先人から学ぶ謙虚な姿勢、ターゲットに刺さるブランディングが「第六世代」の特徴?
これらのオーナー達は「飲食第六世代」と称してよいのかもしれない。彼らの特徴としては各地の名店・繁盛店を巡って非常によく勉強しており、そこで得たことを彼らなりに昇華し表現していること。ちょっと嫌われそうな言い方をすれば、繁盛店のいいところをつぎはぎした「パッチワーク酒場」だ。ただ、消費者誤認を生むような悪質なパクリは別として、誰しも店づくりでは先人の知恵を借りるもの。若手の彼らは自分達の経験がまだ足りないことを自覚し、いきなり自分のオリジナルで勝負するのではなく、先人から学ぼうとする謙虚な姿勢が表れている。ただ、ここから5年10年経ってもパッチワーク酒場を作り続けていたら興ざめだ。今後はどう自分色を出していくのか?さらに下の世代がお手本にしたくなるオリジナルを作り出せるのか?それが期待される。
さらに、キャッチフレーズなどの言葉遣いや、店を紹介する写真や動画にも強いこだわりを打ち出し、ターゲット(主にオーナーと同じ20代)に「刺さる」ブランディングを図っているのもこの世代の特徴かもしれない。「大人気」のキャッチフレーズ「特別じゃない日に特化した、特別なお店」しかり、「串焼きと煮野菜 下北沢の零や」では某お笑い芸人が言い始めたネタ「カロリーゼロ」を合言葉に、「串に刺したらカロリーゼロ。」などのジョークを効かせたブランディングで店を印象付けている。SNSの使い方に関しては、雑誌風に加工した写真を投稿している「猿乃拳」のInstagramの投稿が興味深いので、ぜひ見てみてほしい。