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編集長コラム

“日本のブルックリン”清澄白河エリアに注目!

2015年2月、ロサンゼルス発の「ブルーボトルコーヒー」日本進出1号店の出店で沸いた清澄白河エリア。6月には、大阪やに拠点をもつ醸造所併設のレストラン「フジマル醸造所」もオープンした。“日本のブルックリン”と言われるこのエリアを歩いてみた。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


茅場町、人形町から隅田川を渡ると、すぐ清澄白河エリアに出る。このエリアは家賃も安く、タワーマンションもまだ少なく、「ブルックリンのように空がまだ広いエリア」なのだ。ニューヨーカーたちが2008年のリーマンショックを機に、橋を渡ってブルックリンに移り住み、身の丈あったナチュラルなライフスタイルを目指し、カフェやレストラン、ブティック、シェアアパートメントなどをつくったように、いま東京ではこのエリアが「ブルックリン的ライフスタイル」を目指す若い人たちの聖地になりつつあるというわけ。カフェの街というイメージは定着したが、実は食堂、酒場、バル、レストランなどの夜型業態も増えている。イートグッド時代、目が離せないエリアになってきた。大阪市内に自社のぶどう畑を持ち、同じ大阪市島之内にワインの自家醸造所とレストランを併設する世界でも珍しいアーバンワイナリーを運営するパピーユが江東区清澄白河に「清澄白河フジマル醸造所」をオープンしたのは6月25日。1階は醸造所、2階はイタリアンシェフの作るモダンイタリアンの料理が楽しめるレストラン。大阪で醸造した自社ワインのほか、国内外のワインを揃える。奥はワインと軽い料理を提供するテイスティングスペースだ。1階の醸造所では山形県にあるぶどう農園を中心にしたぶどうを醸造するという。この店の周辺は住宅地や家内工業的な製作所、倉庫などが密集する生活感溢れる場所にある。

隅田川の東側、清澄白河や深川の辺りは、江戸時代、庶民文化が栄えた町として知られる。今も芸術性が高く名勝といわれる清澄庭園や江戸深川資料館、八幡神社などはその足跡を残す。そんな清澄白河は、地下鉄2路線が走り、大手町、日本橋まで至近距離でありながら、川が縦横に流れるなど自然にも恵まれている。また、日本を代表するコンテポラリーアートの東京現代美術館をはじめとしたモダンアートやコンテンポラー系ギャラリーが多い。そこには、もともと職人が多く、家内工業的な工場や製作所も多かった。そうした土壌があるエリアで、若い世代のクリエイターたちが工場や製作所、倉庫の跡をリノベーションして、ものづくりやカフェ、レストランを開業するという動きが盛り上がっているのだ。そこに2月、「ブルーボトルコ―ヒー」がオープンし、このエリアには似合わないような大行列の光景が連日、マスコミを賑した。5月には、「ブルーボトルコーヒー」と同じ通りに日本初のブリオッシュ・コン・ジェラート専門店「Brigela(ブリジェラ)」がオープン。清澄白河は一躍、檜舞台に躍り出たのだ。

しかし、実は「ブルーボトルコーヒー」がオープンする前から、自家焙煎コーヒーの「ARiSE COFFEE」、ニュージーランド発のエスプレッソにこだわった「ALLPRESS ESPRESSO 」など、サードコーヒー文化の聖地としてすでに珈琲業界のなかでは広く知られていた。また「PORTMANS KAFE」のような古い倉庫をイメージしたスタイリッシュでおしゃれなカフェから「fukadaso café(深田荘)」のようなアパート兼倉庫をリノベーションしたギャラリーカフェまで、個性的なカフェも多い。元皮製品の製作所をリノベーションしたのが、清洲橋通りから一本裏に入った住宅地の「ヒキダシカフェ」。オープンから1年経つ個人経営のカフェだが、アート作品が並び、料理教室なども定期的に開催されている。多くのカフェが昼中心でカフェと軽食メニューであるなか、夜の料理、アルコールを多く揃え、ディナータイムまで対応するバルカフェだ。

江戸深川資料館通りにある女性オーナーの「山食堂」も話題となっている。昭和時代を彷彿させるモルタル仕上げのシンプルな内装にアンティークな家具の合わせたセンスのいい空間。同店は、有機野菜やオーガニック食材を軸にしたイートグッド系の家庭料理と全国から選んだ食料品、日用品を売るカフェ酒場だ。2010年9月のオープン当初は土日のみの営業だったが、2013年より不定期な平日営業に移行、そして2014年から平日通常営業となっている。その近く、江戸深川資料館裏の路地の住宅地に今年2月、利き酒師資格をもつオーナーがオープンした「紺青」。紺青色のワイングラスで提供するこだわりの日本酒と本格和食をベースとした日本酒酒場である。カウンター8席、テーブル4席の小箱店。さらに同店からも近い清澄白河駅すぐの仲通りに、着物姿の女将が仕切る「酒と肴botan」が2014年11月にオープンしている。全面ガラス張りのカフェのようなシンプルでおしゃれな店。女将厳選の個性的ラインナップの日本酒と手作り感のあるアテ料理が売り。こうした個性的で感性の高い、夜もしっかりと楽しめる店が増えている。清澄白河エリアが“日本のブルックリン”になる日もそう遠くないかもしれない。

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