こだわりよりも合理性を武器に、勝ち筋を描いていく
LTV代表の酒巻雄平氏は、居酒屋を営む父のもとで育ち、自然と飲食の世界に親しんできた。大学時代に働いた「伝説のすた丼屋」では、運営会社アントワークスの成長期の勢いに触れ、アルバイトから社員となって店長や新業態の立ち上げを経験。約8年間、現場で腕を磨いた。退職後は「30歳までに独立する」という目標に向けて複数の居酒屋で経験を積み、2019年、29歳で武蔵境に「炭火焼鳥 ゆう」を開業。念願の独立を果たした。
「実は焼鳥の職人経験があったわけでも、武蔵境の街に強いこだわりがあったわけでもなくて…」と飄々とした語り口ながら、酒巻氏の説明は一貫して明快だ。都内の飲食店を巡る中でカウンター業態に挑戦したいと考え、「すしは握れないけど、鶏を串に打って焼くことはできるんじゃないか…」と、焼鳥を選択。出店場所も商圏データから分析した結果だ。人口に対する居酒屋の数や平均所得額から武蔵境に可能性を見出し、入れ替わりが激しい物件と言われていたが、条件の良さを優先して出店した。結果は初動から好調で、現在も全店で売上1位を維持。コロナ禍では早期にデリバリーへ舵を切り、複数業態を立ち上げて地域トップの実績を築いたほどだ。
その後は、成城学園前の「炭火焼鳥 ゆう」を皮切りに、国分寺「つけ麺さか田」、ひばりヶ丘「焼き鳥石橋」、経堂「博多おでんと黒毛和牛の店 くろこ」、門前仲町「煮込み処和田屋」、西荻窪「和牛とお出汁」、仙台「天ぷら天寅」、他FC店3店舗と、出店を次々と広げていった。
エリアも業態も統一されていないように見えるが、軸は一貫している。重視するのは、「勝てる地域で勝てる業態をやる」「競合がいない場所で勝ち筋をつくる」というランチェスター戦略。物件の特性や商圏のさまざまな要素のバランス、そして店長となるスタッフの志向をふまえ、業態を柔軟に変えてきた結果が、この多様な業態展開につながっている。

大規模再開発が進み、高層マンションの建設が続く中野駅。その南口から徒歩5分、国道から一本入った路地に店を構える。建物の階段下に伸びるアーチが目を引き、やや奥まった入口では「いらっしゃいませ」と記された大きな提灯が温かく迎える
店舗データ
| 店名 | 炭火焼酒場 ワラテル |
|---|---|
| 住所 | 東京都中野区中央5-49-10 奈良屋ビル 1F |
| アクセス | 中野駅から徒歩5分、新中野駅から徒歩8分 |
| 電話 | 03-5340-7039 |
| 営業時間 | 月~金 16:00~23:00(LO 22:00)、土・日 12:00~23:00(LO 22:00) |
| 定休日 | 不定休 |
| 坪数客数 | 17坪40席 |
| 客単価 | 5000~5500円 |
| 運営会社 | 株式会社LTV |
| オープン日 | 2025年12月1日 |
| 関連リンク | 炭火焼酒場 ワラテル(HP) |
| 関連リンク | 炭火焼酒場 ワラテル(Instagram) |

















