スペシャル企画

スペシャル企画 第3回 外食業界のドン、際コーポレーション代表取締役の中島武氏が諭すタバコと外食産業の理想的な付き合い方とは?

世界的な風潮に煽られ、日本でもタバコに対する規制が始まりつつあるが、このことが外食産業にもたらす影響はこれまでに前述した通りである。予想される事態を業界として打開すべく、その鍵となるひとつの指針を“外食産業のトップリーダー”である際コーポレーションの中島社長に論じてもらった。


世界的な風潮に煽られ、日本でもタバコに対する規制が始まりつつあるが、このことが外食産業にもたらす影響はこれまでに前述した通りである。予想される事態を業界として打開すべく、その鍵となるひとつの指針を“外食産業のトップリーダー”である際コーポレーションの中島社長に論じてもらった。”,”

 

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———飲食店等での喫煙を規制する動きが始まりましたが、社長のタバコに関するご意見を伺いたいのですが?

酒を飲みすぎる、たばこを吸いすぎる・・・なんでも過ぎる事はいけないと思いますが、酒もたばこも嗜好品。人それぞれの「嗜好」に対し“健康”を振りかざし、全面否定するというのは、少し違う気がします。

———なるほど。では、タバコと外食産業との付き合い方についてはどうお考えですか?

最初に、飲食店側の基本スタンスとして、タバコを吸わない方も吸う方もお客様であるという事を忘れてはいけない。
それからメディアなどの社会的な潮流に左右されすぎるのもよくないですね。
レストランとは健康だけを売り物にする場ではなく、人々が、そして男女がむつまじくなったり、恋が生まれたりと、他者とのコミュニケーションを楽しんでもらうところです。
そこは物の分別がある大人の世界。
タバコを吸う方も吸わない方もおいでになりますから、飲食店オーナーは吸わない人に対する心配りと同時に、吸う人に対する心配りももって両者が気持ちよく過ごせる環境を提供する責任があります。

———両者が満足する環境作りとは、具体的にどのようにすれば実現しますか?

要は、タバコが嫌な人が喫煙者のいる店にわざわざいかないでもすむ環境を創る事です。その策として、スモーキング、ノンスモーキング、時間帯分煙、分煙など、タバコに対するその店の方針を印したステッカーをすべての店が店外に掲示。
これを大きな運動として全国の飲食店の間で徹底していく事が最もシンプルであり、効果的です。

———その流れを創るには、外食産業が取り組むべきですか、行政が動くべきですか?

行政が動いた方が早いですが、神奈川の例もあるので慎重になった方がいい。
100平米以上の店にいきなり分煙、装置導入の検討をさせているが、それに対する店側の経済的負担は非常に大きい。
やはり、一気にゴールしようとせず段階的に行なうべきです。
そう考えた場合、とりあえず効果が最も期待できる策を業界が自主努力で広めていく方がいいのでは!? ステッカーなら経費はほとんど掛からず負担もないですから。

———ただ、集客に響く事を恐れ「喫煙」「禁煙」の方針を曖昧にしたいと考えている経営者が多いと思うのですが?

店の方針を明確にする事で集客数が減るリスクはありますが、それくらい腹をくくらないと。
タバコ問題を見ぬフリをして放置しておくと、神奈川のように行政が動き始めてしまう。なので、店外表示に飲食店全体として取り組んでいく事でお客様の満足度は上がるのではないでしょうか。

———やはり、一番大切なのはお客様の方を向いて、どちらのお客様にもきちんと飲食店として対応していくことですね?

そう、自分の店のあり方をもう一度振り返り、なにを求められているのか考えてみる。全面禁煙や喫煙以外に、ランチタイムはノンスモーキング、夜10時以降はスモーキングと時間帯で分煙するなど、ひと口に分煙といっても、やれる事は色々ありますよね。

———御社が展開されている飲食店はどのような取組みを?

我々の店は、完全にタバコを許可しているとこもあれば禁煙、分煙している店もあります。例えば、子供の多いショッピングセンターは禁煙だったり、深夜までやってるバーや居酒屋は喫煙にしたりするなど、客層、地域や業種業態によって変えています。

———最後に、レストラン業態以外ですが、ファミリーレストランやカフェに関してはどうすべきだと?

ファミリーレストランのような大箱系はそれこそ様々なタイプのお客様が来るので、分煙にして喫煙客にも対応していかないと売り上げ的に厳しいはず。
カフェに関しては、いつの間にか日本のカフェは健康の代名詞のような存在になってますが、本来はお茶を飲みながら、タバコ吸いながら寛ぐ場所だったと思います。
僕的に、カフェでノンスモーキングとは洒落てない気がするので、分煙、又はテラスをぜんぶ喫煙にするとか。
天に向かってぷかぷかと煙を吐いてれば、さすがに文句もいわれないでしょ。
それか、大人のカフェとして最初からスモーキング専用にすれば、非常に簡単ですね。

「でも……」と最後の口火を切った中島氏。「そういう事もそうなんだけど、タバコって詩や小説、文学にでてきたりと、昔から人間の側にいつもあったんですよね。嗜好品というだけじゃなく、ちょっと違ったエスプリを与えてくれるものなんだと思うな」。

取材当日の朝、中島氏は自身の公式ブログでタバコを主題とする文章を書いてくれていた。「俺のあの娘は煙草が好きで、いつもプカプカプカ…」。こんな出だしで綴られる中島氏のタバコに対する心温まる一節。山積みとなっている問題は皆が協力しあい解決していくとして、この世界観こそ、タバコにも文化としての素晴らしい側面があるのだという事を強く感じさせてくれる。ぜひ、じっくりと一読して欲しい。

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俺のあの娘は煙草が好きで いつもプカプカプカ…

こんな唄があった。煙草には僕なりの思い出がある。
だいたい早くはちょいとワルな中学校位からタバコを吸いだす
得意そうな顔してふかす。中学不良のシンボル。
そして高校。こうなると不良とかでなく、なんとなくちょっと遊んでいる奴はタバコを吸っている。
高校生でタバコを吸うと停学とかになる。
ちょっとした罰である。
私はその頃は一切タバコを手にしなかった。
悪いことをする。タバコとか万引きとか、薬とか。
高校時代、皆ちょろっと悪い奴はしていた。
でもめっきりしなかった。
理由は確固たるものはなかった。母が悲しむのがいやだった。

ケンカとかそういう事は、母は九州の女で、なんとも思わない。
強いことが自慢だ。
でも私、気も根性も座っていない。只単なる気の小さな少年だった。
だからタバコも吸わずだったんだ・・・
大学生になって、大人になってもタバコは吸わなかった。

母が死んだあと、時々他人の煙草を手にする・・・
夜中、店づくりでヘトヘトになる。軽い軽いマイルドセブンの1mmを吸う。
いろいろなことが頭に浮かぶ。タバコを口にしているのは多分3分位だろう。
私の場合、けむりをスーと吐く。
心の中の何かが吐き出される。疲れもすーと消える。

タバコは意気地の無い青春を思い出す。
あの時この時、そして昔を想いだす。
また一人で煙草に火をつけてみようかと思う。

世の中禁煙、分煙いろいろです。
私は人に迷惑を与えるタバコは嫌いです。

でも素敵なタバコもありました。
遠い昔、好きな女の人がいました。
その女性、煙草を吸いました。
煙草を吸う横顔が実に美しい。
よくケンカした。彼女はイライラしてタバコに火をつけてました。
その姿をずーっとずーっと見ていました。

イイ女はタバコが似合っていた。

中島武氏オフィシャルブログより
http://ameblo.jp/nakajima-kiwa/entry-10282856207.html

【企業データ】
会社名;際コーポレーション株式会社
本社所在地;東京都目黒区
設立年月日;1990年12月7日
資本金;5億4106万円
従業員数;1,194名(パート含む)
飲食事業店舗数;329店舗

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