ドーナッツをウリにしたカフェ「Caldo」を出店している。

特に「SAISON」や「Caldo」では取材にて、出産や育児を経験した女性スタッフに長く働き続けてもらう場の提供という意味合いもあるという話もあった。昼がメインの業態であれば、育児と両立しながら同社で働き続けることができる。

プロダクトオブタイムは「SAISON」に続いて、7月には新規開業する商業施設「渋谷アクシュ」内にスパイスカレー店「Spice Theater」もオープン。札幌で飲食店を展開するBUNSの高原健一郎氏とタッグを組み、挑む新業態だ。昼はカレー、それに加えて夜はクラフトビールとタンドール窯を使って調理するタパスが楽しめるそう。「SAISON」の経験から、やはり昼業態を出店する意味合いは大きいと千氏は感じているという。

「酒呑倶楽部アタル」など北千住を中心に居酒屋を展開するトーヤーマンも、谷中に「ataru BAKE」をオープン。マフィンのテイクアウトをメインとしたカフェだ。同店でも、育児と仕事を両立する女性が店長を務めており、柔軟な働き方を実現する手として機能している。

「大衆焼肉コグマヤ」など展開してきた月兎は、高田馬場に「炊きたてあり〼」をオープン。店名の通り、炊きたての白米とおかずを楽しむ定食業態だ。アルコール業態を中心に展開してきた同社の新展開のようだ。昨今は定食業態の人気は急上昇。特に「挽肉と米」以降、エンタメ要素を加えた定食スタイルが次々に登場している。

「炊きたてあり〼」の鮭といくらの定食、1250円。注文後に炊く白米が自慢だ

ランチでもしっかり儲けが出る時代に?

かつて居酒屋が取り組むランチは薄利多売の極みだった。短時間のうちに多くのお客が押し寄せ、スタッフは疲弊。ランチとディナーの客層は分断されていることが多く、ランチを頑張ったところで夜の集客にはイマイチつながらないことも。

そんな状況も徐々に変わりつつある。昨今は飲食店の値上げも少しずつではあるが進んでおり、都心では1500円を超えるランチも珍しくなくなった。ラーメンには「1杯1000円の壁」があったが、いわゆる「4桁ラーメン」も増えた。原材料の高騰により値上げを行い、徐々に消費者も受け入れざるを得ない状況となっている。

コロナ禍で夜に外食に行く機会が減り、その分ランチで贅沢したいという層が増えているような気がする。価格に見合う価値を提供できていれば消費者の抵抗は少ないのではないか。

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