「LANTERNE」から進化した居酒屋。居酒屋の魅力を世界へ発信
金融街として知られる日本橋兜町。東京証券取引所のすぐ裏、かつて渋沢栄一が設立した日本初となる銀行の分館だった建物をリノベーションし、2020年2月に開業した複合施設「K5」。伝統あるオフィス街から新しいカルチャーを発信する拠点として、ホテルやレストラン、ビアパブ、バーなどが営業する。開業時から同施設内で営業していたレストラン「caveman(ケイブマン)」が契約期間の満了により閉店し、その跡地にオープンしたのが「MARUYAMA」だ。
運営はシェルシュ。代表の丸山智博氏はフランス料理の経験を積み、2010年、代々木上原に「MAISON CINQUANTECINQ」をオープンし独立。現在は同店に加えて、ピタサンドや中東料理の「LA PITA DE MAISON CINQUANTECINQ(ラ ピタ ドゥ メゾン サンカントサンク)」、器ギャラリー「AELU(アエル)」や、居酒屋「LANTERNE」など7店舗(今回の「MARUYAMA」を含む)を展開。加えて飲食店のプロデュースやメニュー監修も数多く手掛ける。
この「MARUYAMA」誕生のきっかけには「LANTERNE」がある。2014年、代々木上原にオープンした1号店を皮切りに、2019年に池尻大橋、2024年には東北沢に「LANTERNEはなれ」を出店。現在3店舗を展開する同社のヒット業態だ。「日本の伝統的な飲食店のスタイルである居酒屋。それを僕らなりに解釈してアップデートしたのが『LANTERNE』です」と丸山氏が話すように、居酒屋らしかぬカフェやビストロのような瀟洒な店内に、唐揚げやポテサラなど、居酒屋定番の品でありながらもフレンチなど多彩なエッセンスを織り込んだ独創的なつまみが揃い、食の感度の高い層がカジュアルに使える店として人気を博している。
「11年にわたり『LANTERNE』を運営する中で、居酒屋という業態に非常に可能性を感じるようになりました。海外の人にも日本の文化として居酒屋は喜んでもらえるし、近年は焼酎や日本酒の造り手たちも世代交代が進み、造り方も進化している。それら和酒の魅力も世界に向けて発信したいと思うようになりました。ここから居酒屋を次のステージへ進めたい、と思いオープンしたのが『MARUYAMA』です」。
店づくりを通してテーマに掲げたのは、“水”だという。「日本の食文化の豊かさの源泉は水にあると考えました。農作物や酒も、美味しい水がなければ生まれない。食べ物のみならず、陶芸などの器の制作にも水は必要なもの」と丸山氏。詩人の若尾真実氏による同店のコンセプトを表現した詩や、写真家の野田祐一郎氏による水の流れを表現したキービジュアルで世界観を表現した。

もともとは静かなオフィス街だったが、近年、開発が進む日本橋兜町。周辺には気鋭の飲食店が次々に登場し、新しい風が吹いている

「caveman」時代からの北欧と和テイストがブレンドされた内装を引き継ぎ営業。テーブル席以外に、窓際には立ち飲みカウンターを設け、居酒屋のグルーブ感を演出する
店舗データ
店名 | MARUYAMA(まるやま) |
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住所 | 東京都中央区日本橋兜町3-5 K5 1F |
アクセス | 茅場駅から徒歩6分、日本橋駅から徒歩8分、三越前駅から徒歩9分 |
電話 | 03-6661-0923 |
営業時間 | ランチ11:30~14:30(LOコース13:00定食13:30ドリンク14:00)、ディナー17:00~22:00(LO料理21:00ドリンク21:30 |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 32.44坪32席+立ち飲み10名 |
客単価 | ディナー8000円 |
運営会社 | 株式会社シェルシュ |
オープン日 | 2025年3月22日 |
関連リンク | LANTERNE池尻大橋(記事) |
関連リンク | MARUYAMA(Instagram) |