4丁目から1丁目までの“EASTエリア”が注目される銀座。並木通りに4月19日開業の「銀座ベルビア館」の概要がリリースされた。3丁目の 「ZOE銀座」(三井不動産)、「DAZZLE」の入るミキモトビルの先がベルビア館である。周辺には「プランタン銀座」「アフタヌーンティー」「カユマ ニス」(スティルフーズ)などがある。ベルビア館の目玉は9階に入るテレンス・コンランのプロデュースレストラン「ICONIC(アイコニック)」(ひら まつ)。3丁目シャネルビルのアラン・デュカス「ベージュ東京」と妍(けん)を競うことになる。 8階も力が入っている。街場の“予約のとれない店”が集まった。新鋭の西麻布・鉄板焼フレンチ「a hill(アヒル)」(S.G.C.)をはじめ、神谷町スペインバル“カマロン”の「Casa Camaron(カサ・カマロン)」、オーストラリアワイン店“渋谷アロッサ”のニュージーランドワイン&グリルダイニンク「グリル&ワインバー アロッサ 銀座店」(ブゥロ)、青山・インド料理“SITAARA(シターラ)”のカバブ&ワイン「Indian Kebab Bar SITAARA AGNI(インディアンケバブバー・シターラアグニ)」(DTD)などが銀座進出。とにかくワイン好きにはたまらないラインナップとなった。また、六本木 ヒルズ「サドレル」を閉店するなど業態再構築中のグラナダが大分湯布院の名旅館“山荘 無量塔(むらた)”プロデュースの洋食店「BUNGO洋食 方寸MURATA」を出店する。 7階はレストランプロデューサーの中村悌ニ氏の活躍ぶりがうかがえる。中目黒“KAN”の「銀座KAN」をはじめ、もつ料理「ろくまる」と鶏料理 「銀座 若どり」(ともにクラウドプロスパー)は“中村銘柄”。他には、勢いのある博多一風堂・河原成美氏の名作・西麻布「五行」のダイニング版、再び出店攻勢を かけている焼肉トラジが進出。グラナダが8階と同時に「江戸切庵(エドギリアン)」を出店する。グラナダは「ZOE銀座」にも大箱の中華「夜上海(イエ シャンハイ)」を出店しており、このエリアで3店舗目の集中出店となる。それにしても8階の顔ぶれと比べると、7階はちょっとパンチに欠けるのではない か。 1階にはイタリアンバールのパイオニア“デルソーレ”の「銀座バール・デルソーレ2Due(ドゥエ)」(フォルトゥーナ)が銀座初出店、日中から深 夜まで多彩なメニューを提供する。スペインバルのブームが一段落している今、イタリアンバールをもってきたことは正解だろう。ユニークなのは地下1階。和 食専門店街&ビアバー「食房酒膳 銀座六景」(デリシャスリンク)が登場する。東京駅『黒塀横丁』からの銘店4店というのはリーシング仕掛け人O氏の顔が 見えてしまうが、白金の人気お好み焼き人気店「甚六」姉妹店や、東京カレンダーの恵比寿「Q」のような“国内4社の生ビール飲み比”べビアバー6店が集 まった“ベタおしゃれ街”の演出は行ってみたい感あり。いずれにしろ、この周辺は開発ラッシュが続く。9月には外堀通り側に「読売ビル」がオープン。こち らは三菱地所が開発を担当。通りを挟んだ有楽町側には丸井がオープンするなど、“2007年銀座戦争”の幕が開いたというべきだろう。
コラム
2007.01.25
2007年銀座戦争”いよいよ勃発!”
「新丸の内ビルディング」(三菱地所)に続き、4月19日にオープンする「銀座ベルビア館」(オーナー・富士フィルム、マネジメント・三井不動産)の飲食テナント19店舗が明らかになった。
佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。