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コラム

“サードG田町戦争”の行方

次世代経営者の交流会・サードGの幹部たちによる田町エリアへの出店競争が話題を呼んでいる。それは客を争奪しあう仁義なき戦い"なのか、それとも共に勝つための"コラボ"なのか...? "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


その戦いの現場は田町駅三田側の慶應通り振興会。平日は毎夜、サラリーマンで賑わう飲食店密集地である。この通りにサードG幹部で最初に店を出した のは、代表幹事の松村厚久さん。2005年6月、ダイヤモンドダイニングがまだあまり業界では知られていなかった時期の9店舗目「魚頭健蔵」で ある。この年、同社は出店攻勢を強め、一気にスターダムに伸し上がっていく。「魚頭健蔵」はいわば同社の“出世ポイント”となった店と言っていいだろう。 そして、「魚頭健蔵」のすぐ目の前に殴り込みをかけてきたのが、「外食アワード2008」を受賞して一躍業界の花形企業になったAPカンパニーの米山久さ ん。やはりその“出世店”となった「じとっこ」田町店である。2006年10月、八重洲、川崎に続く3号店、都内“激戦地”へのデビューだった。
2007年6月、ダイヤモンドダイニングの「魚頭健蔵」からちょうど2年後、今度はサードG幹事の一人、ラ・ブレアダイニングの高橋知憲さんが出身地の“愛媛県”郷土料理コンセプトの「瀬戸内水軍」で文字通りの戦いを挑んで出店。“海鮮せいろ蒸し”という最新兵器を引っさげて登場した。その一年後の2008年7月、宮崎県日南市に自社養鶏場をつくってバージョンアップしたAPカンパニーは、その養鶏場の名前を冠した「塚田農場」と いうありきたりじゃない強力な武装で新たに“第二陣”を送り込んできた。しかも、慶應通り振興会の入り口すぐの陣地を占領した。この頃、APカンパニーは 他のエリアで魚業態にも挑戦していた。その魚業態で2店目を出してきたのがラ・ブレアダイニングの高橋さん。2009年1月、一軒家を改装した「二代目魚屋町」をオープンした。
そして、来たる4月1日、サードG副代表幹事の東京レストランツファクトリー・渡邉仁さんが ついに田町に侵攻してくる。場所は「じとっこ」の近くである。業態は博多串焼きと九州料理「神屋流(かみやりゅう) 博多道場」。六本木「きよやす邸」をはじめ高級業態に絞った戦略から今年は方向転換し、サードG幹事長の井戸実(エムグラントフードサービス代表取締役) 追撃の“ポストファミレス”「SUNS CASTLE(サンズキャッスル)」に続く大衆ターゲットの業態である。しかも、今回の店はなんと、ダイヤモンドダイニングの松村さん率いる「松村厚久 withチームファンタジー」がプロデュースを担当しているという。サードGワン・ツーによる“共同戦線”である。なぜ、この二社がコラボすることになっ たのかは、渡邉仁インタビューを読んでもらえば判るが、それにしてもこの春の“田町戦争”は話題を呼ぶに違いない。

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