coupang(クーパン)はアメリカで上場しているフォーチュン200企業である。去年時点で、韓国のウォンになるが、45兆ウォン(4兆5千億円)の売上高になり、従業員数もグローバルで9万5千人 となっている。現在、14地域で運営している。
韓国の統計庁の資料によると、オンラインデリバリー市場の規模が2022年に31兆ウォン、23年には32兆ウォンで、コロナが明けた24年は37兆ウォンと顕著に成長している。コロナが明けたらフードデリバリー市場は縮小するのではないかといった予想とは違って、利用頻度が上がっている 。
また韓国のデリバリー市場と比べると、日本では人口は韓国の倍以上であるにも関わらず、大手4社のデリバリーアプリ使用人口(推定)が640万人、使用比率は9.26%しか利用せず、韓国の大手3社のデリバリー使用人口(推定)2950万人、使用比率74.58%と比較してもまだまだ成長する伸び代があると考えられる。
coupang(クーパン)はこういう可能性からまだ成長できる余地が十分あると判断し、日本市場への進出を決定したという。
韓国での凡そ75%と言う高い利用率に対しRocket Nowは比較的に低い価格について語っている。韓国では配達料、手数料無料で注文することができる。
Rocket Nowはこのように高い価格構造となってしまっている市場を、配達料、サービス料無料と言う長所を通じて 、日本のデリバリーは高くて使いたくないという日本の消費者の不満を解消しようとしているのだ。
もちろん商品価格についてはRocket Nowが決めることはできず、店舗に決めてもらうことになるが、配送料、サービス料がなくなるだけでもユーザーに取ってはハードルが下がることになる。
それに加えて天候によって配達料が大きく変わるところも解決すべき問題の一つである。天気が良いと配達料は50円だけど、天気が悪いと850円まで上がってしまうなど、これは店舗にとっても良いことではないと思える。
天気の悪い日はデリバリーで売上を上げたいと思う店主が多いが、天気が悪いからといって送料が上がってしまうとデリバリーそのものをやめてしまう店舗もあると思える。しかし、韓国では需要によって変わる配達料をそのまま店舗に適用するのではなく固定配達料を策定し、店舗に取ってより安定的な配達運営を可能にさせている。Rocket Nowはこういった部分を補強し店舗に役立ちたいという念願を明かした。
お話を聞いたのは韓国No.1バーガー&チキン「マムズタッチ」。渋谷の一号店は1年間で累計70万人の来店を記録した。
Rocket nowを導入した理由は何ですか?
様々なチャンネルでマムズタッチを利用できるようにするため、販売チャンネルを拡張しました。Rocket Nowは配達料・サービス料が無料なので、早い段階で多くのお客様に利用されると予想されましたが、実際にマムズタッチの配達売上においてRocket Nowが重要な部分を占めています。
アプリを使用してみた感想はいかがですか?
まず、配達料とサービス料が無料なので、多くのお客様が利用し、繰り返し(リピート) 購入するお客様が多いようです。そして、天候が悪くてもライダーの確保がしっかりできているので、配達が迅速に行われています。問題がある時には担当スタッフやコールセンターの対応も迅速で、問題解決にも真撃に対応してくれるので、ホール営業が 忙しい状況でもRocket Nowを通じて無理なく配達の売上を拡大しています。
今後Rocket Nowに求めることは?
地域拡大が迅速に進み、マムズタッチの新規店舗もRocket Nowと共に成長できることを願っています。
【記事続き】
ロケットナウの配達時間は午前8時から午前3時までである。ロケットナウは顧客と約束した予定配達時間を守るために、さまざまな努力を傾けている。
例えば、地域の配達時間をモニタリングし、配達員が必要な場合には能動的に供給を増やすアクションを取ったり、気象状況や交通状況などのさまざまな変数を積極的に確認して需要に応じた供給を提供している。現在は、渋谷区、新宿区、港区での展開をしている。
加盟しているレストランが少なかったり、ドライバーの数が足りないと、顧客経験の低下につながるため、ロケットナウはドライバーを集めて、レストランを集めてと言った順番を守ってエリアを順次拡大していく予定だと語った。
この日チョイスしたのは店舗と同価格でハンバーガーを提供しているというバーガーキング。果たして本当に店舗と同料金なのか。
まずこちらがRocket Nowの価格。一番上のチーズクリーミーメキシカン・アボカドワッパーセットを比較してみたいと思う。
Rocket Now 1,270円
続いてこちらがバーガーキングのオフィシャルホームページでの価格。
オフィシャルホームページ 1,270円
本当だ!同一価格!
疑っていたわけではないのだが(笑)、価格はRocket Nowと店舗価格は同一。そのせいか、確かにユーザーとして実際オーダーしてみようとなった際に「価格が高い」と言った心理的ハードルは下がったように感じる。
そしてさらにユーザーに朗報が!
Rocket Nowに登録すると合計で
3,000円のクーポン割引
がついてくるのだ!これはすごい。
早速、Rocket Nowからクーポンを利用してオーダーしてみることに。ハンバーガー2つとチリチーズフライ、スモーキーチキンと、かなりわんぱくな注文をしてみる。
すると・・・
なんとお会計は100円!!
お得すぎる!(笑)
アプリの使い勝手はというと、UIも見やすくてとても注文しやすい印象。ドライバーのマッチ時間はというとわずか10秒ほどと、ドライバーもしっかり確保できていることがわかった。
ランチのピークタイムの注文だったため、30分ほどしてハンバーガー到着。
美味しくいただいた。なんだかとってもお得な気分となったのだった(笑)。
まとめ
コロナ禍をきっかけに日本でもデリバリーアプリが広く普及しました。今回、デリバリー大国といっても過言ではない韓国のIT大手企業の参入は日本のデリバリー市場においても大きなターニングポイントとなることでしょう。また飲食店の新しい経営の形態としてデリバリーを取り入れていくことは未来の飲食店経営へとつながることかと思います。配送料、サービス料を無料にすることで店舗側、ユーザー側に大きなメリットのあるRocket Nowの今後の展開に注目していきたいと思います。(記事・検証:大山 正)