10月5日、中目黒の飲食ビル、グリーンプラザ3階に炭火焼ホルモン「まんてん」がオープンした。代表の阿部亮氏は新宿三丁目の人気ホルモン焼肉店「新宿ホルモン」出身。今年5月に独立を目指し、経営するエムファクトリーを退職。同社では、立ち飲みブームに火を付けた新業態「新宿再生酒場」のチェーン展開を最前線で指揮してきた。退職後5ヶ月間の準備期間を経て、阿部氏の原点である「新宿ホルモン」と同じ13坪のホルモン店を中目黒にオープンさせた。
阿部氏が店長を務めていた「新宿ホルモン」は当時、13坪で1000万円の売上げをたたき出す超繁盛店として飲食業界誌で取り上げられるほど人気を博していた。商品力はもちろんのこと、「飲食店のホールは舞台であり、毎日がディナーショーの場である」と語る阿部氏のマネジメント力が、1日予約3回転というあり得ない繁盛ぶりを支えていたことは間違いないようだ。
大学卒業後、23歳で東京トヨペットに入社、「自分を買ってもらう営業方法」を好んだ阿部氏。「飲むこと」は単に好きなことだったが、いつしか自分の店を持ちたいと考えるようになる。目標に近づくべく、知人のツテで「新宿ホルモン」で働き始めた。入社当時の計画通り、独立を目指して退職したのが今年の5月。5ヶ月間の準備期間を経て、31歳にして自分の店を持つに至った。
「まんてん」のウリは40種類以上が揃うホルモンの品揃え。「みなさんがまだ知らない種類豊富なホルモンの醍醐味を知ってもらいたい」と語る阿部氏。営業時間前に毎日自ら芝浦の食肉センターに出かけ、自分の目で確かめながら、ホルモンを仕入れる。店では営業が始まる直前まで、新宿で培った各部位に最適な下処理を施し、見た目にもきれいな「まんてん」のホルモンができ上がる。阿部氏がすすめる商品は、普段ならグレーのはずのセンマイを下処理し、白いセンマイ刺として提供する「白センマイ」(500円)や定番の「ホルモン盛り合わせ五種」(1500円)のほか、オリジナルの麺、鶏ガラでとった特製スープを用いた「冷麺」(700円)など。客単価は3500円を想定している。
阿部氏は言う。「まずお客さんに提供する商品に惚れ込み、それを全力投球でお客さんに提供するだけ」。中目黒には「知る人ぞ知る店」や「キャラが濃い店」など、独特の個性を発揮する飲食店が少なくない。しかし、「まんてん」が投げる球は、あくまで直球。新鮮なホルモンに丁寧な下ごしらえをして提供し、「元気を与えるサービス」(阿部氏)に徹する。。ストレートな価値は、中目黒にどのような感動を与えるのか。注目したい。
店舗データ
店名 | まんてん |
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住所 | 東京都目黒区上目黒3-1-4 グリーンプラザ4F |
電話 | 03-3760-4129 |
営業時間 | 夜 17:00〜26:00(25:30LO) |
定休日 | 日・祝 |
坪数客数 | 13坪 24席 |