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「魚真」で10年勤めて独立。三軒茶屋に「魚と酒 めから鱗 」が開業。「魚真」仕込みの魚料理と名物釜飯をウリに、1軒目使いの店を目指し酒場激戦区で差別化を図る

5月6日、三軒茶屋駅から徒歩6分の茶沢通りの路地裏に「魚と酒 目から鱗」がオープンした。「魚真」を運営するシン(東京都世田谷区、代表取締役:加世井眞次氏)出身の田中秀和氏が代表。同店は良質な魚と酒を提供する割烹居酒屋。回転率重視の酒場がひしめく激戦区に位置しながら、客単価5000円以上でゆっくり過ごしてもらう1軒目使いの店を目指し、他店と差別化を図る。

三軒茶屋駅から徒歩6分。茶沢通り路地裏ながら、キーカラーの赤で夜も目に引く
13坪23席。テーブル席は7台15席。赤をアクセントカラーにし、青森から仕入れたヒバの一枚板を使ったカウンターが上質な雰囲気を演出する
刺し盛り2人前。盛り付けは皿に飽き足らず、自身で仕入れた石を使用。斬新で写真映えする
「鹿もも肉ロースト」(1280円)など、魚以外にジビエ料理も用意
写真左から代表の田中秀和氏と、田中氏の右腕として活躍する料理人の久保孝徳氏

(取材=福井 晶)


「魚真」で8年間店長を経験

代表の田中氏は20歳から飲食業界に飛び込み、和食店の厨房で修行。店舗開業を目指していた同氏は、2009年、独立を応援するシンの社風に感銘を受けて入社。そこから2年で店長に抜擢。渋谷、銀座、吉祥寺の3店舗、社歴10年間のうち8年の間、店長の責を全うした。調理の腕のみならず、店をまとめ上げる人間力も評価され、惜しまれつつ、10年の節目に退職、同店の開業に踏み切った。

回転数を意識せず、ゆったり過ごせる店づくり

三軒茶屋での出店理由は、酒場文化が確立した街の雰囲気に惹かれたため。物件探しの希望条件は路地裏にある路面店で、10〜15坪ほどの広すぎない場所としていた。なかなか思った物件が見つからず、二子玉川、渋谷、六本木、麻布などで広範囲で探し、1年ほどで現在の物件に出会った。

店内は13坪23席。元はスペインバルだった内装を大幅に変更し、赤をアクセントカラーに和を基調とした。カウンターとテーブルの素材には青森のヒバを使用し、高級感ある設えに。「『魚真』は来客数が多いため、どうしても回転を重視しなければならなかったんです。自分でやるなら、お客様一人一人がゆっくり過ごせて、スタッフも落ち着いて動ける雰囲気の店を作ろうと思っていました」と田中氏。

酒と魚を主軸に、ライブ感ある釜飯が目玉

店名に「酒と魚」とあるように、料理のメインは古巣「魚真」から仕入れた魚。自慢の「刺身盛り」(1人前 1200円~)は、自ら青森の海岸で仕入れた厚みのある石に刺身を盛りつけ、見た目のインパクトも抜群。他にも「きんき」、「のどぐろ」(各 2,980円)など、旬の魚を炭焼きや煮魚として提供。加えて、目玉としているのは釜飯。1日限定5食の極上白飯「龍の瞳」(1合 1,380円)、「幻の米 コシヒカリ 真鯛釜飯」(1合 1,200円)などは固形燃料を使用し、各客席の前で40分間かけて炊き上げ、ライブ感を演出。「周りの店は2軒目、3軒目の需要が高い店が多く、同じことをしてもしょうがない。うちは1軒目からしっかり食べて帰ってもらえるメニュー構成にしました」と田中氏。
前菜は5種を盛り合わせた「八寸盛」(680円)をはじめ、「ホタルイカ酢みそ」(580円)や「あん肝ぽんず」(780円)など8種類を揃える。その他、ジビエや天ぷら、週一回は手打ち蕎麦もメニューに並び、客単価は5,000~10,000円を超えることが多いという。

ドリンクは日本酒がメインに「王禄」(1合 2,000円)、「而今」(1合 1,200円)など、魚に合うお酒を常時14種類以上をラインナップ。ワインは、赤白4種類ずつ、泡を2種類の合計10種類、生ビールは「一番搾り」(中 600円、小450円)、サワー類なども幅広く揃える。

今後の展望については「まだ1週間なので、この店でいかにお客さんを喜ばせるかしか考えられない」とシンプルながら、独立を目指し研鑽を積んだ彼らしい一途な答えだった。

店舗データ

店名 魚と酒 めから鱗
住所 東京都世田谷区太子堂5-2-11 ライオンズマンション 1F

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アクセス 三軒茶屋駅から徒歩6分
電話 03-6450-8310
営業時間 【月~木、日】18:00~翌1:00(L.O.食事24:00、飲み物24:30) 【土】 18:00~翌3:00(L.O.食事26:00、飲み物26:30)
定休日 不定休
坪数客数 13坪23席
客単価 4000〜6000円
オープン日 2019年5月6日
関連リンク 魚と酒 めから鱗 (Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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