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楽卒業生が「貮古玉一本堂」を開業。オシャレタウン二子玉川で異彩を放つ居酒屋、“ミスマッチ”で魅せる店づくりに注目

二子玉川駅から徒歩4分、地下1階に立地。おしゃれな店が多い中、異彩を放つ居酒屋として、近隣住民を中心にじわじわと人気上昇中
江戸の屋台をイメージした店内。お客の来店時には「当店は江戸がテーマなので、江戸の屋台で飲んでる気分で楽しんで」と元気に声掛けする。デザインはスタジオムーン出身デザイナーの秋本氏のA-SWITCH(東京都目黒区)
「タマ」と「カワ」と「スジ」が入った「江戸前シチュー」(680円)。写真は+150円の「一本堂トースト」付き。料理は「あたたかいものはあたたかく、冷たいものは冷たく」がモットー。ぐつぐつと煮えたぎる状態で提供
江戸前風の刺身の盛り合わせ。客席には、必ず氷の入った寿司箱を設置。ここに写真のように刺身を置いて、冷たいまま楽しめる仕様だ。「刺身は必ず食べていただきたい品。焼肉店の七輪と同じようなイメージで、氷の寿司箱を置けば、ほとんどのお客さまは刺身を注文します」(萩原氏)
オーダーメイドの半纏でキメるみなさん。写真左からスタッフの藤田快士氏、オーナーの萩原裕介氏、スタッフの佐々木雄介氏

複合施設の「二子玉川ライズ」を中心とした再開発が進み、近年、人気が急上昇している街、二子玉川。2月17日、二子玉川駅から徒歩4分の場所に、居酒屋「貮古玉一本堂(にこたまいっぽんどう)」が開業した。オーナーは、楽コーポレーション(東京都世田谷区、代表取締役:宇野隆史氏)の「汁べゑ」で活躍してきた萩原裕介氏だ。悪立地をもろともしない強い店づくりで数々のヒットを飛ばしてきた楽コーポレーションから、また一人、期待の卒業生が独立を果たした。

今から10年前、23歳のとき、楽コーポレーションの「汁べゑ」にお客として飲みに行った萩原氏。その活気や空気感に圧倒され、次の日には「ここで働きたい」と、店に電話をかけて入社。こうして萩原氏の居酒屋人生は始まった。「汁べゑ」で独立を目標に研鑽を積んできたが、「汁べゑ 町田店」の店長に就任した3年ほど前から、独立への気持ちが高まり、二子玉川にエリアを絞って物件探しを開始した。しかし人気のエリアとあり、物件探しは難航。それでも粘り強く探し続けた末に出合ったのが、地下1階の現物件だ。視認性の悪さに悩んだものの、「悪立地でも集客するパワーのある店づくり」という楽コーポレーションの精神で勝負したいと考え、物件を契約。開業に至った。

店のテーマは「江戸」。細い階段を下った先に広がるのは、江戸の屋台をイメージしたカウンターが目を引く、14.5坪の空間だ。料理のウリは、江戸前風の刺身。「冷蔵庫がなかった江戸時代、刺身を保存が利くように塩や酢で味付けするのが江戸前スタイル。醤油を付けなくてもおいしく食べられます。私自身も、せっかくの刺身に醤油をつけると醤油の味が前面に出てしまうのが好きではなくて。素材本来の味が楽しめるよう、手間をかけた刺身を用意しています」と萩原氏。江戸前風の刺身は「真鯛 昆布〆」「炙りしめ鯵」など6~7品がそろい、単品は各580円。6種類を盛り合わせた「一通り」(3000円)、その半分の3種類の「半通り」(1740円)も用意する。刺身には、醤油の代わりに、日本酒に昆布、梅干し、鰹節などの出汁を加えて自家製した調味料、煎り酒を添えて提供。「刺身以外にも、手羽先の唐揚げやイワシの塩焼きなどは昆布を使って仕込むなど、『旨みを生かす味付け』を意識しています」と萩原氏は話す。一方で「粋なりトンテキ」(880円)、「二子玉ネギもんじゃ」(780円)など、ジャンクでがっつりと食べられる品もそろえ、バリエーションに富んだラインアップだ。ドリンクには日本酒を日替わりで6~7品そろえ、グラス500円均一で提供。自家製のレモンサワー「3ヶ月熟成 恋する日々のレモンサワー」(530円)をはじめ、チューハイ、ビール、焼酎などをそろえる。

萩原氏が二子玉川での開業にこだわったのは、「ミスマッチ」で魅せる店を作りたかったからだ。イタリアンやカフェなど、しゃれた店が多い中、あえて街の雰囲気にミスマッチな、ド直球の居酒屋で勝負することで、存在感を放つのが萩原氏の狙い。さらに、江戸前風の刺身をはじめとした手間暇かけた料理を提供する一方で、店名やメニューなどの中には萩原氏なりのジョークが散りばめられているのも、また「ミスマッチ」として、店の魅力を高めている。

来店客からは狙い通り、「二子玉川には今までなかった店」として喜ばれ、さっそくリピーターも続出し、順調な滑り出しだ。年内には月商500万円を目標に、さらなる飛躍をめざす。「将来的にはオーナーの自分がいなくても回るような店の体制を確立して、若いスタッフにチャンスを与えられる店にしたい」と萩原氏は話す。かつて自身が楽コーポレーションで学んだように、居酒屋の楽しさ、独立へ挑戦する気持ちを、若い世代にも伝えていきたい意向だ。萩原氏がそう考えるのは、やはり、楽コーポレーション時代、社長の宇野氏をはじめ、たくさんの先輩から、多くを学んだ経験が大きく影響している。そのなかでもとくに、現在は東銀座で居酒屋「平成オペラ座」を経営する、ジョニーさんこと田村治嵩氏から、たくさんの学びを受けたと萩原氏は言う。「ジョニーさんからは多くの“居酒屋哲学”を学びました。とくに、『接客』について。わたしはお客さまとしゃべることが『接客』だと思っていました。でも、しゃべっている間は作業が止まり、他のお客さまに迷惑がかかる。そうではなくて、接客とは、料理やドリンクを使ってお客さまとコミュニケーションをすること。それがお客さまを楽しませる、本当の接客なんだとジョニーさんは教えてくれたんです」と萩原氏。

今後は3年以内にはもう1店舗の出店を目標としている。今回とは異なる業態にチャレンジしたい考えだ。最終的には3店舗程度を展開したいと萩原氏は意気込む。多くの飲食店がひしめきながらも、居酒屋の空白地帯だった二子玉川に登場した同店。異彩を放ちながらも、この地の居酒屋シーンを盛り上げる先駆者として、注目が高まる。

(取材=大関 愛美)

店舗データ

店名 貮古玉一本堂(にこたまいっぽんどう)
住所 東京都世田谷区玉川3-20-2 B1
アクセス 二子玉川駅から徒歩4分
電話 03-6431-0720
営業時間 17:00~24:00
定休日 無休
坪数客数 14.5坪30席
客単価 4000円
オープン日 2018年2月17日
関連リンク 貮古玉一本堂(FB)

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