飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

「サカナバル」が5店舗目の五反田店で打ち出したのは「大衆感」。小ポーションで多種類を楽しめる「豆皿タパス」を充実させ、和洋中の多様なエッセンスを取り入れた魚料理を提供

8月21日、五反田に新規開業した飲食ビルFUNDES五反田の5階に「サカナバル五反田店」がオープンした。アイロム(東京都渋谷区、代表取締役:森山佳和氏)が展開する「サカナバル」の5店舗目だ。「サカナバル五反田店」は、これまでの「サカナバル」よりも広い店舗や、五反田という立地に合わせて「大衆感」を打ち出し、小ポーションで多種類を楽しめる「豆皿タパス」を充実。和洋に加え、中華のエッセンスも取り入れた意欲的な新作魚料理を提供する。

五反田・桜田通り沿いに新規開業したFUNDES五反田の5階に入居する
店内中央に大人数にも対応できるロングテーブルを配置。その両脇に、2人がけと4人がけのボックス席を設けている
「豆皿タパス」の品々。下から時計回りに「雲丹ウフマヨ」、「真蛸とパクチー」、「ザーサイと貝柱の中華和え」。「雲丹ウフマヨ」は、玉子を崩し、ウニと混ぜ合わせながら食べてもらう
「牡蠣のヤキソバ」は、具の牡蠣だけでなく、牡蠣をペーストにしたものでも味付けし、牡蠣の旨味がたっぷりの焼そばに仕上げる
名物商品の「カルパッチョ盛り合わせ」(写真は2人前)。魚ごとに味付けを変えるのが「サカナバル」のスタイルで、写真はマグロ(長ネギ、玉ネギをベースにした香味ソース)、「富士山サーモン」(レモンやオレンジを使った柑橘ソース)、アオリイカ(人参、生姜ベースのソース)など
代表の森山佳和氏(写真手前中央)と、総料理長の久能健也氏(同手前左)を始めとした「サカナバル五反田店」のスタッフ

(取材=亀高 斉)


特に意識したのは「使いやすさ」。ランチにも注力

アイロムが展開する「サカナバル」は、魚料理に特化したバルの先駆け的な存在として知られる。2012年にオープンした1号店、恵比寿の「サカナバル」は、現在も17坪で月商750万~900万円という予約必至の大繁盛店だ。また、恵比寿に続いて出店した六本木の「サカナバルグリル」では、魚のグリル料理を売り物にし、川崎店ではエスニック色を強めるなど、店舗ごとに特色を打ち出してきた。そんな「サカナバル」が5店舗目の五反田店で打ち出したのが「大衆感」だ。その理由について代表の森山佳和氏は以下のように話す。

「五反田店は36坪あり、これまでの20坪前後のサカナバルよりも広い。しかも、五反田駅から近い人通りが多い場所ということで、少人数から大人数まで利用してもらえる大衆感のある店にしました。あくまでも僕らが考える“大衆”で、いわゆる大衆酒場とは違いますが、特に意識したのは“使いやすさ”。スペインのバルは、昼夜を問わず、一日中、食事を楽しめる食堂です。そんなイメージで、五反田店はランチ営業もしっかりと行い、昼も夜も使い勝手の良い店として、幅広いお客様に利用してもらえればと考えています」。

「昭和な感じ」のボックス席を、あえて作った!

内装は、船に使われる照明を用いるなどして「港にあるワイン倉庫のような雰囲気」を演出しながら、これまでの「サカナバル」よりも大衆感のある明るい印象にした。少人数から大人数まで対応できるようにした客席は、オープンキッチンの前にカウンター席を、店内中央にロングテーブルを配し、他にボックス席やソファー席も設けている。

「ボックス席は昭和な感じかもしれませんが、仕切りを設けるだけで個室感を出すことができ、お客様に喜ばれます。バル業態には珍しく、店の個性にもなることから、今回は必ずボックス席を作ろうと思いました」(森山氏)。バルのライブ感やスタイリッシュさがある内装で、なおかつ、中高年のサラリーマンなどもくつろげる客席づくりを巧みに工夫している。

「お客様が何度でも通いたくなる」メニューが完成

「サカナバル」は魚料理に特化しながら、店舗ごとにメニュー内容を変えてきた。「最初に街に合った内装デザインを考え、その次に料理の内容を考えます。同じメニューで展開すれば効率的ですが、それだと店の雰囲気と料理がちぐはぐなものになりやすいので、店舗ごとに料理内容を一新してきました。単に自分が飽き性なだけかもしれませんが(笑)」(森山氏)。「サカナバル五反田店」のメニューも、ほぼすべてが新作料理で、さらに新しい試みとして「豆皿タパス」と呼ぶ小皿料理を充実させている。

「豆皿タパス」のクイックメニューは、「切干し大根のわさびピクルス」(350円)に始まり、「ヤリイカとセロリのマリネ」(450円)、「しらすたっぷりコールスロー」(450円)、「雲丹ウフマヨ」(450円)、「ブルドツナのマカロニサラダ」(380円)、「真蛸とパクチー」(550円)など、ポーションを抑える代わりに300円~400円台を中心とした価格で用意。他に温菜の「サカナバルのあら煮」(400円)や「あら煮豆腐」(450円)、揚げ物の「銀鱈のコロッケ」(1ヶ250円)や「アジフライ らっきょうタルタル」(480円)、「小エビのアヒージョ」(550円)や「カニ味噌のアヒージョ」(650円)などのアヒージョも手頃な価格で提供し、1人や2人の少人数客でも多彩な料理を楽しめるようにしている。

そして、「ザーサイと貝柱の中華和え」(450円)、「カニカマとポルチーニの春巻き」(380円)、「牡蠣のヤキソバ」(980円)など、中華のエッセンスを取り入れた魅力的な料理も開発。メニューの「おすすめ」コーナーにも、「サカナバル」の名物商品「カルパッチョ盛り合わせ」(2人前~/1人前680円)に加えて、「エビのおつまみカルパッチョ」(680円)、「鮪と燻りがっこのバクダン」(780円)、「宮城県産生ガキ ディルとハバネロ」(1ヶ400円)、「タコのミートソースラザニア」(650円)などの新作料理をラインナップする。商品名からも、新しい魅力が感じられる魚料理が満載で、森山氏も「本当にどの料理も美味しいんです。お客様が何度でも通いたくなるようなメニューができました」と自信を見せる。

1号店から7年。「サカナバル」の強さの秘訣とは?

恵比寿に1号店をオープンして7年が経ち、今回の五反田店でさらに進化を遂げたと言える「サカナバル」。同店の「強さの秘訣」について森山氏は、「魚貝のバル業態が増える中で、他に先駆けて出店したという強みが、まずベースとしてあります。創業当初から試行錯誤の連続でしたが、これまでにあらゆる魚を扱い、様々な魚料理を開発してきたので、“この魚は、どんな調理法や提供法が良いのか”というポイントをしっかりと押さえることができるようになりました。無理して開発したような魚料理ではなく、“これなら当然、美味しい”という魚料理を提供できていることが、お客様に支持してもらえる理由ではないでしょうか」と話す。

この7年で魚の仕入れルートも広がり、良いものを、より安く仕入れることができるようになったことで、創業当初は40%を超えていた原価率も、現在は30%ほどで推移。同様にワインの仕入れ力も向上し、2000~3000円台のリーズナブルな価格帯で、よりクオリティーの高いものを提供できるようになっているという。魚業態ということで、一番よく出るのは白ワインだが、最近はロゼワインの品揃えも強化して好評だ。今後については、「この五反田店を“本店”のような存在に育て、サカナバルの認知度を上げていきたい。五反田店は店舗が広い割に内装費を抑えることができたので、これを20坪くらいのコンパクトな形にして展開するのも面白いかもしれないと思っています」という。基本的にしばらくは新規出店をするつもりはないとのことだが、五反田店がそうであったように、好物件のオファーがあれば出店を検討していく考えだ。

店舗データ

店名 サカナバル五反田店
住所 東京都品川区西五反田1-2-8 FUNDES五反田 5F

 >> GoogleMapで見る

アクセス 五反田駅から徒歩1分
電話 03-6910-4606
営業時間 月~金 ランチ11:30~14:30 ディナー17:00~24:00  土日 16:00~23:00
定休日 無休
坪数客数 36坪・65席+スタンディング(5人分)
客単価 ランチ1100円 ディナー3500円
運営会社 株式会社アイロム
オープン日 2019年8月21日
関連リンク サカナバル五反田店(FB)
関連リンク サカナバル五反田店(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.