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コラム

2012年後半の「飲食トレンド」が見えてきた!

マーケットを牽引してきた「がぶ飲みワイン」業態も飽和感が出てきて、飲食トレンドの「ネクスト」が見えずらくなっていたが、後半はズバリ、「ハイカジ」「ネオ大衆」「ネオトラ」の三大潮流が来る!

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


「がぶ飲みワイン」業態は定着期に入った。バルやビストロスタイルの料理もいまや定番となり、次のマーケットを引っ張るだけのパワーはもはや感じない。そうしたなかで、話題の「俺のイタリアン」グループのバリュークリエイトが、新業態として「俺のフレンチ」1号店を5月16日、銀座にオープンさせた。シェフには高級フランス料理店「シェ松尾」の取締役総料理長も務めた能勢和秀氏などを迎え、本格的なフランス料理を低価格で提供するというのがコンセプト。「シェ松雄」では10,000円以上する「牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ」が1,280円で食べられる。しかも、グラスの赤とともに立ち飲みで食べれば、支払いは2,000円で上がる。「俺のイタリアン」同様、「スーパーシェフによる世界最高級の料理を極限までいっきに価格破壊」することによって、突き抜けようとする戦略だ。こうした「ハイクオリティカジュアル(ハイカジ)」が一つ目のトレンドとして大きな波になりそうな予感だ。阿部誠氏の「東京ぶどう酒店」(馬喰町)や遠藤誠氏の「角打ち利三郎」(押上)もハイカジ立ち飲みだ。
5月17日、世田谷区や目黒区の住宅街で展開してきた新興チェーンの「串カツ田中」が渋谷桜丘に都心旗艦店をオープン。関西串揚げを中心に大衆酒場的な定番メニューを格安で提供する。内装はシンプルでカフェのような空間。若者からファミリーまで客層は幅広い。客単価は2,500円前後。同店を運営するノートの貫社長は「客単価をできるだけ押さえ、週に何回でも通ってもらえる地元密着型の店として育てていきたい」と語る。油も衣もソースもすべてオリジナルで、「老舗の関西串揚げの味」へのこだわりが売りだ。私は、「串カツ田中」は串カツ専門店ではあるが、そのスタイルは大衆酒場に近いと思う。いわば、「ネオ大衆酒場」業態と呼びたい。低価格だが、商品へのこだわりはしっかり持っており、毎日でも通える居心地の良さがある。こうした客単価3,000円以下の「ネオ大衆」が今後、“ポスト居酒屋”業態として二つ目のトレンドになってくるのではないか。素材は鶏でも豚でも肉でもあり。バイタリティ岩田氏の「鳥番長」や「揚げ三兄弟」なども「ネオ大衆」ジャンルに入れていいだろう。「新定番」の料理やドリンクの開発がポイントになる。
そして、三番目のトレンドは「ネオトラディショナル(ネオトラ)」。「伝統的な料理」「調理法」「調味料」などを見直す動きで、「醗酵」「熟成」の技術や食材を使った料理を提供する店がその代表だ。醗酵食の仕掛人、イイコの横山氏が祐天寺に出した「豆種菌」は、「内側から・源から健康にすることで肌など、全てが総合的に美しくなる発酵食」を提供することがコンセプト。こうした本質的なテーマを追求することによって、ブームに終わらない業態を目指しているのだろう。熟成肉でブレイクしている中野「ツイテル」の鈴木氏もこれまで様々な業態を手がけてきたが、あえて手間がかかり、リスクもある熟成肉をメインにすることによって、飽きの来ない「肉食とワイン」というスタイルをつくりあげた。日本酒業態や国産ワイン、国産クラフトビールなどの「ジャパンクオリティ」コンテンツも広い意味で「ネオトラ」ジャンルに入るだろう。「ハイカジ」「ネオ大衆」「ネオトラ」。これらの三つのトレンドは、「高品質低価格」「定番進化」「温故知新」と言い換えてもいいだろう。それらを追求する動きがさらに強まるに違いない。

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