議題:今、サラリーマンに選ばれる店とは?
松本(保険、36才) 朝は5時起きで出社し、夜は定時上がり。家ごはんが基本で外食は接待が中心。1軒につき1万円強と支払い額は平均よりお高め! |
酒井(広告、29才) 外食は週6~7日とほぼ毎日。業界柄かトレンドに敏感な人が周りに多く、皆でわいわいと話題の店に繰り出すことが多い。 |
杉田(営業、33才) 連日仕事に追われるハードワーカー。社内チームでの飲みが多く、MTGを兼ねて深夜11時頃から一杯という日が週の半分近くも。 |
●毎月、どの位のペースで外食をしている?
酒井(アンケートを見て)外食頻度の平均が週2~3日って意外と少ないな。独身の奴って大抵外で飯食べているイメージが・・・。俺は、ほぼ毎日外食。しかも2~3軒ハシゴするから軒数でいったら週8~9軒は軽く超えているかも。
杉田 週8~9軒はやり過ぎだけど、共働きの僕んちなんかも実情はそんなもんですよ。平日は外食が中心。互いに会社関係や友達と食事してくることも多く、嫁さんと地元で待ち合わせて軽く飲みながらご飯を食べるときも。ちなみに、残業で深夜近くなったときは地元での1人ラーメン率がかなり高いです。
松本 ふたりとも外食し過ぎじゃないか? わたしは、ほぼ自営業に近くて、会社は業績がすべて。社内の上下関係や付き合いなんかはほとんどないから、外食といえばほぼ100%接待。月2~3回かな。あとは毎日嫁さんのごはんを食べてるよ。
●1軒当たりいくら位支払っている?
松本 外食する回数が少ない分、行くときは割といい店を選ぶ。1軒に付き1人1万円は軽く超すかな。あとは、嫁さんとのデートが月2回くらい。こっちもちょっと雰囲気のいい店を選ぶから大体1人1万円くらいかな。
酒井 リッチだね。俺は1軒5000円前後。新規開拓したときの店は会計終えたときのコスパ(思ったより安かった!高かった!とか)でまた使うか使わないかを決める。でも結局、ハシゴしているから1日トータルで考えると案外1万円近くかかってるかも。給料だけでなぜ足りているのか・・・多分おごり合ったりして調整が取れているはず。
杉田 それ、絶対使い過ぎですよ~! 自分の場合、1人飯はほぼ1000円以下だし、いつもの会社メンバーとの飲みは3000円位。友達や社外の人と飲む場合は5000円以上することも多いけど。小遣い4万円で毎月ギリギリです(というか、オーバーしてる分は嫁に内緒で出張費とかもろもろでカバー・・・)
松本 飲み代なんて小遣いによりけりだよね。独身の人間は使い放題だから論外だけど、夫婦でも、財布の管理の仕方で違うし、共働きか、子どもがいるかによっても全然違うと思う。ちなみにうちは小遣い0の申告制だから毎回必要性を説いて引き出す感じ。毎日1万円の外食費って言ったらはり倒されそうだ(苦笑)。
酒井 申告制って・・・すごいねー。俺、それ耐えられないかも・・・(杉田 同意)
●外食でよく利用しているエリアは?
酒井 これは圧倒的に職場付近と地元。そのときによるけど、職場が恵比寿だから仕事関係の食事は恵比寿が多い。庶民的な飲み屋から旨いイタリアンやカフェまであって飽きない。足を延ばしても渋谷、中目黒辺り。プライベートの飲み会だったら、気になる店があれば多少遠くても全然気にせずいく。
松本 わたしは社長とか上の方との接待が中心だから、なんとなく銀座の店を予約することが多い。大抵飲んだ後に女の子がいる店にいきたがったりするから困る(苦笑) 逆に嫁さんとの場合は旨い店と聞けばどこへでも食べにいく。
杉田 僕も会社関係の飲みはほぼ職場付近ですね。赤坂なんですけど、結構なんでも揃ってるんで。男同士の場合は、いつもの店で・・・ってパターンが多い。クライアントの接待や友達との飲み会は、メンバー皆のアクセスのいい銀座や丸の内、渋谷なんかに決めます。普段は、とにかく忙しいから、食事や飲みのためだけにわざわざ違うエリアへ・・・とは、なかなかならないですね。
●どんな店でご飯を食べることが多い?
杉田 1人なら断トツラーメン屋。超いきます(笑) 皆でいくときは、雰囲気のいい居酒屋や中華料理なんかを選ぶことが多い。ポイントは静かで落ち着いているか。がやがやしていると声はらなきゃいけないので疲れます。
酒井 特定の業態って決まっていないかも。すべて、その日の気分で決める。男同士のときは「なに食いたい?」で、女の子がいる場合は「なに飲みたい?」って感じ。あとは季節的なもの。今の季節ならビアガーデンとか、テラスとか。あと、最近話題の汐留のバーベキューができる店とかも気になる。盛り上がりそうでしょ。この質問に強いて答えるなら、”その時流行っている業態”かな。
松本 トレンド感のある店を押さえときたいって業界人っぽいね。自分は、酒も料理も旨い和食屋が圧倒的に多い。あとは、ワインが合いそうなメニューが揃っている店とか。嫁さんはフレンチやイタリアンとかおしゃれな店に連れて行くと喜ぶ。基本、相手の好みに合わせて決めるようにしてる。
●誰とご飯にいくことが多い?
酒井 ほぼ同世代の男女。会社関係だと、情報交換したり、企画を練ったり。場所を変えて、そのまま仕事している感じ。そういうテンションはプライベートも似たり寄ったりだから、とにかくリラックスできて居心地がよく、気分が上がる店がいい。あとは感じのいいスタッフと触れ合える店で、常連としてちゃんと扱ってくれるところ。親しくなれば、1人でもがんがんいく。
杉田 僕は基本的に社内のチームメンバーとの飲みが多い。夜遅くまで働いて、そのまま「お疲れ~」って近くの居酒屋に流れていく感じ。仕事の話もするけど、基本、リラックスの場ですね。酒飲みながら上下関係なく交流する。意外と本音ベースで話せて仕事が円滑に進むきっかけになる。だから、一体感が生まれやすい店(食事内容・雰囲気とも)だと、また行こうって感じになります。
松本 同世代との飲みっていいな。わたしは法人営業が多いから決裁権のあるおっさんばかり。まあ、旨い飯を奢ってもらえたり、いい店を教えてもらえるから、それはそれで楽しいけど。酒の種類が豊富な店は得意先に喜ばれる傾向にあるかな。
●立地?値段?店を決めるポイントは?
酒井 まあ、立地と料理だと思う。あと雰囲気。値段はそんな気にしない。大体店の構えで予想をつけていくけど、5000円程度で収まるだろと思って、いきなり8000円!とか予想を裏切られたら二度と行かない。逆に、料理旨くて楽しい時間が過ごせたうえに、思ったより安い!となるとリピート間違いなしだね。
松本 わたしは一番に料理。旨い酒と料理で極楽気分。場も盛り上がるし、逆に料理がまずいと残念すぎる。飲めればいいっていうのは学生までで、「この焼酎がこの料理とメッチャ合うんですよ」と店員に勧められると、じゃあいただこうじゃない、となる。そういうサービス精神旺盛な提案型の店は結構好きだな。
杉田 僕は雰囲気重視です。よほど外さなければ、今ってどの店も料理は結構美味しいと思うんですけど、店の雰囲気は様々。座敷があるとか、座りやすい椅子だとか、周りの声が気にならないよう個室になっているとか。女の人と違って男は、”おしゃれ感”というより”寛げるか”がポイントになると思います。
酒井 まあ、男は単純だから一度いいと思えば足繁く通う。ある意味、凄く扱いやすい客層じゃないかな。最初にハッピーアワーでも、生ビールを安くするとか、とにかく店を知ってもらえることができれば案外常連にするのは難しくないかも。ただ同じレベルの店はたくさんあるので、雰囲気やメニューとかその店のウリは必要だと思う。
●飲食店を決める際に、タバコを吸える(吸えない)がポイントになる?
松本 タバコは重要。会食が決まったら、必ず相手側に確認する。タバコが吸いたい人なら吸える店にするし、苦手な人なら禁煙席がある店にする。じゃないとお互い、美味しく料理や酒を楽しめないでしょう。
酒井 俺はタバコ吸うけどあんまり気にしないかも。店重視で、行きたい店がタバコ吸えなかったらそれはそれで仕方ないって我慢する。願わくば店内もしくは店頭に喫煙できる所があると有り難い。ないと、タバコ吸える場所を探して食事中に歩き回る羽目になるからな。5分くらいだったら全然歩いちゃう。
松本 わたしも禁煙の店で食事中に吸いたくなったら外に出て歩いて探すくらいの覚悟はあるけど。さすがに何分も席を外すのは相手に失礼だし、会話が途切れるのは辛い。せっかくみんなで楽しい時間を過ごそうと飲みにいっているから、店内で分煙をしてくれている方が有難いかな。
杉田 自分はタバコを吸わないけど、周りが吸っているのは全然気にならないんです。だから、幹事のときは、1人でも喫煙者がいたら吸える席を予約する。最近は吸う側も気を使ってくれて、タバコを吸わない人からは離れて吸ったり、ひと声かけたり。個人のマナーがしっかりしてきていると思います。ひとつだけ嫌なのはラーメン屋。これから、まさにラーメン食おうってときに煙がふわーっとくると「ちょっと勘弁してよ!」と言いたくなる。でも、大抵は相手から「吸っていいですか」とか、むしろこっちから「吸っても大丈夫ですよ」と声をかけることもある。昔ならあり得ないけど、吸う側の意識も変わった気がします。
酒井 そうそう。俺らもタバコは吸いたいけど、別にごはんと一緒じゃなくてもいいし、店の中に一服できる場所があればうれしい。ただ、バーなんかが禁煙だときつい。酒飲みながら、タバコを吸いたい。バーって、そのためにあるんじゃないのか?って感じもする。
松本 それ、カフェとか喫茶店も一緒じゃないかな?必ず食事しながら、タバコ吸いたいという願望はないけど、日中、営業中にひと休みするときの喫茶店が吸えないのはありえない。いつも昼食後にコーヒーが飲める店に行くから、ランチをする店は吸えなくてもいいけど、コーヒー飲むために入った店で「禁煙です」って言われたら二度と入らないね。
●最近、分煙をしている飲食店が増えてきていると感じる?
杉田 増えたように感じますね。神奈川にいくともっと感じるけど、都内でも、今まで灰皿を置いていた店が置かなくなっていたり。タバコを吸う先輩と入ったら、「あれ~!?」みたいな。でも、ほかに客がいないと、常連の店なんかはそっと灰皿を出してくれますよ。要は、店的には、皆に居心地よく過ごしてもらいたいわけで、僕らにとっても、その場に応じて対応してくれるのが有り難い。
酒井 そうそう。臨機応変に、規則なんかでがんじがらめにするんじゃなくて、店や客同士が配慮し合うのが一番スマートだと思う。店も喫煙か禁煙かといった白か黒じゃなく、状況に応じた柔軟な対応をして欲しい。自分も、隣に小さい子どもや妊娠している女性がいたら遠慮するし、スパスパ吸っている奴がいたら注意もする。「控えてください」って店や隣の人から言われたら席を変えるか、我慢をするか。でも今って、そういう気遣いの姿勢がスタンダードで、何が何でも一服したいって人は減ってきているんじゃないかな。
以上、「東京サラリーマンのリアル外食事情&飲食店とタバコの関係」の座談会より。ちなみに飲食店とタバコの関係についてのアンケート結果からは、喫煙者の約8割が「喫煙可」を店選びの条件としている一方で、タバコを吸わない人は「条件外」としている人が約8割。サラリーマンがターゲットの店であれば、”吸える席”の確保がまだまだ重要との見方ができるとともにタバコを吸わない人は全席禁煙までは求めていないことが伺える。また、「最近、分煙をしている飲食店が増えてきていると感じるか?」では、全体の約8割がYESと答え、分煙の取組みが業界内で広がっていることが分かる。さらに座談会では喫煙客のマナー向上が感じられるという意見が。客に対して、一方的に分煙を強いるのではなく、客同士が配慮し合い、互いに気持ちよく過ごせるように気遣いができているのであれば、自然と分煙ができているということではないだろうか。サラリーマンにとっては、疲れを癒す場でもある飲食店。さまざまなニーズを持った客同士、互いに気持ち良く過ごせるような店づくりが求められそうだ。
(記事中、各グラフのパーセンテージは四捨五入した値を表示しております。)