ガーデン(東京都新宿区、代表取締役会⻑︓川島 賢氏)は、スパイスワークス(東京都台東区、代表取締役︓下遠野 亘氏)の子会社である肉寿司の持株を100%取得し、7月31日付けでグループ会社として迎え入れることを発表した。スパイスワークスからガーデンへの譲渡額は当社の調べによると12億円。「肉寿司」は牛・馬肉を中心とした肉専門の握り寿司として知られ、現在、恵比寿横丁をはじめ全国に25店舗を展開している。この「肉寿司」をガーデンが強みとしている⽴地戦略・出店攻勢⼒で増店を加速させ、2019年には100店舗を目指すべく体制を強化するという。スパイスワークスは「肉寿司」の創業会社として、コンセプト管理やメニュー開発などに専念し、肉寿司ラインナップの多様化など一層のコンテンツ強化を担う。これにより、ブランドの軸をぶらさず、肉寿司の飲食業界におけるブランド価値向上へ向けて両社で協力体制を築いていく。
--この発表を受け、スパイスワークス代表の下遠野氏に話を伺った。
Q、なぜ、ガーデンへの売却を決めたのですか?
A、私たちが得意とするのは飲食店の業態開発なので、いわばゼロイチと言われる仕事です。一方、ガーデンが得意とするのは既存業態の加速展開、10を100にすることです。両社の得意領域が違うからこそ、この決断には意味があると思いました。ここからセカンドステージに突入する「肉寿司」が、今後より一層飛躍できるだろうと私は考えています。
Q、売却で得た額の使い道についてその計画をお聞かせください。
A、今年5月にホステル事業部を株式会社宿場のハリウッドとして新会社にしたのですが、そこでの事業に投じたいと考えています。昨年オープンした「THE KITCHEN HOSTEL AO」も好調で、今年の夏には大阪新福島に「旅籠 あお」をオープンしようと現在準備を進めております。これらのほかにもう1ブランド構想があり、計3ブランドを軸にホステル事業を展開していきたいと考えています。
あくまで業態開発に徹したいと一貫して主張をする下遠野氏。既存業態を伸ばすこともそうだが、飲食事業に留まらず、ホステル事業やその他新規事業など新たな領域にも踏み込んでチャレンジの幅を広げている。広域に及ぶ同社の挑戦に、今後も業界から一層の注目と期待が寄せられそうである。