GD卒業生たちのスポークスマン的な役割を担っているのがオリエンタルビストロ「アガリコ」を展開しているビッグベリーの大林芳彰さん(「モンスーンカフェ」系出身)。現在、池袋「アガリコ」(20坪弱で月商1000万円)、中野「アガリコ」、北千住「アガリコ1/3」の直営店のほかに、独立支援型の「和ガリコ」(池袋)、「亜ガリコ」(北千住)、「アガリコサユール」(札幌)、FC加盟店舗の「串カツ田中」(西池袋店)を運営。さらに、プロデュース店舗として、町田に「アガリコタラート」、静岡に「アガリコターブル」をオープン、9月には沖縄にプロデュース店舗「NIKUBARU」もオープンする。さらにFCの「串カツ田中」北千住店を9月4日にオープン。「オープン10日間で600万円を売る!」と豪語する。大林さんは8月26日、旭屋出版から初のレシピ集『魔法のおいしさ オリエンタル×ビストロ』を出版、一経営者からプロデューサー、カリスマシェフへと知名度上昇とともに活躍の場がスケールアップしてきている。企業マネジメントの面でも、店長に店舗経営を権限移譲し、高額の基本給とインセンティブで「20代女性店長で月額60~70万円台の報酬」を提供するなど、GD方式の成果報酬主義を受け継ぎ、進化させている点でも注目される。
9月に話題の新店をほぼ同時オープンするとして注目を集めているのが、東急田園都市線、東急東横線、小田急線沿線の神奈川県新興タウンに「アジアンビストロ」、「ワインビストロ」、「炭焼き」の3ブランド8店舗を展開するプレジャーカンパニーの望月大輔さん(「モンスーンカフェ」系出身)と、六本木に「東京バル アジト」「クッチーナ イタリアーナ アリア)」を展開するライブクリエイトの高瀬篤志さん(「ラボエム」系出身)。望月さんの新店は9月8日オープン、、都内初進出となる「アジアンビストロ Dai」駒沢店。総投資7500万円を投じてスケルトンからつくり上げる“勝負店”だ。40坪、店内66席、テラス18席、天高5メートルを活かし、4つの高さの客席を設けるという。22坪の新百合ヶ丘店がこれまでの最高売上げ(月商1350万円)をあげているが、駒沢店の目標は当然2000万円超えだ。一方、高瀬さんは9月9日に3号店となる「グリル&パスタ【ES】」麻布十番店をオープンする。38坪66席のイタリアンをベースにしたインターナショナルキュイジーヌ。高瀬さんにとって、麻布十番は「どうしても出たかった場所」だ。なぜなら、高瀬さんがいまあるのは「ラボエム」麻布十番店で鍛えられ、学び、お客さんとのネットワークを築いた場所だからだ。そのため、3店舗を出せる余裕はじゅうぶんにあったのだが、麻布十番に物件が出るまで満を持して待ち続けてきた。9月は望月さんと高瀬さんのニューオープンが大きな話題になるだろう。
グローバルダイニング卒業生の間で“目黒の奇跡”といわれているのが、やはりグルーバルダイニング卒業生の一人、吉田裕司さんの「大衆ビストロジル」。22坪で平均1200万円を売る(マックスは1300万円)お化け繁盛店だ。“奇跡”といわれる理由は、その立地。1階路面ならわかるが、駅から近いとはいえ、古ぼけたスナックビルの地下だからだ。吉田さんはグローバルダイニングのあとミュープランニングに移り、そこで同僚だった仲間と起業した。2号店は学芸大学の2階11坪の「大衆ビストロ 煮ジル」。手間をかけたコンフィ料理や煮込みメニューが大人気。この「煮ジル」業態を暖簾分け的に展開していく方針で、次の物件を探している。これから法人化して企業体質を強化する。来年からの多店舗展開が楽しみだ。ニューカマー注目組としては、赤坂に「ワイン食堂 パスターズ」をオープンした宮澤康一さんと福嶋啓二さんコンビと「Pizza&Wine stand BOTTONE(ボットーネ)」の作島武さんと遠藤元樹さんコンビ。「パスターズ」は店名通り、生パスタが売り。夜はラムチョップや肉系の料理も人気だ。ボットーネは“業界最小6インチ”のナポリピザが売り。二つとも悪立地、悪物件だが、もともと「売る力」と「客を喜ばせる力」という“GD遺伝子”を持つ彼ら。いずれ“勝ち組”の名乗りを上げてくることは間違いないだろう。