楽ではバンクーバーに。一時は独立を断念し、魚真へ
転機となったのは、雑誌で楽コーポレーションの代表、宇野隆史氏の記事を読んだことだ。「居酒屋の独立道場」として知られ、数多くの居酒屋オーナーを輩出してきた同社だが、中村氏は「これだ!」と直感。知人の紹介で宇野氏との面接にこぎつける。宇野氏からは京都での板前経験を評価され「バンクーバーの店舗に行ってみるか」と、いきなり海外行きを打診された。
渡航の準備が整うまでの間は、同社の相模原の「東京コケコッコ本舗」での勤務や、青山「青山ゑびす堂」の立ち上げを経験。その後、カナダ・バンクーバーの「チョップスティックカフェ汁べゑ」へ。帰国後は渋谷の店舗で店長を務めるなど、約7年間楽コーポレーションで活躍した。
32歳の頃に独立を決意するも物件探しは難航。約2年間探したが、理想の物件には巡り会えなかったという。物件が見つからない焦りで心はどんどんすさんでいく。一度、仕切り直そうと独立を断念し、再就職を決意。そこで選んだ先は魚料理に定評のある魚真だった。もともと「魚真みたいな店をやりたい」と思っており、宇野氏の力添えもあって入社が実現した。
魚真で魚の扱いを学びながら、3年が経った頃から再び物件探しに挑むも、またしても良縁には恵まれず。一方で魚真では経験を重ねて幹部ポジションに就き、生活は安定していった。しかし、心のどこかで独立への想いは消えることなかった。
「物件が決まり次第退職する」そう宣言して1年ほど。ある日、いつもの帰り道で「テナント募集」の貼り紙を発見する。問い合わせると、家賃は中村氏の想像した額の半分。相場からも随分と安い好条件の物件だった。当然、競合もいたが、これまでの苦労が嘘のように不思議と中村氏に契約が決まった。独立を決意して15年超、三度目の正直で幸運をつかんだ。こうして魚真を退職。同社には14年在籍した。

「魚魂」の店内。カウンターからテーブル席、さらに中二階の席もある
店舗データ
| 店名 | 魚魂(うおだま) |
|---|---|
| 住所 | 東京都渋谷区広尾1-15-3 クオリア恵比寿パークフロント1F |
| アクセス | 恵比寿駅から徒歩4分 |
| 電話 | 03-6456-3210 |
| 営業時間 | 17:00~23:30 |
| 定休日 | 不定休 |
| 坪数客数 | 12.5坪30席 |
| 客単価 | 6000円 |
| オープン日 | 2026年1月24日 |
| 関連リンク | 魚魂(Instagram) |

















