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編集長コラム

「肉業態」マーケット、ますますヒートアップへ!

2014年に引き続き、15年も「肉業態」の店が次々にオープンしている。 業態の多様化によって多面性を強める肉業態マーケットだが、ここにきて大手外食企業も続々と参入してきた。1月に私は肉関連のイベントで「今年は“ミートレボリューション元年”となるだろう」と宣言した。大手参入でこのマーケットは、ますますヒートアップしてきた。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


4月15日、「庄や」はじめ全国約780店舗の大衆割烹料理店をチェーン展開する大庄は、新業態となる本格炭火焼ステーキの肉バル「神田の肉バル RUMP CAP(ランプキャップ)」を神田にオープンする。牛1頭からわずかに4kgほどしか取れない超希少部位「RUMP CAP」の本格炭火焼きステーキ―を看板メニューに、「アウトサイドスカート(ハラミ)」「フラップミート(カイノミ)」「Tボーンビーフ」「ビーフハツ(数量限定)」などのオリジナル肉料理をリーズナブルな価格で提供する。続く4月17日、主に郊外型の焼肉店やラーメンチェーンを展開する物語コーポレーションは、「熟成焼肉 肉源」を赤坂にオープンする。同店は、“焼肉業界売上げ首位を奪いたい”という決意のもと、都心部で展開する繁華街型新業態。店内入口に設置された“ウォークインワインセラー”では、常時数十種類のワインを揃え、2800円で販売する。また、飲み放題プラン1480円をオーダーするとセラー内のワイン全てが1本980円となり「価格を気にすることなくワインが選べる」という、新しい“焼肉とワイン”の関係を提案するという。肉は、最高品質ブラックアンガスビーフを使い、ドライエイジングではなく、30日以上をかけた「赤身熟成ウェットエイジング」を提供する。

1月下旬には、池袋西口駅前のビル3階に大手居酒屋チェーンのコロワイド東日本が、従来の「うまいもん酒場えこひいき池袋西口店」を「肉酒場エコヒイキ池袋店」にリニューアルオープンさせた。看板MDは各テーブルでスタッフがカットする焼きたての本格スタイルのシュラスコ。牛のサーロン部位が70g、豚の肩ロースが60g計130gとボリュームありながら、価格は780円とリーズナブルな酒場のシュラスコ。ほかにも日本酒、八海山に漬け込んでじっくりと焼き上げた酔っぱらい鶏、えこひいき肉カルパッチョなどを提供、トレンドとなっている「肉バル」スタイルの大衆酒場業態となっている。ドリンクはたっぷりと注ぐグラススパークリング380円、グラスワイン280円とお得。ボトルワインなはなんと1800円から。串炭火でじっくり焼いた串刺しの肉をテーブルでカットする豪快なブラジル料理シュラスコは珍しさとエンターテイメント性の高さから人気が広がっている。ワンダーテーブルがすでに7店舗展開するシュラスコ業態「Barbacoa」は本場スタイルのディナーが4800円。スタンダードなフリードリンク2200円をプラスするとそれなりの価格の本格派。そんな業態をリーズナブルで、日常使いのポジションで展開するのは興味深い。

このように、大手外食企業が続々と肉業態に参入。やはりポイントは「赤身塊肉ステーキ」「熟成肉」。業態の進化も「ネオ肉バルスタイル」、すなわち部位や品種を極めた業態へとさらに進んだステージへと向かっている。なかでも、熟成肉を含む高級牛肉業態から、最近は赤身肉の魅力を打ち出したカジュアルな業態が増えてきているように、より日常に密着する傾向にあることに注目したい。大手以外の進化系の動きを追ってみよう。吉祥寺、公園口前のビルの2階に昨年11月オープンした“赤い肉×ワイン”がコンセプトの肉バル「チキンレッグ吉祥寺店」。阿佐ケ谷の人気店の2号店だが、秘伝のタレに漬けた牛ハラミ400g(2500円/ハーフ1380円)を看板に、葡萄牛のグリルなどから鶏、豚肉まで、炭火焼き肉料理がリーズナブルに揃う。ボトル2000円から揃うワインも人気だが、お勧めは1瓶1瓶フルーツを入れ漬け込んだ6種類の壺漬けのオリジナルサングリア。漬け込んだフルーツは肉とも相性は抜群で、肉のガッツリ感を緩和し、価格以上の満足度を提供している。

池袋にオープンした「ミートバルBON」は、本日の和牛から鶏、豚のグリルに馬刺しまでをリーズナブルに充実させたカジュアル肉バルだ。東銀座の裏通りにオープンした「Best Butchers」もカジュアルスタイルの肉バル。新鮮海鮮でコスパの高い月島「築地本丸」を運営するビルドアップフィールドの新業態だけに、日常使いの肉業態として期待される。どの店もガッツリ感だけでなく、牛、鶏、豚、馬、さらにはシャルキトリー、野菜やサイドメニューまでのバル料理が充実する。ドリンクもワインを軸に自店のオリジナルやサワー類まで揃え、日常性に沿った肉の専門業態に仕上げているのが特徴的だ。神田には1枚からオーダー出来る立ち焼き肉「江戸牛」がオープンした。新宿の話題店「治郎丸」をベンチマークした店だが、一人呑み、一人食べは「孤独のグルメ」ブームに乗っていま注目されるスタイルだけに今後の展開が気になる。王道の牛塊肉専門業態もこれからで、銀座にオープンした「fillet bar houzan ginza sukiyabashi stand(フィレバーホウザン・数寄屋橋スタンド)」が話題。ミートオークションで知られる錦糸町で肉屋が運営する話題店「ヒレ肉の宝山」の2号店で、1号店同様に参加型のエンターテイメント性で専門性を極めている。“ミートリボリューション元年”の2015年、多面性を強める肉マーケットの展開によって、幅広い世代層を取り込んだコアな肉ジャンルも登場してきそうだ。肉業態マーケットという「森」の中の「木々」(業態&スタイルなど)をしっかり捉えていく力が求められているといえよう。

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