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“ご当地酒場”で勢いにのる合掌智宏氏の新業態「高知県芸西村 土佐鴨 日本橋」が、5月30日オープン

雑居ビルの4階に入る同店。看板も出さしておらず、扉に「高知県芸西村 土佐鴨」の文字が入るのみだ
「家の台所」をイメージ店内は、親しい友人宅を訪れたような落ち着ける雰囲気。カウンターとキッチンをフラットにし、距離感をより近くしている
「土佐鴨焼き」は、山椒、実山椒、粉山椒など、5種類の薬味とともに供され、味わいの違いを楽しむことができる
「土佐鴨しゃぶ」は、自家製のクルミダレと柑橘系タレ2種類で。具材のおかわりメニュー「おかわり鴨セット」(2000円)、「おかわり野菜セット」(600円)も用意する
fun function代表取締役 合掌智宏氏(上段右)、同店店長の大場隆行氏(前段左)とスタッフのみなさん

2010年、日本橋に“ご当地酒場”第一号店となる「北海道八雲町 日本橋店」を出店。特定の地域の食材に特化した新業態を創造し、飲食店に新たな意義をもたせたfun function(ファンファンクション、東京都中央区)代表の合掌智宏氏。次世代を担う注目の経営者だ。そんな彼の新店は、鴨料理に特化した「高知県芸西村 土佐鴨 日本橋」だ。日本橋駅から徒歩3分ほどの場所にある雑居ビルの4階に、5月30日オープンした。「オフィス街の日本橋には、居酒屋が多く、“知る人ぞ知る隠れた名店”が、あまりないんです。このエリアで色気のある隠れ家をやりたいと思い、今回は空中階に出店しました」と話す。

同店の最大の魅力は、希少な鴨の内蔵を提供している点だろう。2年ほど前から、鴨業態を考えていたという合掌氏。今回の出店は、ある生産者との出会いがきっかけだったという。「知り合いのお店で食べた鴨の内蔵が、すごくおいしくて、鴨の内蔵までも提供できる店をやりたいとずっと思っていました。ですが、都内であまり出しているお店がない。なぜかと調べてみると、鴨の内蔵は、丁寧に捌かないと大腸が避けてしまって、食中毒リスクが高まってしまう、ということが分かったんです。それでどうしようかと考えていた時に、たまたま高知の生産者と出会ったんです」。

高知県芸西村—。1954年、3つの村が合併してできた県南東部にある小さな村だ。南には、太陽が燦々とふりそそぐ太平洋、北は緑深い山々が連なる自然豊かな土地。人口4000人ほどのこの限界集落に、驚きの養鶏家がいるという。「おいしい鴨肉の産地は、全国各地にありますが、働いているのはほとんどが外国人か高齢者。でも、私が出会った若松さんは、特別でした。5〜6年前から、高知のブランド地鶏“土佐ジロー”を育てていらっしゃいますが、そこでは20代の地元の若者がいきいきと働いていて、鶏舎もとても清潔。捌き方も内蔵を傷つけない独自の方法なので、都内への流通が可能になりました」。

高知県芸西村から直送される新鮮な鴨肉は、内蔵も含む希少な部位がメニューに並ぶ。鴨といえば胸部分の「ロース」(500円)が最も一般的だが、同店ではそれに加えて通常の流通にはのらない「ササミ」「砂肝」「レバー」「ハツ」「セセリ」「皮」「ぼんじり」(各400円)「もも」(500円)と、計9種類の焼きが味わえる。希少部位の「ハラミ」(500円)が入ることもある。四万十川の清流に育まれた香り高い実山椒や柚子ポン酢など、5つの薬味とともに供され、炙った鴨肉の旨味を引き立ててくれる。焼きのほかにも「土佐鴨しゃぶ<〆麺付>」(一人前・2600円)や、「鴨ぼんじり揚げ」(600円)、「土佐鴨ロースの藁焼き」(2200円)など、バラエティに富んだ鴨料理を楽しめる。
また、日替わりの「おすすめメニュー」は、高知県産の食材をふんだんに取り入れたおばんざいが、毎日数種類用意されている。

特定の地域の食材をフィーチャーする“ご当地酒場”という業態には、自治体の協力が必要だと語る合掌氏。自治体には、その地域のすべての生産者の情報が集約されているため、言うなれば“現地バイヤー”の役割を果たしてくれているという。しかし、公平性を保たなければならない行政側からの紹介で、客観的にいい生産者、いい食材に出会えるのだろうか。「地域にもよりますが、東京にあるうちの店に『最高のものを出したい』という思いから、フィルターを通さずにご紹介いただけています。うちの店で食材を卸すために、これまで以上に品質を上げようと取り組んでくださる生産者の方がいらっしゃるということがうれしいですね」と語る。彼自身、食材や一次産業についての知識を得るため、2011年から5年間、毎週末を利用して農業研修に参加していたという。その農業の経験を通じて、生産者と話し、現場を見て、食材の良し悪しを判断できる力を得たそうだ。

現在18店舗を運営するfun function。シンガポールへの出店や、他社と組んで新業態に踏み出すなど、新しいことに挑戦を続ける合掌氏の次なるプロジェクトは、“中食”だという。「茨城県つくば市にある農産物直売所『みずほの村市場』に加工場を作り、そこに集まる高品質の野菜で作るおばんざいの対面販売と、イートインをする予定です」。この直売所は、“価格競争から品質競争へ”を掲げ、農業法人みずほが1990年設立。最高の商品だけを集めており、その分価格も2〜3割高い。が、日本一の売上を誇るという。しかも、つくばエクスプレス沿線は、今人口増加率が最も高い成長エリアだ。「子どもに安心して食べさせられる手作りのおばんざいを販売していきたいです」と語る合掌氏。彼の一歩一歩が、生産者と、地域、そして私たちを「食」でつなげ、新たなマーケットを切り拓いていくことだろう。

(取材=望月 みかこ)

店舗データ

店名 高知県芸西村 土佐鴨 日本橋
住所 東京都中央区日本橋2-2-4 せっつビル4F
アクセス 東京メトロ銀座線・東西線、都営地下鉄浅草線 日本橋駅 から徒歩3分
電話 03-6262-5020
営業時間 ランチ 11:30〜14:00
ディナー 17:00〜23:30
定休日 日祝日
坪数客数 19坪・40席(テラス席あり)
客単価 5500円
運営会社 fun function(ファンファンクション)
関連リンク 高知県芸西村 土佐鴨 日本橋(FB)
関連リンク fun function(HP)
関連ページ ご当地酒場 北海道八雲町 浜松町店
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