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【スペシャル対談】店舗流通ネット×フードスタジアム特別企画―Planterの冨士田氏が語る「社員定着率100%」を実現する方法

飲食業界の人手不足が深刻だ。求人数の増加とともに平均時給も上昇し、多くの企業が人材の獲得に苦戦している。ただ採用が成功したからといって問題の解決にはならない。離職率の高い飲食業界では、人材を定着させるのが難しいのだ。スタッフをどのように採用して、定着させていくか。飲食業界全体で課題の解決に頭を悩ます。
そうした状況の中、社員定着率100%を達成している企業がある。そこがPlanter(プランター:東京都港区、代表取締役 冨士田俊洋氏)だ。同社は虎ノ門で「酒場 ふじ」と「飛騨産直食堂おりんち」、「さくらさく」の3店舗を、中野駅のサンモール商店街では「丸鶏FUJI」を展開。これからの飲食業界を牽引していく存在として、代表の冨士田氏に集まる期待は高い。
同社では、どのような人材マネジメントをしているのだろうか――。そこで同氏と店舗流通ネット(東京都港区 代表取締役社長 石井実氏)で東日本事業部次長を務める山野井弘文氏、そしてフードスタジアム(東京都渋谷区、代表取締役 大山正)の大山の3名が人材の活用をテーマに徹底討論。同じ1982年生まれであるからこそ見える飲食業界の未来に迫っていく。


左から店舗流通ネットの山野井氏と
Planterの冨士田氏、フードスタジアムの大山正
大山正(以下:大山):この取材に先立って、先日、あらためて中野の「丸鶏FUJI」に行きました。やはり激戦区の中でも埋もれない存在感はさすがですね。どの提案も際立っていて、とても感激しました。

冨士田俊洋氏(以下:冨士田):ありがとうございます。「丸鶏FUJI」は虎ノ門以外で初めてオープンさせた店なので、そう言ってもらえてうれしいです。

山野井弘文氏(以下:山野井):私も「丸鶏FUJI」や「酒場 ふじ」、「飛騨産直食堂おりんち」と、冨士田社長のアイデアはいつも俊逸だと感じています。普段、飲食企業の経営者のコンサルティングを通して、多くの悩みを聞いているのですが“いかに業態を開発していくか”は頻繁にお伺いする内容です。そうした難しい課題にも関わらず、冨士田社長は独自のアイデアを思いつくだけでなく、しっかりとしたコンセプトを持った業態として成功させています。その力は同世代の経営者の中でも群を抜いているのではないでしょうか。

大山:たくさんの若手経営者に私も会っていますが、冨士田さんはエリアに合わせた業態作りがうまいですよね。2014年に「虎ノ門ヒルズ」が開業したとはいえ、まだまだ虎ノ門は独特なマーケットですし。

冨士田:確かに虎ノ門は特徴的かもしれません。お客さまもほとんどがビジネスパーソンで、ピークタイムも限定的。他のエリアから来る方もあまりいませんから。だからこそ料理はもちろん、質の高いサービスは必須ですね。そうした背景を踏まえた店作りができるようになるまでは大変でした。

山野井:確かオリジナルブランドの1号店は2013年のオープンでしたよね? そもそもどのような経緯で飲食業界に飛び込まれたのか教えていただいてもよろしいですか。

冨士田:実を言うと飲食業界に入るまで、人生に迷っている時期がありまして。大学を中退してから内装工をしたり、ITベンチャー企業に勤めたりしていました。ただ、どの仕事もいまいちピンとこなかったんです。どんな環境で働きたいかをあらためて考えたら、人と接する仕事がやりたいなと思って。25歳のとき、アントレスト(東京都新宿区 代表取締役社長 有村壮央氏)が運営する「さくらさく」で働き始めました。今から10年ほど前の話です。

大山:それで「さくらさく」で勤務された後、「飛騨産直食堂おりんち」のオープンのときに独立された、と。

冨士田:はい、その通りです。そういえば、山野井さんと初めてお会いしたのも同じころでしたね。

山野井:そうですね。初めてお会いしたとき、しっかりとしたビジョンを持って経営されている方だと感じたのを覚えています。

Planterならではの人材活用法
そのノウハウが組織を強くする

大山:Planterさんは社員の定着率が100%だと聞いています。何か秘策のようなものはあるんですか?

冨士田:何か特別なことをしている訳ではありません。ただ一人一人の個性は尊重したいと思っているので、スタッフの話にはしっかりと耳を傾けるにしています。社員になると、家族より一緒にいる時間が長いですから。みんなが気持ちよく働ける風土作りには力を入れていますね。

山野井:定着率の高さは、冨士田社長の人柄の影響も大きいのではないでしょうか。どの店にお伺いしてもスタッフの方がイキイキと働いている。そうした飲食企業は、なかなかありません。やはり冨士田社長の人情味が温かな雰囲気を作り出しているからだと思っています。

大山:確かに成功している経営者に共通する素質として、人柄の良さを挙げることができます。これは絶対条件と言い切ってもいいのかもしれません。社員の力を引き出すには、まず「この人と働きたい」と思ってもらうことが重要ですから。しかし、風土以外にもプラスアルファで何かあるのではないでしょうか。例えば、福利厚生に独自性があるとか?

冨士田:そうですね、評価制度はしっかりと整っているかもしれません。インセンティブの還元率を高めに設定して、頑張った分だけ給与に反映される仕組みになっています。

山野井:なるほど、給与体系というベースのところがしっかりしているからこそ、風土という強みがさらに生かされる環境になっているんですね。日本が人口減少社会となり、今後、働き手は確実に少なくなりますが、そうした環境になればなるほどPlanterさんの強みはさらに際立っていくのではないでしょうか。

冨士田:そうなってくるとうれしいです。私も働き手が少なくなっているのを痛感していますから。そのため、うちではスタッフを紹介してくれた社員に別途インセンティブを渡しています。不確実性の高い求人広告より、しっかりとした人材が獲得できていて安心感が強いですね。また、アルバイトから社員になりたいと言ってくれるスタッフが多いのも特徴の一つかもしれません。

大山:そこもちゃんとした体制が整っているんですね。外国人の活用やITの導入など、人材の活用にはさまざまなキーワードがあふれています。それについて感じることはありますか?

冨士田:外国人労働者は多くなっていると実感しています。うちでもアジア各国の方に働いてもらっていますし。ただITの活用はできる範囲で行っていますが、全テーブルにタッチパネル式のメニューを設置するとかは難しいかもしれません。そこは資本力のある個人店とチェーン店で分かれていきそうですね。

山野井:冨士田さんの話を聞いていると、Planterさんの経営体制は盤石であると感じます。今後、どのようなビジョンを描かれているのですか。

冨士田:今まで、慎重な経営を行ってきました。しかし、これからは積極的に店舗を拡大させていきたいと考えています。利益を増やせれば、その分、社員に還元できることも多くなりますし。

大山:ただ物件を探しながら、日々のマネジメントを行うのは難しいかと思います。そもそも見つかったとしても、適切なアドバイスがなければ、物件のポテンシャルをしっかりと把握できませんし。そうした意味でも、やはり店舗流通ネットさんのような存在は心強いんじゃないでしょうか?

冨士田:はい、今後、店舗を拡大していくのに店舗流通ネットさんの存在は欠かせません。何より物件については考えなくてもいい環境を整えてくれますから。飲食店の成否を決める重要なファクターの一つを任せられるのは非常に大きいですね。

山野井:そう言ってもらえると、私たちもうれしいですね。冨士田さんには絶対に成功してもらいたいので、そのためのサポートを今後も惜しみなく行っていきます。冨士田さんの考える業態が成り立つ物件・エリアなど、どんどんと紹介していくつもりです。

大山:やはり適切な物件を紹介できるのは「ショップサポートシステム」のインパクトが大きいですねよ。改めて、どのようなサービスか、教えていただいてもよろしいですか?

山野井:はい、「ショップサポートシステム」はイニシャルコストを抑えて、店舗数を一気に広げられるシステムです。通常出店する際にかかる保証金や改装費用を当社で投資するからこそ実現できるサービスとなっています。新規出店の場合、銀行での借り入れ額が、出店コストより少ないというケースも珍しくありません。そうした時でも、当社のシステムを使えば、出店が可能となるでしょう。

【ショップサポートシステムの詳細はこちら】

 

大山:すでに複数店出店されている場合でも、初期投資が抑えられる分、店舗数を増やすスピードが格段に上がりますよね。優良物件の多くは、大手飲食チェーンをはじめ、資本の大きな企業などが取得しがちです。しかし、店舗流通ネットさんが優良物件を抑えることで、アーリータイムでは取得が難しい物件も借りられるようになります。いろいろな不動産会社と付き合うより、店舗流通ネットさんの営業マンと付き合うほうが、物件取得の効率も確度も高くなるのではないでしょうか(笑)。

山野井:ありがとうございます(笑)。私たちは、700店舗も物件も取得しているので、月に2、3件ほどは、お店の撤退情報が入ります。この情報は外に出ない未公開情報です。物件に投資することも多いため、比較的良い立地の物件情報も抱えています。こうした物件情報を生かしながら、物件については私たちに任せれば大丈夫という安心感を、飲食オーナー様に与えたいですね。

大山:冨士田さんは、すでに何件か店舗流通ネットさんで契約された物件はあるのですか?

冨士田:実を言うと、まだ一つもないんです。

大山:そうだったんですか(笑)。

山野井:私たちにとって、物件の契約が決まるかどうかは重要な問題ではないので、全く構いません。あくまでも当社はアーリーステージにある企業の味方として、サポートを行っていまから。

冨士田:いつも物件の情報だけでなく、足で稼いだエリアの情報もいただけるので助かっています。山野井さんが当社のマーケティング部門を担当してくれている感じです。そのサポートを生かしながら、次に出店するエリアと物件を決めていきたいですね。

大山:今後の展開に期待しています。

(文章・構成/三輪 ダイスケ)

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