5月7日、八重洲ブックセンターの裏に「スペインバル八重洲」がオープン。昼も夜も盛況のようである。この店はスペイン料理界では古株のスペインクラブが経営、5年間銀座で親しまれてきた「銀座スペインバル」が八重洲に移転オープンしたものだ。銀座店でも活躍したスペイン・アンダルシア出身のフアン・カルロスシェフの本場のタパスと、70種類以上の直輸入ワインが楽しめる。 6月13日には丸の内国際ビルに「Bar Espanol LA BODEGA(バル・エスパニョール・ラ・ボデガ)」がオープン。もつ鍋「もつ福」からのれん分けし、川崎で「もつ福 分家」とホルモン焼「豪快ホルモン うしのよだれ」を経営する有限会社アキナイ(三宅茂幸社長)の3店舗目の業態である。オフィスビルの地下にスタンディング35席、テーブル85席の大箱で挑んだ。 そして6月17日、ソニー本社が移転して俄然注目エリアとなっている品川港南口に「WINE&GRILL TODOS(トドス)」がオープンした。やはり立ち飲み20席、テーブル80席の大箱である。こちらは純粋なスペインバルではなく、フレンチ、イタリアンの要素も取り入れた“ビストロ居酒屋”と銘打っている。経営は「北前そば 高田屋」のFCから飲食ビジネスに入ったサンクスマインド株式会社(秋月秀夫社長)。渋谷で「沖縄料理・あしびな」、五反田で「地鶏と豆冨料理 酉の市」を運営、3店舗目のオリジナル業態である。 これらのバルはいずれもターゲットがオフィスワーカー。居酒屋に飽きた層を取り込むのが狙いである。当然ランチ営業もポイントになる。「スペインバ ル八重洲」の“パエリアランチ”はすでにブログなどで絶賛されている。アキナイもサンクスマインドも居酒屋のターゲットをそのままに、バル業態に挑戦し た。あくまで気軽に日常的にバルを利用してもらう、サービスも居酒屋のそれと変わらない。オフィス街で居酒屋がバルに生まれ変わる現象はまだまだ続くだろ う。
コラム
2007.06.21
オフィス街で「スペインバル」増殖中!
このところ、オフィス街に次々と「スペインバル」が誕生している。ビジネスマンが気軽に立ち寄れるポスト居酒屋"として定着するかどうか..."
佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。