日本の居酒屋文化を今に生かす、をコンセプトにしたネオ大衆酒場「酒呑気 まるこ」が8月24日に渋谷マークシティ裏坂上にオープンした。目の前で豪快にカツオを藁の火で炙る藁焼きを看板料理にしている吉祥寺「呑・喰・燃 じぃま 」と高円寺「CRAZY×COENZY まんまじぃま」を展開するコジマ笑店(東京都武蔵野市、代表取締役 小嶋崇嗣氏)の3店舗目となる。土佐から直接届く一本釣りのカツオをはじめとした鮮魚、三鷹の畑からの野菜。そして、厳選した白米と自家製の調味料。当たり前に美味しい料理のために、一貫した食材へのこだわりが企業テーマだ。
ターミナル渋谷駅から道玄坂上へと繋がる複合施設マークシティ。その裏に沿うような坂道の上に建つ複合ビルの一番奥に店を構える。軒先に下がる縄のれんはまさに古典酒場の佇まいだ。ガラリ戸を開ければ、横長に構えたコの字カウンターが迎えてくれる同店。カウンターの向こうにはすぐに出せる盛り切り惣菜を並べたショーケースが珍しく、お客の目を引く。壁には料理名を書いた短冊がびっしりと下がり、ときには風にひらひらとたなびく空間は、どこかウキウキとした楽しげな雰囲気を放っている。それは、代表の小嶋氏がこだわった典型的な古典酒場の模様だ。かつて、酒場の典型的な業態スタイルでもあった大衆酒場は、優しい味の手作りの惣菜で酒を楽しみながら1日の疲れを癒す場であった。小嶋氏は、今の時代、これからの時代に古典酒場に宿る日本の居酒屋文化の素晴らしさを継承していきたいという想いを形にした。それが同店である。
酒場の定番、コの字型のカウンターはその多くが一人客のためにあり、また手早い接客のために機能的にもなっている。そのような同店のコの字カウンターの内側は、瓶ビールや炭酸類の瓶を冷水のなかにびっしりと漬けこんだ、通称“どぶつけ”と呼ばれる水槽となっている。しかも、客自らが選び、取り出せるセルフスタイルのユニークな仕掛けを持たせ、新鮮な大衆酒場の形に仕上げている。そこには、仕事帰り気軽に立寄り、料理をアテに気負いなく一人飲みを楽しみ、ご飯で〆るという、日常使いための酒場の極意が潜んでいるのだ。
提供する料理は、同社の看板料理土佐の新鮮カツオの「カツオの塩タタキ」(650円)をはじめ8種類前後を揃えた本日のお刺身は全て500円だ。半熟玉子をのせ自家製マヨネーズで和えた「カツオツナの和ポテトサラダ」(400円)や「煮穴子」(650円〜)、自家製ドレッシングが人気の「生野菜」(400円)。そして、定番「アジフライ」(400円)に「豆腐」(100円)、「玉子」(100円)を追加出来る「あら煮」(250円)や「煮こごり」(400円)といった料理もまた、昔から継承される居酒屋文化の味を継承している。〆は、こだわりの米をブレンドし土鍋で炊く「おいしい白米」(一合400円、二合700円)だ。
ドリンクは、カウンターに置かれた360mlの「宝焼酎ボトル」(900円)を「炭酸水、バイス」(各150円)などの炭酸類や「ウーロン茶」(200円)などをどうぶつけの中から割ものを選び、自分スタイルで楽しめる酎ハイがおすすめ。ほかに「瓶ビール大」(550円)、「ホッピー白・黒」(中250円・外200円)などが浸かっている。氷、水は無料と、大衆酒場らしくコストパフォーマンス性にも優れている。さらに、店名「まるこ」が小嶋氏のルーツでもある北海道で100年続いた米屋の屋号に由来するというように、米にこだわる同店らしくグラス450円、一合750円と一律の価格で提供する30種類以上の日本酒を揃える。
吉祥寺に1号店をオープンしてもうすぐ4年目を迎える同社、2014年11月19日に株式会社コジマ笑店を創立し、今回、念願の渋谷に出店を果たした。今後は中央線沿線、渋谷周辺で魚文化を広げていきたいと考える。また、手作りするマヨネーズなど自家製調味料の通信販売も視野にいれているという。日本の居酒屋文化を伝え残すために熱く頑張る小嶋氏に期待である。
店舗データ
店名 | 酒呑気 まるこ |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂1-18-4 和田ビル102 |
アクセス | JR 渋谷駅より徒歩4分 京王井の頭線 渋谷駅より2分 |
電話 | 03-5784-1626 |
営業時間 | 16:00〜23:30 |
定休日 | 無 |
坪数客数 | 13坪 41席(内カウンター23席・テーブル12席・立ち席6席) |
客単価 | 3200円 |
運営会社 | 株式会社コジマ笑店 |
関連リンク | コジマ笑店(HP) |
関連ページ | まんまじぃま(記事) |