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居酒屋を展開するちゃらりが赤羽にネオ大衆酒場「鉄板あっちっち酒場 ドロンパ」を開業。縁日を思わせる活気あふれる空間で、個性豊かな料理とドリンクを提供

5月2日、赤羽に「鉄板あっちっち酒場 ドロンパ」がオープンした。運営はちゃらり(東京都北区、代表取締役:新井裕一氏)。同社は北千住の「牡蠣と燻屋 かつを」、池袋の「ミートチョップス」、九段下の「ちゃらりちゃらり」など都内に炭火串焼きをはじめ居酒屋や炉端焼きなどを展開。鉄板焼きや屋台料理中心にした新しいタイプの居酒屋「鉄板あっちっち酒場 ドロンパ」の店長をまかされたのは入社12年目の神部裕司氏だ。

店舗は赤羽北口の赤羽一番街の路地を一歩入った裏通りにあり、居酒屋や赤ちょうちんなどが立ち並び昭和の香りが漂う
カラオケスナックだった9坪の居抜き物件をリニューアル。キッチンの広さなどの制約がありながらも、鉄板焼きをメインにした居酒屋に
キュウリの1本漬けは金魚鉢で供される。キュウリに刺した割り箸がクジになっているのも射幸心がかき立てられる
広島のご当地グルメとして人気上昇中の「うにホーレン」(1280円)。バターと醤油で炒めたほうれん草に濃厚なうにの旨味が加わりたまらない酒の肴に
今回店長をまかされた神部裕司氏(左)。同じOK横丁にある「Pork chops」の立ち上げた経験が役立っているという。店頭で立ち止まているお客様に率先して声をかけるという手法もそのひとつだ

(取材=松野孝司)


人気店の店長を務めた店主が、満を持してオープンしたネオ大衆酒場

浅草のポッピー通り、新宿の思い出横丁、吉祥寺のハモニカ横丁など、ここ数年、昭和の雰囲気を残す昔ながらの飲み屋街の人気が高まっている。赤羽のOK横丁もそのひとつだ。北口の赤羽一番街の路地を一歩入った一角にあり、狭い路地に居酒屋や赤提灯、立ち飲み屋が立ち並ぶ。そんなOK横丁に、5月2日に活気あふれる店舗がオープンした。株式会社ちゃらり(東京都北区)が運営する「鉄板あっちっち酒場 ドロンパ」だ。

店長を務めるのは神部裕司氏。これまで「牡蠣と燻屋 かつを」や「Pork chops」(赤羽)の立ち上げに参加し、「赤羽籠太」(赤羽)の店長を務めたという。今回の出店において、新井裕一社長から「好きなようにやってみろ」と店づくりを一任されたという。「画一的なチェーン店を展開するよりも、社員の個性を生かした店づくりをしたい」と考えている新井氏ならではの大胆な手法といえるかもしれない。

「以前から大衆酒場のような店を作りたい、という気持ちがあり、社長にも常々言っていたところ、たまたまこの物件が空いたということで任せてもらえることになりました」同社が赤羽に出店するのは「赤羽籠太」「Pork chops」に次ぐ3店舗目となる。「同じOK横丁に店舗を構える『Pork chops』の立ち上げに携わったので、このエリアの客層やお客様の好みなどを肌で知っていたことも店づくりに役立ちました」と神部氏は語る。

非日常的なワクワク感を楽しんでもらうための数々の演出

赤羽エリアは、センベロの聖地とも呼ばれ、最近では週末や祝日には外国人観光客も足を運ぶ人気スポットとして注目されている。「赤羽にわざわざ足を運ぶ方は、ワイワイ楽しく飲みたいという方が多い。だから店内の天井にベトナムや中国の提灯を吊したり、壁にはお面やヨーヨーなどのアイテムを飾り、縁日のような非日常空間を演出しました」と神部氏。

お客に非日常的なワクワク感を楽しんでほしいとの思いは、ドリンクや料理の演出にも表れている。例えば、名物の「れもんてんサワー」(540円)は、サワーにレモン果汁や輪切りのレモンなどを足すのが一般的だが、同店ではレモン果汁などをゼラチンで固めたものを、お客の目の前でトコロテン用のけんつきで突いて提供する。「独自性を出すために、ウチでしか飲めないものを提供したい、という気持ちから開発しました」ビジュアル的にもインパクトがあり、インスタ映えすると、オープン当初からネット上で話題になっている。定番でもあるホッピーをあえておかず、その代わりに「中」として焼酎とどぶろくを使い、「外」としてドクターペッパー、三ツ矢サイダー、つぶつぶオレンジを使う「缶サワー」(450円)もユニークな試みだ。もちろん、オリジナルドリンクの以外にも、日本各地から厳選した日本酒、、知多やデュワーズなどのウイスキー、カクテル、サングリアやワインなど幅広いラインナップ。このあたりも大衆酒場らしい。

また、「鉢漬けキュウリの1本漬け」(298円)は、縁日でおなじみのキュウリの1本漬けを串に刺した状態でガラスの金魚鉢で提供。串に当たりクジを仕込み、一本線が描かれた串を引いたらドテ串、二本線が描かれた串を引いたらサワー類を一杯進呈。お客の射幸心をくすぐる見事な演出だ。通常は10本に2~3本の当たりを用意しているが、当たるまで7~8本食べ続けた猛者もいたという。

個性あふれるオリジナル料理と大衆酒場らしい幅広いラインナップ

演出だけでなく、料理に対してのこだわりも半端ではない。鉄板料理をウリにしたのも、鉄板焼きをメインにした店舗が赤羽エリアになかったことと、以前、同社運営していた鉄板料理の店の鉄板を再活用できるからだという。同店はもともともカラオケスナックだった居抜き物件。それゆえに制約もあったという。「当初はカウンターのお客様には、目の前の鉄板で作った料理を召し上がっていただきたい、と計画していたのですが、キッチンスペースが狭く、油跳ねややけどなどお客様にご迷惑をかけるリスクがあると判断して、鉄板とカウンターの間に壁をつけることにしました」

計画の変更があったといえ、鉄板で調理するときの音と香りは食欲を刺激をする。イチオシは「うにホーレン」(1280円)。バターと醤油で炒めたほうれん草に濃厚なうにの旨味が加わっている。テレビ番組『秘密のケンミンSHOW』で取り上げられたこともあり、注目度上昇中の広島名物だ。メニューに加えるに当たっては、わざわざ広島に出向き市場調査をしたという。

「赤羽OKもちもち焼き」(580円)もオススメメニューのひとつだ。特製生地に、具は魚肉ソーセージ、もち、紅生姜、キャベツ、揚げ玉、半熟たまご。タコせんべいにのせてソースをかけて食べる。一般的なお好み焼きよりも縁日のお好み焼きに近いスタイルで、店舗のコンセプトを具現化したかのような逸品だ。一方、鉄板でペペロンチーノ風に味付けした「無限枝豆」(380円)、「無限もやし」(380円)、「無限ブロッコリー」(398円)、ポン酢がきいた「酢もつ」(380円)、ちょっと辛めの味付けした「牛すじ串」(180円)、「なんこつ串」(140円)などの煮込み串、さらにサラダ類、揚げ物類から〆としての「ドロンパドロソース焼きそば」(680円)、「鉄板焼カレーめし卵のせ」(680円)まで幅広いニーズにも対応している。

店舗運営には、客のニーズに素早く変幻自在に対応する姿勢が重要

その一方で、オープンして間もないというのに、売上の動向を見てメニューの入れ替えも行っているという。「売上が上がらない料理を出し続けても経営を圧迫しかねません。この店ならではの驚きや発見、感動をお客様に提供しないと、お客様にはすぐ飽きられてしまいます。だから、お客様のニーズのちょっと先を行くためにも変革することを怖がらないようにしています。自分が理想とする店舗を10とするなら、まだ6ぐらいですが、今後もメニューだけでなく接客を含めた人材育成の面でも、積極的に取り組んでいきたいと思っています」と神部氏は力強く語った。客層は20代の若者層が多く、そのリピータ率も高いという。鉄板焼きを中心とした、ネオ大衆酒場というスタイルが若者層のハートをグッとつかんだ証だ。

店舗データ

店名 鉄板あっちっち酒場 ドロンパ (てっぱんあっちっちさかば どろんぱ)
住所 東京都北区赤羽1-18‐8

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アクセス 赤羽駅から徒歩3分
電話 03-6903-9332
営業時間 【火~金、祝前日】17:00~翌0:00(料理LO 23:00、ドリンクLO23:30) 【土日祝】15:00~翌0:00(料理LO23:00、ドリンクLO23:30)
定休日 月曜
坪数客数 席数 9坪・32席(外テーブル席含む)
客単価 2300~2500円
運営会社 株式会社ちゃらり
オープン日 2019年5月2日
関連リンク ちゃらり(HP)
関連リンク 貝と魚と炉ばたのバンビ(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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