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四谷に「小島チューリップ」が開業。 代表小島氏の思い出の味・1本150円のチューリップと、熟練の技で焼くふわとろ食感のたこ焼きを武器に口コミを仕掛ける!

四ツ谷駅の四ツ谷口から徒歩3分。インパクトのある黄色と黒の看板が目印で2階でも存在感抜群
10坪強のこぢんまりとした店内。カウンター5席に、4名掛けテーブル、5名掛けテーブル計17席を配置。
「小島チューリップ」。たっぷりタレの染みた名物は軟骨まで食べられる
「たこ焼き」(ソース 8個600円)。ピンク色のガリが見た目鮮やかな「ガリ酎」(400円)と好相性
写真左から店長の柏原崇志氏、代表の小島祐輔氏。2人の軽妙なトークが店を盛り上げる

(取材=福井 晶)


オフィスビルや学校が多く庶民的な飲食店がひしめく四谷、しんみち通りに10月22日「小島チューリップ」がオープンした。通りの一番奥かつ2階という悪立地ながら、キャッチ―な店名を書いた黄色と黒の存在感抜群の看板で、周辺のオフィスワーカーを中心に集客している。代表は、外苑前のたこ焼き居酒屋「蛸あざぶ」などで研鑽を積み、現在、俳優と飲食経営の2本立てで活動する小島祐輔氏。小島氏が故郷・徳島県牟岐町で幼少期に食べた思い出の味を再現したチューリップと、名店の技を引き継いだたこ焼きの2大コンテンツを携え、繁盛店を目指す。

俳優のキャリアと並行しながら学んだ飲食のノウハウ

現在、役者と飲食経営の2束のわらじを履く代表の小島氏は、大学在学中から俳優を志すかたわら、様々な飲食店で働いてきた。南青山のバーでアルバイトをしていた際、一丸となってお店を作り、チームを築き上げる。その後、当時の仲間に声をかけられ、外苑前の「蛸あざぶ」のオープニングメンバーに。大衆的な飲食店が少ない外苑前という立地に不安視する声もあったが、今ではメディアでも取り上げられる人気店にまで成長。思考錯誤して完成させたたこ焼きが口コミにつながる鍵となった。その経験を経て小島氏は「お店に一つ強みがあれば、お客様は呼べる」と確信。今回、看板メニューに選んだチューリップも同様の考えから誕生している。こうして積み上げたノウハウを活かしたいという想いから、一緒に働いてきた仲間の後押しもあり、開業を決意した。

物件選びは難航するも、希望条件外の店を内見し決断

当初、店は千駄ヶ谷、北参道周辺の路面店を探していたが、希望通りの物件が見つからず、難航。半ば諦めつつ四谷でこの店を内見したところ、広さや雰囲気を見て、直感で「いけると感じた」という。悪立地をもカバーできるという小島氏の直感が働いたのだろう。店内は10坪強、カウンターとテーブル合わせて22席。客席とは厨房からでも会話ができ、店全体が一体となれるキャパシティで、ビジネスマンの宴会など貸切にも対応できる広さだ。カウンターなどの内装で活かせる部分はそのままに、椅子やトイレなどの細かな設備には手を加え、お客、スタッフの双方が居心地が良くなる造りに仕上げた。

誰にも愛される地元グルメを看板メニューに

メインに据えたのは鶏肉の手羽先を甘辛く味付けし、ローストした「小島チューリップ」(1本150円)。揚げずに”焼く”という意外性と日本人に馴染みの深い照り焼きのような味わいが共存したキラーコンテンツだ。「もともと、チューリップは故郷の徳島県牟岐町にある閉店してしまった精肉店の商品で、街のみんなに愛されていた料理。僕も幼少の頃から食べていた忘れられない味でした。妹がその精肉店からレシピを譲り受け、誰でも作れるようアレンジを加えて、いつかお店を出すときのためにずっと温めていたんです」と小島氏。兄弟の連携あって完成したメニューには店名同様、小島の名を冠した。「必ず食べてもらいたいので1本150円という手ごろな値段設定にしたこともあって、今のところオーダー率は100%。お客様の反応も上々です。こうした地方でしか知られていない料理はまだたくさん眠っているはず。地域に愛されるマイナーメニューを起用するという考えは次につなげたいですね」狙い通りの反響に加えて、今後の展開への足がかりも語ってくれた。

口コミと次回の来店を誘うたこ焼き

サブとして脇を固めるのは「たこ焼き」。定番の「ソース」(4個300円、8個600円)から、「ネギソース」「ネギぽん」(各4個350円、8個650円)、女性ウケする「ペッパーレモン」(4個300円、8個600円)などのアレンジバリエーションまで用意する。なんといってもふわトロの美味しさが魅力で、同氏が「蛸あざぶ」の経験から体で覚えていると語る完成された味わい。「食べた時の驚きと口コミを期待して、隠れた名物にしている。チューリップが切込隊長だとしたら、たこ焼きは懐刀といったところです」と小島氏は笑う。前に出ていないのに実は美味しいという、いい意味で期待を裏切るという戦略だ。

他にも、ある名店から特別に仕入れる「餃子」(6個480円)と「焼売」(4個400円)のほか、徳島名物「フィッシュカツ」(1枚380円)など、珍しさから会話のきっかけとなるようなメニューが揃う。ドリンクはビールが500円、9品が揃うサワーが400円均一と安価で単純明快。オペレーションの効率化にも貢献している。目標客単価3500円もクリアした。

全国に、海外に。どこにでもお店を開けるノウハウを

今後の店舗展開も視野に入れている。「順調に推移すれば、のれん分けのように『小島チューリップ』を2店舗目、3店舗目と増やしていきたい。開業にあたって考えてきたロジックを、これから営業するなかでさらにブラッシュアップし、全国各地にお店を作るのが夢です。2店舗目は東京で、3店舗目は大阪がいいな」自身を飽き性と表現しながらも、新たな挑戦に意欲をみせた小島氏。「ベースが世界的に広く食べられているチキン、味付けも外国の方に受けれられやすい照り焼き味に近いので、あわよくば海外展開もいけるのではないか」大胆に夢を語る姿に期待は高まるばかりだ。

店舗データ

店名 小島チューリップ(こじまチューリップ)
住所 東京都新宿区四谷1-20-1 岩井第2ビル 2F

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アクセス 四ツ谷駅から徒歩3分
電話 03-6380-6009
営業時間 ランチ【月~金】11:30〜15:00(LO14:30)、ディナー【月~土】18:00〜24:00(LO23:30)
定休日 日曜日
坪数客数 10.7坪 22席
客単価 3500円
オープン日 2018年10月22日
関連リンク 小島チューリップ(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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