三ツ井創太郎
株式会社スリーウェルマネジメント代表
一般社団法人日本フードビジネス経営協会 理事長
詳細プロフィールは本文文末にて。
今回の講座はこちらより動画講座をご覧頂けます
皆さんこんにちは。飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井創太郎です。今回は第一回という事で経営計画書の策定に関してお話をさせて頂きます。突然ですが皆さんの会社では経営計画書は作られていますか?
「作ろうと思っているが、なかなか思うように進まなくて・・・」という方は多いのではないでしょうか?例えばインターネット書籍通販サイトのamazonで「経営計画」と検索します。すると1万件以上の書籍がヒットします。実際に本の目次をめくってみると
1.経営理念
2.外部環境分析
3.内部環境分析
4.SWOT分析
5.課題の整理
6.人事戦略
7.営業戦略
8.財務戦略
etc・・・
なんだかややこしいですね。せっかく経営計画書をつくる気になっても専門書を手にして挫折してしまう方が多いのが実情です。ですので今回の講座ではできる限り簡単に経営計画書の作り方に関してお話をさせて頂ければと思います。
まず経営計画の基本的な概念を下記に図にさせて頂きました。
手順としては、まず「①あるべき姿=目標」を定めたら、次は②「自店の現状分析」をします。この①と②のギャップが「③経営課題」となります。この経営課題の解決策をヒトの課題、モノの課題、カネの課題で切り分けて考えいきます。さらにこれを書面にまとめた物が「経営計画書」になるというイメージです。どうでしょう簡単でしょう?
「あるべき姿」とは言葉の通り、「将来こうなっていたい!!!」という目標です。一般的には「3年後に○○店舗を出店」とか「5年後に海外進出」とか「1店舗売上○○円達成」などです。
現状の分析~経営課題の解決策
そして次に現状分析~経営課題の解決策=アクションプランを策定していきます。経営計画書を作成する際には、下記のようなシートを使うと作りやすいかと思います。
このシートは私が考案させて頂きました、とっても簡単に経営計画書が作成できるフォーマットです。
①経営ビジョン
中期計画では2~3年以内に達成したい目標を設定します。1年以内の計画を短期計画、3~5年を長期計画と言います。
②数値計画
①の経営ビジョンで設定した目標を数値レベルに落とし込んでいきます。この場合ですと、3年以内にプラス5店舗を実現する為のプロセスを設定していきます。つまり1年で2店舗出店していく計画です。店舗が増えるという事はそれに伴って売上と利益とが増えます。一方で必要資金と人材の獲得をどのように行っていくかという事も考えていかなくてはなりません。
③アクションプラン
①②の目標を達成する為に「人」「物」「金」面での現状の課題と課
題解決に向けた解決策=アクションプランを決めていきます。②の数値計画を立てた段階で多くの経営者の方は
「えっ??こんなに借入をしないといけないの・・・」
「毎年3人ペースで社員を採用しないといけないの・・・」
と困惑されます。でもこれが現実です。この現実を知る為にも②の数値計画はとても大切です。想いだけでしたら①の経営ビジョンで十分です。しかし、確実に経営ビジョンを実現していこうと思ったら現実を直視した上で対策を考えていかなくてはなりません。
もし対策を講じる事ができないようでしたら①の経営ビジョン自体を見直す必要性があります。「絵に描いた餅」では意味がありません。
それでも
「今の現状の経営状態ではこれ以上借入ができない・・・」
「毎年3名の新規社員の採用は現実的ではない・・・」
このような場合は「3年以内にプラス5店舗の出店を実現する」事は絶対不可能なのか・・・・答えはノーです。考え方を切り替える事によって達成できる場合もあります。
例えばここに「社員独立制度」や「フランチャイズ化」という考え方を入れてみてはどうでしょうか?
自社の経営資源(人・物・金)だけではなく、仲間(社員独立)やパートナー(フランチャイズ)の経営資源を活用して出店するという方法もあります。その場合、経営ビジョンは次のように修正されます。
「3年以内にグループでプラス5店舗の出店を実現する」
「社員独立制度」についての詳細に関しては、また改めて詳しくお話しをさせて頂きます。
まずはお店や会社の未来をしっかりと定め、その未来に向かう為に仲間達と一丸となって経営課題を解決していくというストーリーを創ってみて下さい。
そしてそのストーリーをしっかりとスタッフ達に伝え共有していく事が重要です。
こうしてシート等で整理した経営計画に経営理念や社長の想い、店舗別の予算、アクションプランの詳細などを付け足していけば立派な「経営計画書」の出来上がりです。
もちろん先ほどの経営計画策定シート1枚でも、それは立派な経営計画書となります。
ぜひ皆様も自社なりの「経営計画書」づくりにチャンレジしてみて下さい。
今回の動画講座はこちらよりご覧頂けます。
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★三ツ井創太郎プロフィール
株式会社スリーウェルマネジメント代表
一般社団法人日本フードビジネス経営協会 理事長
1980年、アパレル業を営む父と老舗呉服店の娘である母の長男として神奈川県横浜市で産まれる。高校三年の時にバブル経済の崩壊に伴い家業が倒産し家を追われる。大学時代は昼は、寿司店の板場でアルバイトをする傍ら、累計2,600万部以上の著書を発刊している日本で最も有名な料理研究家の栗原はるみ氏の元で、調理アシスタントとして住み込みで働き、夜はバーでバーテンダーをして学費を稼ぐ生活を送る。家業の倒産などの経験から経営者を支援する「経営コンサルタント」という職業に漠然と興味を持ち出す。
2003年、大学卒業と同時に日本全国で60店舗以上店舗展開している東京の企業に入社。同社レストランのキッチン、ホール、店長等を歴任した後、最年少で飲食部門統括責任者に昇進。多店舗化に向けた組織構築やライフスタイル提案型カフェの業態開発、フランチャイズ本部構築などを最前線の現場において10年以上経験。それでも「経営コンサルタントになって、かつての父のように困っている経営者の助けになりたい!」という想いは強く、 2009年より、昼は飲食企業の統括業務を行いながら、夜は東京のビジネススクールに通い2年間で2,000時間以上を費やして、国内外の最新の経営学を学ぶ。
2012年、東証一部上場のコンサルティング会社である株式会社船井総研入社。入社2年で飲食部門のチームリーダーに昇進。10年以上の飲食勤務で培った“現場感覚”と、数多くのコンサルティング実績に裏づけされる“最新のビジネス理論”を取り入れたコンサルティングにより、中小企業から大手上場外食チェーンまで幅広いクライアントへ支援を行う。
2016年、4月株式会社スリーウェルマネジメント設立。2017年に出版した「飲食店経営“人の問題”を解決する33の法則(同文舘出版)」がアマゾン外食本ランキング1位のベストセラーとなる。
現在は日本全国の個人店から上場チェーン、海外企業までの幅広い企業に対して「業態開発」「業績アップ」「店舗マネジメント」「人材マネジメント」等、様々なコンサルティング支援を行う傍ら、日経MJへの外食記事提供やテレビ、業界紙などでの専門家解説等も多数手がけている。