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新井薬師前に「マロロガ バワン」がオープン。「エリックサウス」などインド料理の腕を磨いた夫と、ソムリエの妻が仕掛けるスパイス料理専門店が、街に新風を吹き込む!

1月10日、新井薬師前に「マロロガ バワン」がオープンした。「エリックサウス」などインド料理店を中心に研鑽を積んできた磯邊和敬氏の独立一店舗目。「vivo daily stand」でソムリエの経験を持つ妻・麻由氏とともに経営する。和洋折衷さまざまな料理にスパイスのエッセンスを取り入れたスパイス料理とワインを看板に、しっかりとした食事から、帰りがけの軽い一杯まで、老若男女の幅広いニーズに応える地域密着店だ。

新井薬師駅前の交差点の角に立地。店内の様子が見えることでお客が入りやすくなるよう、ファサードをガラス張りで設計。「indo&more」のネオンが目印だ
店内最も手前に立飲みスペースを設け、賑わいが外から見えるよう演出。奥にカウンター席とテーブル席も配置し、幅広い人数での利用に対応。あえてインド料理店らしさは打ち出さず、木目を生かしたナチュラルなデザインに、磯邊氏がこれまで蒐集したインテリア品を散りばめている
カレー2種と、多彩な付け合わせが盛られる「マロロガターリー」(2500円)。内容は日替わりだ
現在、一番人気のメニュー「チキン2020」。お客からのリクエストで、ランチの時間にはごはんつきの定食としても登場している
主に料理を担当する磯邊氏は”食いしん坊担当”、ソムリエの麻由氏は”呑んだくれ担当”と、常にユーモアを忘れない

(取材=高橋 健太)


幼少時に感銘を受けたカレーを覚えるべく修業。「エリックサウス」では経営面の知識も習得

磯邊氏は、高校時代から飲食店でいくつかアルバイトを経験し、卒業後は日野市のインド料理店「アンジュナ」で、修業を始めた。「子どもの頃、地元の厚木市のインド料理店で食べたキーマカレーが忘れられなくて。『アンジュナ』のカレーはそれと同じ味がしたんです。どうしてもその味を覚えたくて、頼み込んで働かせてもらいました」と、磯邊氏。後に、「アンジュナ」も地元・厚木の店も、麹町の老舗インド料理店「アジャンタ」で修業を積んだシェフが独立して開業したものだったということを知る。

独立を視野に、7年間の修業期間で料理の腕とスパイスの知識を身につけた磯邊氏。次は経営の知識を身につけようと、南インドカレー専門店「エリックサウス」をはじめ、和食や洋食など、様々な業態を経営する円相フードサービス(岐阜県各務原市、代表取締役:武藤洋照氏)に入社した。店長職として数字管理や運営まわりのスキルを身に着けるほか、新店舗の立ち上げや複数店舗の管理など、多くの現場を渡り歩き経験を積みながら7年間勤務。その後、「vivo daily stand」でソムリエの経験を持つ妻の麻由氏とともに独立の準備に入った。

細く長く続く地域密着店を目指し、繁華街でなく住宅地で物件を探して新井薬師前へ

もともと夫婦で中野区に住んでいた期間が長かったため、独立の物件も土地勘のある界隈で探していた。目指したのは「細く長く続く店」。多くの飲食店がひしめき合う中野駅などの中央線沿いではなく、周囲が住宅街で落ち着いた雰囲気のある西武線沿いの新井薬師前に決めた。「繁華街の店舗で働いていたころは、お客さんの顔を覚えられないほど忙しくて。独立する時は、もう少しスローペースで、地域密着型の店を作ろうと考えていました。この周辺は住民が多く集客のポテンシャルがあるうえ、家賃も手ごろだったことから決めました」と、語る。

物件は30年間続いていた洋食屋の跡地をコンセプトに合わせて全て改装。開放的なファサードで外から店内の様子を見やすくし、お客とコミュニケーションを取りやすいよう、カウンターキッチンと立ち飲みスペースも設けた。また、メニューは、昼はカレーを中心としたランチメニューとテイクアウトなどで食事中心に、夜はつまみとワインなどの多彩なドリンクで飲み中心に構成し、時間帯での客層と利用シーンの棲み分けた。

インド料理のみにこだわらず、ノージャンル×スパイスの「スパイス料理」を看板に

店舗のコンセプトは「indo&more(インド&モア)」。カレーやインド料理にとどまらず、ジャンル問わない幅広い料理に、スパイスの要素を加えた独創的なスパイス料理を多数用意している。

磯邊氏が幼少期から惚れ込んだ「キーマタール」をはじめ「バターチキン」や「豆カレー」など、日替わり数種の「今日のカレー」(600円)などカレーはもちろんだが、注文が入ってから焼き上げる「タンドリーチキン」(1/4羽800円、1羽3000円)や、20種のスパイスを使った創作から揚げ「チキン2020」(600円)など酒のアテにぴったりな品々も。インドとフレンチのソーセージ料理を融合させた「ゴアソーセージとシュークルート」(800円)、スパイスの効いた中東の肉料理をシチュー風に仕上げた「エゾ鹿コフタの煮込み」(900円)など、異ジャンルにインドやスパイス要素を掛け合わせた料理が充実。また、住宅街立地で家族連れが多いことにも配慮し、豆を使った鉄板料理「ドーサ」(1000円)や「自家製ハム」(600円)、ひよこ豆のサラダ「スンダル」(300円)など、スパイスを使いつつ辛くない料理も多数用意し、メニュー表にもその旨を記載。子連れに好評だ。

ドリンクは、ソムリエの麻由氏が選ぶワインを中心に構成。赤と白、3種類ずつ用意した「今日のワイン」(グラス500円)は、時期折々で頻繁に品が変わるほか、「ボトルワイン」(3000円~)も数種類揃え、「スパークリングワイン」(500円)や「自家製サングリア」(500円)も置く。その他、生ビールは「ハートランド」(小450円、ジョッキ650円)」や、「よなよなエール」、「東京IPA」といったクラフトビール(各750円)を用意。「インドウイスキー」(900円)、「I.W.ハーパー」(700円)などのウイスキーや「ジントニック」、「ラムチャイ」などのカクテル(600円)も揃え、バーとしての需要にも応える。

店舗2階で音楽やアートなどイベントを開催し、街の活性化も目論む

今後は、現在ある料理をブラッシュアップしつつレパートリーを増やし、品書きを循環させていく予定だという。それに加え、店舗自体の使い方も可能性を広げていく考えだ。「実は今、2階のスペースがまるまる空いているんです。貸し切りの宴会はもちろん、ライブやヨガ、ギャラリーなど、飲食以外のジャンルでも利用できるようにしたいと思っています」。また、飲食店経営者同士の繋がりが強いのも、この界隈の特徴と語る。「中野からのアクセスが良く、住民の数も多いので、飲食店経営者にとって非常に可能性を感じる街だと思うんです。同世代の経営者も大勢いて、一緒に何かイベントなどをして、街を盛り上げたいと話しています」。今後の展開に、注目だ。

店舗データ

店名 マロロガ バワン
住所 東京都中野区新井1-35-12

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アクセス 西武新宿線新井薬師前駅から徒歩5分
電話 080-8150-3523
営業時間 ランチ11:00~15:00、ディナー17:00~23:00 ※日曜日は11:00~22:00
定休日 月曜日、火曜日不定休
坪数客数 坪数 20坪(1階10坪、2階10坪※2階は今後稼働予定) 席数 カウンター5+テーブル8席、立ち飲み3~5名程度
客単価 昼1100~1200円(テイクアウト除く)、夜2000~2500円
オープン日 2020年1月10日
関連リンク マロロガ バワン(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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