バーで働けばモテる…不純な動機で入った楽コーポレーションで居酒屋に魅了される
用賀駅から徒歩2分ほど、北口から伸びる商店街を一本入った路地に「大どころ」がオープンした。オーナーの宮田大氏が飲食業を始めたきっかけは、大学生時代の19歳の頃、チェーン居酒屋で始めたアルバイトだった。そこで約1年働くと、今度は「バーで働けばモテるだろう」とバーのアルバイト先を探し始めた。何件も断られたなかで雇ってくれたのが、楽コーポレーション運営の下北沢「べゑ’s BAR 虎龍」(現在は閉店)だ。同店は居酒屋だが、「BAR」という店名にバーかと勘違いした宮田氏。しかも、実際には人手が余っていたために系列の居酒屋「汁べゑ 下北沢店」で働くことに。「おでんを名物とする赤提灯居酒屋で働くことになったのは想定外でしたが、そこで居酒屋で働く面白さに気づきました。先輩たちが次々と独立していく様子を間近で見ていたので、自分もいつか独立したいと思うようになりました」と振り返る。この頃から楽コーポレーションやその卒業生が営む店をよく訪問するようになったという。
「汁べゑ下北沢店」で3年半勤務した後、経験の幅を広げるため、焼肉店など居酒屋以外の業態でも数年経験を積んだ。その中で「やはり自分がやりたいのは居酒屋だ」と確信し、板橋の焼鳥居酒屋「焔」(現在は閉店)や千歳船橋「囲炉裏 しろくろ」などで計8年にわたり修業。独立を見据えた修業先としては、楽コーポレーションの卒業生・福留達成氏の恵比寿「福味み」と、同じく卒業生の植田健裕氏の神楽坂「酒場 なるくち」を選び、1年3ヵ月にわたり居酒屋運営のノウハウを学んだ。
並行して物件探しも進めたが、相当な苦労があったという。宮田氏は「地元の池尻大橋や中目黒、恵比寿といったエリアで探しましたが、申し込んでも通らず、不動産屋から相手にされないこともしばしば。一個人としての実績のなさを痛感しました」と話す。前職の福留氏から助言を受け、田園都市線沿いで用賀も検討。3か月後に偶然空きが出たのが、以前は居酒屋だった16.3坪の物件だ。「用賀は落ち着いた住宅街のイメージが強かったのですが、実際に駅に降り立つと商店街があって街にほどよく賑わいがある。さらに渋谷から田園都市線で11分なので、『用賀なら行ってみるか』と思ってもらえる場所でもあります。希望よりは大きめの物件でしたが、それらをふまえてすぐに申し込みました」。

用賀駅北口から徒歩2分ほど。商店街通りを一本入った路地に立地。入口はやや奥まっており、上品なライティングが施されシックな雰囲気を放つ

16.3坪26席。キッチンに沿ったフルオープンなJ字型カウンターが特徴的で、客とのコミュニケーションを重視した造りとなっている。カウンターはオペレーション効率を考慮し、中央で二分。木の素材感を活かしつつ、高級感と落ち着きを巧みに両立。どの客席もゆったりと設計されており、肩肘張らずに食事を楽しめる空間だ。デザインはA-SWITCHの秋本純一氏が手がけた

カウンターの周りには複数名用のテーブル席も配置
店舗データ
店名 | 大どころ(だいどころ) |
---|---|
住所 | 東京都世田谷区用賀4-9-20 プチフレール 1-A |
アクセス | 東急田園都市線 用賀駅から徒歩2分 |
電話 | 03-6432-7290 |
営業時間 | 17:30~23:30 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 16.3坪26席 |
客単価 | 6000~7000円 |
オープン日 | 2025年3月30日 |
関連リンク | 大どころ(Instagram) |