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東京農業活性化ベンチャー企業が仕掛ける「CRAFT!KUNITA-CHIKA」。作り手の個性が光る地場の農産物とクラフトビールで国立を牽引する存在を目指す

国立駅から徒歩3分の「国立せきやビル」地下1階に立地。同ビル内にはスーパーなどが入居する
店内中央のオープンキッチンには14席のカウンターが囲む。カウンター上の棚の木材は、東京産の杉の木を使用し、ここでもさりげなく地産地消をアピールする
グラスには、同社の理念となっている「ファーストペンギン」のモチーフがあしらわれている
人気商品の「切りたて!生ハム・サラミの盛り合わせ」は「サン・ダニエーレ」「コッパ」「ミラノ」「ピカンテ」の4種類
エマリコくにたち代表取締役の菱沼勇介氏

(取材=大関 愛美)


「東京農業活性化ベンチャー」と称して東京多摩地区で生産された農産物の地産地消を目指し、直売所事業、飲食事業、卸事業を展開するエマリコくにたち(代表:菱沼勇介氏)。2012年5月には、同社の初飲食事業の店舗としてワインバル「くにたち村酒場」を開業。そして2017年7月8日、「くにたち村酒場」のすぐ隣に2店舗目となる「CRAFT!KUNITA-CHIKA(クラフト クニタチカ)」をオープンした。全国のクラフトビールと、地場の農産物を取り入れたビールに合うフードを提供する。

「くにたち村酒場」は、国立駅至近の大手スーパーなどが入居するビルに位置するが、その隣のスペースが空いたため、そこで新たな店舗を開業することにした菱沼氏。エマリコくにたちは、単に商品を流通させるだけのではなく、その商品が持つストーリーや生産者の想いなど、商品の背景を含めて流通させ、消費者へ届ける「背景流通業」を目指している。「各々のブリュワーが工夫を凝らし、理念を持ってつくられるクラフトビールが、同社の『背景流通業』とシンクロしたんです」と、菱沼氏はクラフトビールを店の軸として据えた理由を話す。隣の「くにたち村酒場」は女性客を意識したつくりであるのに対し、同店はビールをメインとすることで、30代~40代の男性をメインターゲットに設定。同社の店舗が隣接しながらも、それぞれの棲み分けを図った。

ビールは全11タップ。うち5タップは、全国各地のブリュワーによるクラフトビールを、季節替わりで提供。レギュラーとしては「くにたち村酒場」創業から付き合いのある「石川酒造」(東京・福生)のものを2タップ、さらに「COEDO(コエド)」「横浜ベイブルーイング」のもの計4タップを用意。さらに、クラフトビール以外にもサッポロのピルスナー2タップをラインアップする。このほか、ビールが苦手なお客も楽しめるようにと、ハウスワインを赤・白1品づつと、ボトルの「店主セレクトワイン」を4品、自家製サングリアを4品用意。「ビール以外のラインアップについてはどのくらい充実させるかは迷いどころでしたが、席数が52席と多いこともあり、ある程度、間口の広い品ぞろえにしました」と菱沼氏。このほか、クラフトビールを使用したビールカクテルも3品用意。クラフトビールをあまり飲まない人に向けて入口商品の位置づけだ。

フードの看板商品は「切りたて!生ハム・サラミの盛り合わせ」(1400円、ハーフは1150円)で、約6割のお客がオーダーするという。レギュラーメニュー約30品と、旬の素材を使った季節替わりのメニューを約4品用意。いずれも、地場の農産物を紹介し、地産地消に努めたいと、エマリコくにたちで扱う農産物を多く取り入れている。

店内は、ビールの黄金色が映えるように、テーブルの木の板は黒く塗装を施した。全体的に暖色を控え、男性的なイメージに仕上げた空間だ。オープンキッチンを囲むカウンターは14席。「テーブル席の方が38席と数は多くはありますが、ビアパブをイメージした当店は、カウンターが主役です」と菱沼氏。1杯だけさっと利用する一人客も多いという。

開業前にはクラウドファンディングを実施。その狙いは、資金調達というよりも事前プロモーション効果にある。投資額の同額かそれ以上の前売り販売券をリターンとし、利益はほぼない。店のコンセプトや企業理念をアピールし、約90名から資金を獲得することに成功した。「オープン前にすでに90名のファンいう状態からスタートできました」と菱沼氏。そういった施策の効果があってか、オープン直後にもかかわらず連日盛況で、平日でも満席になることも少なくない。

今後は、国立の街でドミナント展開していきたいと意気込む菱沼氏。企業としても、次なる店舗展開を構想中で、赤坂見附で物件を取得し、現在はコンセプトを策定中だ。どのような業態にせよ、多摩地区の農産物を紹介し、地産地消を促進する役目を担う店にしたい考えだ。
「地表から水面に一番に飛び込む『ファーストペンギン』のごとく、私たちは国立に新しい風を吹かせる存在でありたい。『クラフト クニタチカ』は、国立に勢いを与える店を目指します」と菱沼氏。それぞれの農産物が持つストーリーを話す菱沼氏からは、その農作物への愛や、生産者へのリスペクトがあふれ出ている。農産物の持つストーリーの伝道師として、また国立の街を牽引する存在として、今後も目が離せない。

店舗データ

店名 CRAFT!KUNITA-CHIKA(クラフト クニタチカ)
住所 東京都国立市中1-9-30 地下1階

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アクセス JR国立駅から徒歩3分
電話 042-843-0607
営業時間 【火~木、土、日】18:00-23:30(23:00L.O.) 【金】18:00-24:00(23:30L.O.)
定休日 月曜日
坪数客数 27坪52席
客単価 3600円
運営会社 株式会社エマリコくにたち
オープン日 2017年7月8日
関連リンク CRAFT!KUNITA-CHIKA(FB)
関連リンク エマリコくにたち
関連リンク くにたち村酒場(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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