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コラム

「新丸ビル」飲食街への期待と失望

三菱地所が4月27日開業の「新丸の内ビルディング」(商業ゾーン全153店舗)に出店するレストラン40店舗の顔ぶれが明らかになった。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


レストラン街は5階から7階の3層に集めた。“天空レストラン”はない。“大人の「素敵な時間」”を提供するのがコンセプトである。5階「グルメス トリート」(27店舗)は老舗名店や街場の話題店を集めている。居酒屋の神田「新八」やおでんの「こなから」、焼き鳥とワインの「萬鳥」、鰻「駒形」など のシブい銘柄が並ぶ。また、渡邉明氏の「AWキッチン」やい志井の立ち飲み処「日本再生酒場」などの話題店も出店。“品のある猥雑さ”に期待したい。 6階「ワールドレストランツ」(5店舗)はどんな三ツ星が来るか期待されていただけに、ちょっとがっかり。オーストラリアのスターシェフ、ルーク・ マンガンの出店が光るぐらいだ。丸ビルの高級レストラン誘致の反動だろうか、今回は“カジュアルレストラン”を謳っている。このあたりは現実的な路線を選 らばざるを得なかった事情がうかがえる。普段使いを打ち出したことは近隣オフィスワーカーから支持されるだろう。 注目は7階「丸の内ハウス」(8店舗)である。六本木ヒルズの「ハートランド」や丸の内TOKIAの「PCM」を仕掛けたキリンビールの島田新一氏 が“陰のプロデューサー”だが、360坪のワンフロアラウンジに“大人の遊び場”をつくる。共用部分はバワリーキッチンをデザインした形見一郎氏が関わっ ており、どんな空気感を醸し出すか見ものだ。足立正利氏の「自由ヶ丘グリル」が出店するほか、山本宇一氏のテーブルモダンサービスプロデュースのカジュア ルダイニング&ラウンジ、“サービスの神様”こと新川義弘氏の「リゴレット ワイン&バー」など、“役者”が揃っている。“クラブハウス”らしいサービスとサプライズに期待したい。

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