スタッフ増加にともない、働き口の確保のため出店
代表の吉利氏は、2009年、25歳のときに中野に「炭火焼きホルモン とんずら」(現在は閉店)で飲食店オーナーとしてデビュー。現在は「鳩乃湯」を含めて4店舗を運営。同店は3年ぶりの新店舗となるが、出店の理由は「スタッフに働く場を提供するため」だという。
「幸運なことに、当社で働きたいというスタッフが増えて既存の店舗だけでは十分な働き口を提供することが難しくなってきた。人手不足が深刻化するこの時代で、働きたいのに働けない人がいる、というこの状況は非常にもったいない。また、既存店はすべて10坪弱の小体なハコだったので、もっと大きさのある店舗をやってみたいという気持ちもあり、出店を決めました」と吉利氏。
目黒や渋谷近辺を中心に、20坪以上を目安に2年かけて物件を探した。駅から徒歩2分の好立地で、25坪の広さのこの物件について、「ほぼ長方形なのでレイアウトがしやすく、路面に対する面が広いので、“店の顔”を作りやすいことが気に入りました」と吉利氏は話す。
古典酒場をリスペクトし、現代的にアレンジした”古くて新しい“空間
コンセプトは「トレンドに左右されない酒場」。昔ながらの古典酒場をベースとしながら、女性や若者にも親しみやすいよう現代的なアレンジを利かせた、吉利氏流ネオ酒場に仕上げている。
店内には、古典酒場の象徴であるコの字カウンターを据え、脇にはテーブル席、奥には小上がりを配置。キッチンとは別に中継所となるドリンクステーションを置き、ドリンク提供の効率を図る。グレーに塗られた壁は、シックで無骨な印象。随所に昭和を彷彿させるタイル地を散りばめ、骨董屋で見つけたというアンティークのタンスを置き、中には金宮焼酎といいちこのボトルをずらりと並べる。昔ながらとモダンの要素が交錯した、“古くて新しい”空間だ。
古典酒場に倣い、「やりすぎない」馴染み深いメニュー
メニューは「やりすぎないこと」を大切にした。「例えば凝ったレモンサワーを出すとか、やろうと思えばどこまでもできてしまいますが(笑)、今回はそうではなく、昔ながらの古典酒場にあるような、わかりやすく馴染み深いメニューを中心に用意しました」と吉利氏。
フードは名物の「塩モツ煮込」(480円)をはじめ、「スパサラ」(380円)、「自家製がんも」(380円)、「チキン南蛮」(680円)、「刺身盛合」「和牛タタキ」(各880円)、「中華そば」(780円)まで約50品、総合的な品揃え。奇をてらわない品々だが、手作りにこだわり、どの品もクオリティには妥協がないのがポイントだ。
ドリンクも同様に「やりすぎない」ラインアップ。ビールは、キリン一番搾りが生中680円、生小380円。よなよなエールもタップで用意し780円。「酎ハイ」(380円)から、「角ハイボール」「生レモン酎ハイ」「緑茶割」「ホッピーセット」(各480円)など、チューハイ系が充実。漬け込み焼酎の「金宮珈琲酎」「芋ほうじ茶酎」(各480円)なども人気だ。日本酒は、小580円~、大980円。本格焼酎は580円~。ボトルは「金宮」(1980円)、「いいちこ」(2480円)、「白波」(2480円)、「角」(3980円)を用意し、ボトルキープは1カ月まで。
ターゲットは「街の老若男女」。「15時からオープンしているので、昼は新聞片手に飲み始めるシニア男性がちらほら。夕方からは仕事終わりの方々が増えてくる。オープンから間もないですが、連日、満席をいただいていて、お断りすることもあります」(吉利氏)と、出だしは好調のようだ。
スタッフの定着率が高く、人材不足知らず。今後の出店は物件次第
「人材不足が騒がれる昨今ですが、うちは幸いにスタッフの定着率が高く、人材に関して大きな問題は感じていません。今後も物件さえ見つかれば出店し、スタッフ達に活躍の場を提供したい」と吉利氏。現在、スタッフは社員が10名、アルバイトが8名ほど。現在35歳の吉利氏を中心に、同世代を中心に和気あいあいとした雰囲気が働きやすさを生み、円滑な店舗運営を実現しているという。今夏にも新たな出店計画が進行中とのことだ。
店舗データ
店名 | 鳩乃湯(はとのゆ) |
---|---|
住所 | 東京都目黒区鷹番3-8-15 |
アクセス | 学芸大学駅から徒歩2分 |
電話 | 03-6303-4586 |
営業時間 | 15:00~23:00 |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 25坪40席 |
客単価 | 3800円 |
運営会社 | 有限会社近藤商会 |
オープン日 | 2019年4月11日 |
関連リンク | 鳩乃湯(FB) |
関連リンク | ROJIURASAKABA 青 CORNER(記事) |
関連リンク | ハトノーユ(記事) |