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馬喰横山に「MELLOW(メロウ)」がオープン。生パスタがウリのワインバル「PASTAVOLA」で研鑽を積んだ店主がワンオペで切り盛りするカウンターワインバル

2月22日、馬喰横山に「MELLOW」が開業した。生パスタがウリのワインバル「PASTAVOLA」などを展開するtrottoなどで、計10年にわたり飲食経験を積んだ益田隆司氏による独立店舗だ。都営新宿線の馬喰横山駅、都営浅草線の東日本橋駅、総武本線の馬喰町駅など、複数路線が集まるこのエリアでは、近年、こぢんまりとしたワインの店が急増中。そんな中に、また期待の新店として登場した。わずか5坪の店内にカウンター8席配置し、生パスタをはじめハイクオリティなイタリアンベースの料理とワインを提供する。

馬喰横山駅の出口からすぐ。オフィスと住宅が混在し、ワーカーと住民の両面から集客できること、多数の駅から徒歩圏内であったことからこの場所を選んだ
L字カウンターが全8席。お客全員に目の届く範囲で、きめ細やかなサービスを提供する
「牛舌とトレヴィスとキヌアのサラダ」。低温調理した牛タンの歯ごたえと旨みが楽しめる
「PASTAVOLA」で磨いた腕を生かし生パスタも提供。写真は「カルボナーラ」。ランチでは日替わりでパスタを2種類、サラダ・スープとともに1000円で提供
オーナーの益田隆司氏。特技はお客の顔と名前を覚えること。「この特技は『PASTAVOLA』の代表・大野木さんに伸ばしてもらった」と益田氏。加えて謙虚な人柄で、前職時代は多くの常連から支持された。独立した現在も多く常連が益田氏に会いに訪れている

(取材=大関 まなみ)


会社員生活を経て飲食の道に。「PASTAVOLA」などイタリアン中心に腕を磨く

益田氏は大学卒業後、生活用品メーカーに入社し、3年間ほど営業マンとして勤務した後、料理の道へ。「会社員になったものの、大学時代の居酒屋アルバイトが楽しかった思い出から、自分も飲食で独立したいと考えるようになりました」と益田氏は話す。

調理師学校のエコール辻にて1年間学んだ後は、日野市の創作イタリアン「ピッコロレガーロ」で1年半、吉祥寺のパスタ専門店「スパ吉」と系列の「ヒラタパスタ」で2年弱、経験を積んだ。次に「DEAN&DELUCA」の工房で働くも、「食べている人の顔が見える環境で料理がしたい」と、三田や大手町、外苑前、三越前で「PASTAVOLA(パスターヴォラ)」を展開するtrotto(東京都港区、代表:大野木輝之氏)へ入った。「オープンカウンター主体の店内で、お客様の様子がよくわかる環境。何より、自身が『PASTAVOLA』で食事した際に食べた生パスタが美味しかったことが印象に残っていました。パスタ専門店で働いた経験が生かせるうえ、パスタ以外の料理も充実しているので学ぶことも多いはず、と入社を決めました」と益田氏。

入社後は、大手町店の立ち上げから携わり、そこで4年ほど店長として活躍。同社の別業態「PASTANTICO(パスタンティーコ)」(現在は閉店)にも勤務し、外苑前店では店の立ち上げから任され、店づくりの一連の流れを経験、独立への糧にした。

ワーカーと住民の両面から集客できる場所を探し、複数路線が利用可能なこのエリアに

いよいよ独立に向け、2019年夏ごろから物件探しを開始。「人材管理にとらわれず、その分のリソースを料理や接客に割いてお客様を満足させたい」と、スタッフは雇わずに1人で切り盛りする、カウンターでお客一人ひとりに目の届くスタイルを思い描いた。規模は5~6坪の広さ、オフィスと住宅が混在し、両面から集客できるエリアで探した。

当初は、益田氏の地元が八王子であることから中央線沿い、西荻窪や阿佐ヶ谷などで探したものの、ランチで十分な集客ができるか不安が残った物件が多かったという。そんな中見つけたのが、この馬喰横山の物件だ。駅の出口の目の前にあり、馬喰横山駅、東日本橋駅、馬喰町駅、小伝馬町駅と多くの路線・駅からアクセス可能な至便な場所。「PASTAVOLA」の大手町店からも近く、そこで馴染みとなった常連も呼びやすいと考え、契約に至った。

一人で切り盛りするのを考慮した、提供時間をかけない品々を用意

店内にはカウンター8席を配置し、調理・接客すべて益田氏が一人で担う。料理は、イタリアンをベースにした品を常時20品ほど用意。ワンオペであるため、美味しさは担保しつつもなるべく提供時間かけない工夫を詰め込んでいる。

「オリーブマリネ」(350円)、「半熟玉子とポテトサラダ」(650円)「鶏白レバームース」(800円)、「水牛モッツアレラと色々トマトの“カプレーゼ”」(1500円)など、オーダー後は盛り付けるだけの品や、「トリッパのトマト煮込み」(900円)、「ギアラと黒キャベツの煮込み」(1100円)の煮込み料理などは、ワンオペの負担を考えた品々だ。「パクチーとマッシュルームと砂肝のサラダ」「牛舌とトレヴィスとキヌアのサラダ」(各1100円)では、砂肝や牛タンに低温調理器を活用。「大山鶏胸肉と菜の花のポシェ くるみのヴィネグレット」(1200円)、「錦雲豚肩ロース 軽い燻製 スパイシーマスタード」(1800円)のように、メイン料理もあらかじめ低温調理を施して注文後は焼くだけという品も多い。「PASTAVOLA」の名物だった生パスタもオンメニューし、「青じそと小海老」(1000円)、「カルボナーラ」(1300)など4品。モチモチとした食感が自慢だ。

ワインは、ソムリエの資格を持つ益田氏がイタリア産を中心に厳選。赤・白が各4品に、泡、ロゼ、オレンジなど計10品ほど。多くはグラス800円で、手軽に楽しめるようにと、価格に幅を持たせるのではなく量を調整することでなるべく価格を均一にしている。ボトルは4000円~。それ以外にも「有機国産レモンサワー」「ウイスキーデュワーズ(ロック・ソーダ・水割り)」(各700円)や各種ソフトドリンクを用意する。

東日本橋エリアで、細く長く続く、愛される店を目指して

オープン直後は、まずは「PASTAVOLA」時代の常連が続々と来店。近隣の人からも注目が集まっており、ランチ含め着々とリピーターを獲得している最中だ。

今後について、「特に店舗展開などは考えていません。細く長く、愛される店として続けられれば。このエリアには同じように店主が一人で切り盛りするワインの店が多い。そういったニーズが強い場所であることに可能性を感じましたし、当店もその一つになれれば、と思います」と益田氏は話す。

店舗データ

店名 MELLOW(メロウ)
住所 東京都中央区東日本橋3-3-8 プリンセスコート日本橋102

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アクセス 馬喰横山駅から徒歩1分
営業時間 【平日】11:30〜14:30(LO14:00)17:30〜23:00(LO22:00)【土日祝】12:00〜22:00(LO21:00)
定休日 不定休
坪数客数 5.2坪8席
客単価 昼1000円、夜5000円
オープン日 2020年2月22日
関連リンク MELLOW(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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