仕込みは毎日5時間、一人で黙々と。家庭料理に“プラスα”を宿す43品の手仕事
フードは、「和食をベースに、家庭料理にちょっと何かがプラスされたような」、そんな料理を目指している。客単価は4000円ほどを想定し、ほとんどのつまみが1000円を超えない価格設定だ。しかしながら一品一品、仕込みには手間ひまを惜しまない。「もくもくと手を動かすのが好きなんです」と夏山氏。毎日5時間かけて一人で仕込みを行う料理は、約43品が並ぶ。
例えば、「ササミと白菜のキムチ」(640円)は、甘辛い味付けの中に、砕いた干しエビやリンゴを加え、複雑な食感を生み出している酒肴だ。「黒よだれ砂肝」(840円)は、黒練りごまを使った特製のよだれソースが、香ばしく火入れした砂肝に絡む逸品。「アジフライ山椒タルタル」(840円)も人気の品で、「ひとひら」時代の師匠直伝のタルタルソースは、卵を使わず、新生姜の漬物とネギを細かく刻み、山椒を効かせた爽やかな味わいが特徴。他にも、「警視鳥」時代のまかないから生まれた「焼きサバと大葉のおむすび(2ケ)」(690円)や、様々な香味野菜を刻んで作る「麻婆ニョッキ」(990円)など、丁寧な仕事が光るメニューが並ぶ。定番のポテトフライは「満腹でもなんだか〆に食べたくなるんですよね」と、あえてメニューの最後に「〆のポテトフライ」(690円)と置く遊び心も見られる。
一方で「かつお刺し」(940円)「ぶり刺し」(990円)といったシンプルな刺身を置いていることも矜持だ。小さい店ながらも魚もこまめに仕入れることを意識しており、だからこそ市場が休みの水曜が店の定休になっている。「野菜もできるだけ業者任せにせず、自らの目で見てスーパーで仕入れたい」と、夏山氏の細かなこだわりが隠れているラインナップだ。
ドリンクは、「生ビール(アサヒスーパードライ)」(680円)からサワー、焼酎、日本酒まで幅広く揃え、1杯500円~。奇をてらうのではなく、「メニューを見なくても頼めるようなもの」を意識したラインナップ。しかし、あえて定番のウーロンハイを置かず、代わりに夏山氏が「香りがよくて気に入っている」という「加賀ほうじ茶割り」(550円)を使ったほうじ茶ハイを提供している。焼酎は芋焼酎をやや多めにセレクト。ただし、定番の「だいやめ」はあえて外し、セレクトに独自性をのぞかせる。

甘辛い味付けとさまざまな食感の妙が生きる「ササミと白菜のキムチ」は、つい酒の進む品

創作的な料理を出す一方で、しっかりとした刺身を出している。「ひとひら」で基礎から和食を学んだことが生きている

黒いゴマソースが印象的な「黒よだれ砂肝」
店舗データ
| 店名 | 喫酒さりんじゃ |
|---|---|
| 住所 | 東京都目黒区鷹番2-19-3山下店舗1F |
| アクセス | 学芸大学駅から徒歩4分 |
| 電話 | 03-5724-3104 |
| 営業時間 | 18:00〜24:30(LO23:30) |
| 定休日 | 水+不定休 |
| 坪数客数 | 約7坪 / 18席(カウンター10席、テーブル8席) |
| 客単価 | 4000円 |
| オープン日 | 2026年3月13日 |
| 関連リンク | 喫酒さりんじゃ(Instagram) |

















