家庭と仕事を両立したからこそ、辿り着けた独立の形
こうした経験を重ねる中で、小林氏は「自分の店を持つ」という夢をより具体的に思い描くようになる。秋田出身の妻との結婚を機に、義父がJAに勤めていたこともあり、秋田の食材に触れる機会が増え、「将来は秋田の食材を活かした店を持ちたい」という思いが芽生えたのだ。そうして秋田産比内地鶏を扱う焼鳥店「南青山とりや幸」で修業を積むことに。
そんな折、第一子の誕生後、妻が2~3ヶ月入院することになり、小林氏はやむなく同店を退職。妻の回復後も育児との両立を最優先し、以前の職場「もつ焼 高賢」でアルバイトとして再び働き始めた。子供が保育園に入園した後も、その方針は変わらず、子供の送り迎えなどで柔軟な勤務形態を取りながら、社員として勤務。この期間が独立前の最後の修業となった。
並行して独立の準備も着実に進めていた。保育園の送り迎えを継続できるよう、自宅近隣の練馬・千川・小竹向原エリアで、ワンオペで運営できる8坪程度の物件を検討。そうして巡り合ったのが、以前は沖縄カフェだった8.5坪の物件だ。

カウンター6席、テーブル6席。ライトグレーが基調のシンプルな空間に木材を随所に配し、ナチュラルで温かみのある店内。デザインはカフェなどを多く手掛けるK+。テーブル席横の四季の富士山画や、入口付近の桶ランプなどに銭湯の要素がさりげなく織り込まれている。お洒落な内装に合わせ、焼き場の直上に排気口を設け、煙の発生を最小限に抑える工夫も
店舗データ
店名 | 焼鳥 小山湯 |
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住所 | 東京都豊島区要町3-10-4 岩田ビル1F |
アクセス | 東京メトロ副都心線・有楽町線 千川駅から徒歩1分 |
電話 | 03-6905-8029 |
営業時間 | 18:00~23:00(焼き物LO21:30、その後はバータイム) |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 8.5坪12席 |
客単価 | 8000円 |
オープン日 | 2025年2月17日 |
関連リンク | 焼鳥 小山湯(Instagram) |