白とブルーの縞模様のキャノピー。白い壁に映える鮮やかなブルーのエントランスと窓枠、可愛らしい模様のタイルの「trattoria Macco」。まるで南欧の街にいるかのような店構えが、庶民的な雰囲気の神田の通りの中で美味しいオーラーを放っている。 同店は居酒屋や大衆酒場の多い神田で、肉を存分に味わえるイタリア料理店というコンセプトのもと、オーナーの岡田氏(セレソン)が立ち上げた店である。当時、おしゃれで人気あるレストランを数多く展開していた飲食グループWDIの卒業生でもある岡田氏が独立し、神田に1号店として立ち上げたのがホルモン業態「塩ホルモン好ちゃん」だった。この店のキッチンを守るのは、WDI時代の仲間のイタリアンのシェフであり、なんとホルモン焼きは初めてという、かなり大胆で思いきったスタートであった。しかし、専門外であったことが幸いし、看板メニューの塩ホルモンを生み、イタリアンテイストを反映した料理が、他ホルモン店とは異なるテイストとなり、予約なしには席が取れない人気となっている。独立から8年、岡田氏がオープンする店舗は「trattoria Macco」で7店舗目となる。 全店統一のコンセプトは、ダイナミックに食材そのものの味わいを実感できること。唯一、静岡おでんが看板MDの「情熱厨房 彦まる」が例外と言え、他は、どの店も美味しい肉料理を専門とした業態となっている。岡田氏は、千駄ヶ谷「trattoria Tanta Bocca」から肉イタリアン業態を展開しているが、やはりどの店も予約必須の人気店として成長している。それは、いつも満席の店を作りたいと考える岡田氏、ハードコストを下げ、その分原価に還元する努力を行なっているからだ。「今のお客様は物の価格を知っていますから」と岡田氏は強調する。このたび神田にお目見えした「trattoria Macco」も他店同様、メインはボリューミーで美味しい肉、また本場に引けを取らないパスタもがっつり系で、しかもリーズナブルに味わえるのがうれしいところ。 自慢料理は国産A5和牛フィレ、250gもあるグリル(2400円)は牛肉の美味しさを味わって欲しいと、シンプルに仕上げている。他、地鶏のソテー300g(1500円)、もち豚グリル250g(2000円)。肉の前菜には和牛100%のサシミハンバーグ(1400円)、豚タンのグリル(600円)などがある。肉料理のサイドには、野菜や鮮魚の料理をしっかりラインナップ。チーズの前菜では、カニと帆立の濃厚クリームグラタン(1200円)をはじめ、春菊爆弾サラダ(800円)、丸ごとブロコッリーのにんにくソテー(900円)などが並ぶ。パスタはどれもシェフ自慢であるが、中でも岡田氏がどこにも負けないと、お勧めが和牛のボロネーゼ(1300円)。イタリア、ボローニャ出身のシェフ下で修行した本場仕込みだからという。さらに同店には、名物の自家製パン「ポップオーバー」(300円)をコペルトとして用意。厚めのシュークリームの皮といったフワフワのパンは常に焼きたてで香ばしく、食感も良く付け合わせのホイップバターが絶妙にマッチ、後を引くこと請け合いだ。 ドリンクには、当然ながらガッツリ料理と相性の良い厳選されたワインが並ぶ。2500円、3500円、4500円というカジュアルな均一価格でカテゴライズされているリストから選べるスタイルで、テイストもスッキリ系、重系と、表現もシンプルな分り易さを心掛けている。 壁面の随所を飾るヨーロッパのおしゃれで可愛いタイルに、ブルーと白のチェックのクロスがかかるゆったりした大きめのテーブルを配した店内は、居心地の良さ満点、時間を忘れてワインとボリューム満点な料理が楽しめる。そこには岡田氏の「ワサワサでなく、落ち着いてゆっくりと食事を楽しんで欲しい」というこだわりが強く反映されているからだろう。 1店舗、1店舗、仲間となるスタッフとのイイ関係を築き、楽しく働くことを大切に、当たり前のことをちゃんとすることに時間をかけ“イイ店作り”を心掛けるという岡田氏。なぜなら、お客様は店に入った瞬間、“イイ店”のオーラを感じ取るからという。そんな岡田氏の8店舗目は、週1回は通えるようなイイ店となるようだ。
店舗データ
店名 | trattoria Macco |
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住所 | 東京都千代田区内神田1-16-12 青木ビル1F |
アクセス | JR神田駅から徒歩5分 |
電話 | 03-3518-9662 |
営業時間 | ランチ11:30〜14:30(L.O.) ディナー17:00〜22:30(L.O.) |
定休日 | 日・祝 |
坪数客数 | 15坪 30席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社セレソン |
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