力強い旨みのある野菜を生かした創作料理
フレンチからキャリアをスタートし、洋食の料理人の経験を中心に積んだこともあり、当初から考えていた業態は創作イタリアンとワインをメインにしたもの。時代に合わせて柔軟に対応できる店を目指しているという。
料理のウリは、群馬県赤城高原の「KABA FARM(カバファーム)」から直送される無農薬菜。ファームのオーナーとは「WE ARE THE FARM」からの縁があり、その季節に一番おしい野菜を届けてもらっている。野菜は露地栽培されている固定種。固定種とは昔ながらの品種を守り続けている種で、形やサイズにバラつきがあるが、豊かな風味と濃い味わいが特徴だ。この野菜の良さを生かした、料理人出身の近藤氏ならではのアイデアあふれ、イタリアンの枠にとらわれない創作料理を提供している。
「野菜は季節によって変わりますし、いろいろ作ってみたいものもあるのでメニューは3日に一度ぐらいの頻度であれこれ変えています」と語る近藤氏。変更が多いメニューの中で定番と言えるのが「KABAビーツのポテサラ」(720円)。ビーツの鮮やかなピンク色に驚かされる一品だ。そのほか、パスタが隠れるほどケールが盛られた「山盛り無農薬ケールのペペロンチーノ」(1580円)、低温調理した後に高温で揚げ、中がホクホク、外がカリッとした「カリカリ里芋のフリット」(720円)などおいしい野菜が手に入ればこその料理がそろう。「牛肉のカルパッチョ~赤ワインと玉ねぎのソース」(1480円)や「出汁チキンタツタ」(2280円)などガッツリとお腹を満たし、酒が進む料理も人気だ。メニュー表を見ると、手の込んだ料理が並ぶが「オペレーションの効率を考え、フードロスもあまり出ないように工夫しています」と近藤氏。元料理人ならではの創意工夫がメニュー作りにも発揮されている。
ドリンクではワインやクラフトサケ、クラフトカクテルなど定番からオリジナリティのあるものまでラインナップ。ワインは入口すぐにワインセラーを作るほど力を入れている。セレクトの軸は“自分たちが飲んでおいしいと思ったもの”。産地にこだわらず世界各国のワインをとりそろえている。グラスは常時、泡、赤、白、オレンジそれぞれ1~5種類(720円~)を用意。ボトル(3780円~)はリストがなく、お客自身がセラーに入って選ぶスタイルだ。クラフトサケは能登時代に知り合った福島の酒蔵「haccoba醸造所」から取り寄せているもので、伝統的などぶろくをベースにホップを入れるなどしたユニークな酒だ(グラス各種1480円)。ベースから店で手作りしているクラフトカクテルも「クラフトレモンサワー」(600円)、「酒粕カルピスサワー」(720円)など同店でしか味わえないものをそろえている。
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「KABAビーツのポテサラ」。ポテトサラダと言えば、白というイメージを覆す一品。KABAビーツのほどよい甘みと酸味がホクホクのポテサラに良く似あう
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「出汁チキンタツタ」。近藤氏が家で作っていたというメニュー。出汁でマリネした鶏肉はひと口食べると出汁の旨みがジュワッと沸いてくる。ソースはニンジンと玉ねぎ、味噌を合わせたもの。ここでも「KABA FARM」の野菜の力強い旨みが料理のおいしさを増している
店舗データ
店名 | camalice(カメリーチェ) |
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住所 | 東京都目黒区下目黒1丁目5-16 目黒サンライズマンション 1F |
アクセス | 目黒駅から徒歩5分 |
電話 | 03-6303-9935 |
営業時間 | 17:00~24:00(LO 料理23:00、ドリンク23:30)、金・土・祝前日17:00~27:00(LO 料理26:00、ドリンク26:30) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 10坪27席 |
客単価 | 5000円 |
運営会社 | 株式会社Affineats |
オープン日 | 2025年1月7日 |
関連リンク | camalice(Instagram) |