2、3ヶ月先まで予約が取れないほどの人気日本酒専門店「新橋 酛(もと)」(ファースト商事、東京都中野区、代表取締役 平井克彦氏)が、居を京橋に移して新たに「京橋 酛(もと)」として6月9日オープンした。コンセプトは「常時60種類を超える日本酒を、旬の食材を使った料理と共に味わい楽しむ場」という。日本酒担当の店主・鈴木隆之氏と料理長・上野智紀氏の息のあった二人が創り出す絶妙なテイストマッチングは、広げた店の規模と共にさらにパワーアップしている。
6年前にオープンした「新橋 酛」は、わずか10席の椅子が重なるような狭小空間だったが、鈴木氏の日本酒センスの高さで瞬く間に話題となった。そして大阪、京都で本格和食で修行した上野氏が料理人として厨房に立つようになり、さらに評判は上がり、2ヶ月、3ヶ月先まで予約の取れない店へ。そんな状況の中で、二人は、もっとゆったりと一人でも多くの人に日本酒と料理のマッチングを楽しんでほしいと1年前から移転先を探していたという。新橋から離れすぎずにいて、あえて華やかな銀座を避け、新たに選んだのが京橋だった。新しいビルの建て替えなどでインテリジェントオフィス化が進む一方で、昭和の時代が路地々々に息づく落ち着いた大人の街である。そんなビルとビルの間を抜ける、昔ながらの風情を残す通称“京橋猫ちゃん通り”と呼ばれる路地に「京橋 酛」は店を構えた。
シックな鉄錆仕上げの扉を開けると、シンプルモダンな和のデザインの空間が広がる。ゆったりと楽しめるようにと間を開け9席の椅子が置かれたカウンターは重厚感のある一枚板。カウンター向こうのオープンキッチンは、炭焼きコンロなどの基本設備のほかは、調理器具や器までも全てを収納できる機能性に優れたシャープな造りで、凛とした空気を醸している。カウンター越しの会話や料理をする姿も美味しさのもてなしと考える上野氏の想いを形にしているのだ。
そんな厨房から提供される料理は基本7000円(6品位)と9000円(9〜10品)のおまかせスタイル。「その日入荷する旬の食材で、日本酒とのマッチングを楽しめる一品となることを意識している」というように、小さい汁碗と季節の鮮魚の握り寿しから始まる料理に日本酒を飲むための心遣いが反映されている。以前の店舗では不可能であった炭火焼料理とオーブン料理も新たに加えお腹もしっかりと満足させる。アラカルト料理はないが、遅い時間帯など、その状況に合わせた対応もしてくれるという。
カウンター席の後ろ一面に設置された冷蔵庫にずらりと並ぶ日本酒。折々の季節に向けた旬の造りなどまで常時約60種類を揃える日本酒は冷たいタイプであればグラス600円〜800円(70ml)。燗酒であれば一合提供で900円〜1000円となる。自分で選ぶのもいいが、鈴木氏との会話を楽しみながらおまかせするのが同店を楽しむコツである。一人一人の嗜好とその日の料理に合わせた鈴木氏の絶妙なマッチングに日本酒の魅力を実感する。「一品の料理にタイプの異なる日本酒2、3種類で飲み比べるのもまた、日本酒を楽しむのも面白いですね」と楽しみ方を教えてくれる。それぞれのペースでゆっくり味わい過ごして欲しいとのことから滞在時間の制限も設けていない。その姿勢と優れたクオリティが予約必須の店となるゆえんである。
「日本酒ファンばかりでなく日本酒初心者や飲まず嫌いだった人に飲んでもらう入り口の店になれれば」という鈴木氏。今後は日本を訪れる外国人にも日本酒の体験と魅力を知って欲しく、海外から予約のできるサイトへ登録するなど、2020年のオリンピックに向け新たなスタートを切っている。また、6席の完全個室もあり、ビジネス接待など幅広いニーズに向けた展開を目指している。
店舗データ
店名 | 京橋 酛(もと) |
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住所 | 東京都中央区京橋2-6-13 |
アクセス | 東京メトロ銀座線 京橋駅6番出口より徒歩2分 都営線浅草線 室町駅A5番出口より徒歩2分 |
電話 | 03-3567-7888 |
営業時間 | 17:00〜23:30 |
定休日 | 日休・祝(不定休) |
坪数客数 | 13坪・15席(カウンター9席/個室6席) |
客単価 | 12000円 |
運営会社 | ファースト商事 |
関連リンク | 京橋 酛(HP) |
関連リンク | ファースト商事(HP) |