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大手外食経営の知見から生まれた管理システム「FLARO」が飲食企業のDXを促進<前編>


売上、仕入、勤怠、シフト、予算など、店舗に関わる情報を一元管理し分析する飲食店の経営管理プラットフォームが「FLARO(フラーロ)」だ。展開するのは株式会社flaro。FLARO(flaro)とは食材原価(Food)、人件費(Labor)、広告宣伝費(Advertising)、家賃(Rent)、その他費用(Other)の各頭文字を組み合わせた造語であり、まさに飲食店経営のために存在するサービス/企業である。その独自性やこれまでとこれからなどを、同社代表の安部修平氏にうかがった。(後編はこちら

多店舗経営の実務経験から生まれた飲食店特化型のシステム

一部上場企業の経理や、約150店舗の飲食店を運営する外食企業で経営企画などを担ってきた安部氏。外食の世界に惹かれたきっかけは、学生時代にアルバイトで働いた居酒屋だったという。

前職では経営企画の本部長と並行して、IPO推進室やデジタルイノベーション部門でも辣腕を振るってきた。しかしそこで感じたのが、多店舗展開している企業でもDXが遅々として進んでいないことだったという。

とはいえ、目線を変えればそれは、可能性に満ちあふれているということ。その課題解決にチャンスを見出し、安部氏は2022年5月にflaroを創業。翌年4月に「FLARO」をリリースした。ビジョンは、“飲食の経営管理をスマートに”。

「デジタル化が遅れている業界のひとつが外食でしょう。しかも、構造的に過重労働になりがちであり、人材不足でもあります。こうした課題をDXの力で解決し、おいしい料理を作ったり、心地よいおもてなしでサービスしたりといった、本質的な業務に集中していただけたら。それが当社のミッション、“人が人にしかできない仕事へ没頭させる”につながっています」

「FLARO」最大の特徴は、冒頭でも述べた5つの経費カテゴリーで経営管理ができるところだ。もちろんシステムの根幹には、安部氏が実務経験で得た知見がしっかり反映されている。

「たとえばKPI(重要業績評価指標)ダッシュボードでは、売上、昨対比、予算達成率など、それぞれの項目が昨日までどうだったのかが瞬時に見られるようになっています。この一元管理を実現するのが、さまざまなシステムやデ―タと連携できる設計。POSや受発注システム、勤怠やシフト、さらに入社情報や経費などのデータも連携することで、効率的な経営の可視化を実現しています」

コスト構造を分解して管理し、そのうえでマーケティング戦略を練ったり、各要素のパーセンテージをどう決めて実行していくのかを可視化して考えられたりという点は、飲食店経営にとってかゆいところに手が届く設計になっているといえよう。

「具体的な事例を挙げると、Excel等データへの手入力はリソース負荷のほかヒューマンエラーの恐れもありますし、そもそもFAX送信を含めた資料の送付は手間がかかりますよね。そういった諸業務はデジタルに任せ、アナログな部分は飲食業ならではの、まさに人にしか生み出せない価値を創造いただきたいという想いが根底にあります」

 

 

最大の強みは知りたい情報が一覧で瞬時に見えること

「FLARO」の稼働状況としては、2025年の3月末までの見立てで約60社が導入。店舗数では1300軒弱で利用されている。クライアントからはどのような評価を得ているのだろうか。

「よくいただく声は、閲覧のしやすさと使いやすさですね。知りたい情報が一覧で瞬時にわかる点を特に評価いただいています。たとえば、昨日までの売り上げがいくらで、高い順でも低い順でもすぐ一覧表示できますし、さらにはどの店舗が最もフードコストが高いのか、人件費が高いのかということも一目瞭然。

そのうえで、コスト高の店舗の人件費に対しては今だれがどれだけ働いていて、その他のコストはどうなのか。売上だったら、売れ筋メニューは何皿出ていて、高単価の商品はどれだけオーダーされているのかなど。

そういったデータを店舗単位でも確認でき、全体から俯瞰する中でもカテゴリーだったり、エリアだったり業態だったりから判断し、戦略も立てられます。また、グラフや数値の確認であればスマートフォンから確認できますので、利便性でも評価いただいてますね」

導入企業の95%は乗り換え。その理由とは?

「FLARO」を利用する企業は約95%が乗り換えで、残り5%は新規導入。乗り換える理由として、大きな声にはどんなものがあるのだろうか。

「やはり、DX化やデータの可視化による、企業経営の最適化への期待ですね。また、別の視点でいえば連携可能なサービスが豊富なこと。たとえばPOSなどが連携できないと非対応となり『FLARO』に乗り換えられないのですが、そういった事例が少ないことも強みです」

また「FLARO」の利用にあたっては、同社がシステム的な範囲を超えた相談相手にもなるため、ある種のコンサルティング力もflaro社が支持される理由だ。だが、ここまで成長するには幾多の苦難もあったと安部氏は振り返る。後編ではそうした裏話にも迫っていきたい。

 

【続き(後編)はこちら】

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