飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

六本木に「Craft beer BAR ANT’N BEE 龍土町」がオープン。樽生クラフトサイダーとクラフトビールの二枚看板で、新たなムーブメントを狙う!

8月1日、六本木に「Craft beer BAR ANT’N BEE 龍土町」がオープンした。店主の河辺牧子氏は現在、ディナーラッシュ(東京都港区、代表取締役:泉一雄氏)から譲り受けた「Craft beer BAR ANT’N BEE 六本木」も経営しているが、一から店舗を立ち上げるのはこれが初だ。六本木店が全て国産のクラフトビールを看板にしていることに対し、新店舗は世界各国のクラフトビールと、種類豊富なクラフトサイダー(リンゴの発泡酒)をタップで提供することで棲み分けを図っている。

六本木の中でも落ち着いた雰囲気で、感度の高い層が集まる龍土町の雑居ビル1階に立地。周囲にはカフェが少ないので、昼間はコーヒーのみの利用客もターゲットに加えている
もとはベルギービールの老舗店舗が入っていた物件だが、店名であるアリとハチのカラーをあしらった内装に改修をした
左から「グラフトサイダー【ニューヨーク】ブックオブノマドブルーブラッド」と「キャプテンローレンス【ニューヨーク】ティアーズオブグリーン」
「アンチョビとパプリカのコカ」。生地はアイドルタイムに仕込みをして、ピークタイムに備えている
左から河辺牧子氏とスタッフの稲垣佳美氏。稲垣氏も、いずれは独立を考えており、河辺氏はそれを全力で応援している

(取材=高橋 健太)


常に挑戦を続けるスタイルに感銘し、オーイズミフーズへ入社

「中学生くらいから、何らかの経営者にはなりたいと考えていたんです」と、語る河辺氏。大学入学後はベンチャー学を専攻し、飲食店のアルバイトも経験した。その後、進路を決めるにあたって、飲食業界への道を選ぶ。「時代が移り変わる中でも業界自体にニーズがあり、長期にわたって経営を続けていける可能性を感じました」と、河辺氏は語る。入社したのは、「くいもの屋 わん」をはじめ、和洋折衷さまざまな業態の飲食店を運営しているオーイズミフーズ(神奈川県厚木市、代表取締役:大泉賢治氏)だ。「当時、『わん』が人気を博していましたが、当時まだ30代の若い社長が会社説明会で、それに甘んじることなく新しい業態への挑戦をしたいと話す姿に魅力を感じました」と、河辺氏。新業態の店長職や、他社業態への出向など、4年間で多くの経験を積んだ。

カウンター業務を学ぶべくディナーラッシュへ。クラフトビールの追い風に乗る

常に独立を視野に入れて日々を過ごしていた河辺氏は、運営する店舗の一角にあったカウンター席での接客に楽しさを感じるとともに、その重要さを実感。自身の店舗を構想するにあたり、お客との距離感が近いカウンター業務に特化することを考えていた。「それまでは大箱のお店での勤務が多かったので、もっとカウンター業務を勉強しようと、転職を決めました」。知人から集めた情報をもとに、都内6店舗でバー業態を展開しているディナーラッシュ(東京都港区、代表取締役:泉一雄氏)に入社し、「Abbot’s Choice(アボットチョイス)」で研鑽を積む。「当時、少しずつクラフトビールの人気が高まってきていることを感じていて、代表も私も『専門店をやってみたいね』という話をしていました」と、河辺氏。幸運なことに、同じビルに空き物件が出たことで、クラフトビールのトレンドに先駆け、2010年11月に「Craft beer BAR ANT’N BEE 六本木」を開業し、店長として勤務。3年ほど経ったとき、河辺氏は、まったく新しい店舗をいちから作り独立することを考えたが、代表の泉氏は河辺氏に経営を譲ることを提案。2013年9月に、河辺氏は「ANT’N BEE」を経営するというかたちで独立を果たした。

タップで提供のクラフトサイダーを看板に、新たな客層の獲得をはかる

今回、六本木からほど近い龍土町で2号店を出した理由は、この界隈が今も開発が進んでいて、新たな客層を掴める可能性を感じたからだ。「近場にあるからこそ、お客さんが使い分けできるように、お品書きは変えています」と河辺氏。特に力を入れたのは、樽から注ぐりんごの発泡酒「クラフトサイダー」だ。

アメリカやイギリス、日本など世界各地のサイダーを樽で仕入れ、日替わりで5種類ほど用意(すべてグラス850円、ラージグラス1400円)。ビールより、少し軽めの酒を求めるお客へのアプローチにするとともに、新たなムーブメントも狙う。
一方、クラフトビールは日替わりで14種ほど。国産ではなく海外産に限定し、IPAや黒ビール(すべてスモール850円、レギュラー950円、ラージ1400円)、度数の高いストロングビールなど、多彩なバリエーションを誇る。

フードは、仕込みにしっかりと手間をかけ、注文時はスムーズに提供できるものを中心に揃えオペレーションを簡略化した。「自家製ピクルス」や「牡蠣のオイルマリネ」(各500円)、「豚バラのリエット」(800円)、「アンチョビとパプリカのコカ」(1080円)など、ビールとの相性を考慮したラインナップだ。

経営者として、一児の母として、働き方の新たなかたちを提案していく

2号店の開店時間は昼の12時と、飲み屋としては比較的早めだ。これには、昼飲みを楽しんでほしいという思いのほか、一児の母である河辺氏による働き方の提案でもある。「今後は経営者として、飲食を志す若い世代や、子どもをもつお母さんたちが頑張れる環境を作りたいと思っています」。例えば、営業時間が昼からなら、夕方までの時短勤務ができ、家族との時間を両立することも可能だ。また、ゆくゆくは産休・育休制度を取り入れることも考えている。「出産や育児など、ライフイベントによって一度仕事の現場から離れた女性が、また働くことに意欲的になった時の受け皿になりたい」と語る。また、店内にはベビーチェアはもちろん、化粧室にオムツ替えシートも完備。従来の「飲み屋のお客」だけでなく、忙しい育児の合間にひとりで息抜きをしたい「子育て世代の両親」もターゲットに据え、アプローチすることを忘れない。「『飲食業はブラックだ』なんて声も聞くんですけど、そうじゃない。飲食業で働いて、子どもを育てたことを社員が誇れる会社にしたいんです」と、河辺氏は語る。

店舗データ

店名 Craft beer BAR ANT’N BEE(クラフトビアバー アントンビー) 龍土町
住所 東京都港区六本木7-9-2岡野ビル1F

 >> GoogleMapで見る

アクセス 都営地下鉄大江戸線六本木駅から徒歩3分
東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩4分
東京メトロ千代田線乃木坂駅から徒歩7分
電話 03-6447-4311
営業時間 12:00~23:00
定休日 火曜日
坪数客数 17坪 29席
客単価 3500~4000円
運営会社 株式会社アントンビー
オープン日 2019年8月1日
関連リンク Craft beer BAR Ant’n Bee Ryudocho(Facebook)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.